《國民的歌手のクーデレとのフラグが丈夫すぎる〜距離を置いてるのに、なんで俺が助けたことになってるんだ!?》第5話 すれ違う
「山田さんってシャートンのファンなの?」
「え?」
俺の問いかけにこっちを向くと、間抜けな聲が山田さんの口かられ出る。そして、僅かに瞳を左右に揺らした。
「えっと……うん、そんなじ」
「やっぱりそうなんだ」
「なんで分かったの?」
「昨日、話しかけてきた時、シャートンのこと気にしているみたいだったからさ」
やはり山田さんもシャートンのファンだったらしい。まさかこんな1番近くに同志がいたとは。
「山田さんはいつからファンなの? 俺は昨日もし話したと思うけど、2ヶ月くらい前からだから売れるし前くらいからなんだよね」
「……私は一番の初期」
「うそ! それは凄い」
「別に」
さらりと言ってるけど、古參のファンとか尊敬しかない。
「初期からっていうことは、あの幻の曲も聞いたことが?」
「そうね。何回も聞いた」
「いいなー。今は消されてて名前だけしか知らないんだよね」
シャートンにはファンの間で囁かれる幻の曲が一つある。シャートンが2番目に投稿した曲らしいけど、何らかの事ですぐに消されてしまったらしい。だから今は殘っていない。
ただ最近シャートンの名前が売れ、ファンが増えてきたことで昔聞いたという人がそういう話をらしたことで幻の曲として広まっているのだ。
「はぁ。一度でいいから聞いてみたいな」
「別に、そこまで羨むものでもないよ?」
「それは山田さんが聞いてるから言えるんだよ。シャートンの大ファンとして聞いたことがない曲なんて、から手が出るほどしいものなんだから」
一度でも聞けるなら、なにをしてもいい。土下座だって余裕だ。
俺の熱い力説に、山田さんはほんのちょっと分かりやすく息を吐く。
「……ほんと、シャートンのこと好きだね」
「まあね。大好きだよ」
「っ、そう」
山田さんのがぴくっと震え、僅かに瞳が大きくなった。揺れるように瞳がき、視線を俺からそっと逸らす。
そのまま顔を正面に直して、ノートを書く作業に戻る。山田さんの手が忙しくく。
だけど、段々とゆっくりになって、パタンとペンを置いた。
ちらりと上目遣いにこちらを窺う表。厚い前髪の奧の雙眸と視線がわる。
「……よかったら、その曲貸す?」
「え? うそ、持ってるの?」
「うん……一応ある。ただネットに流すとかそういうのはダメ。それでもいいなら……」
「ありがとう! 絶対流さないから貸して下さい」
おいおいおいおい。まじかまじか。え、なに、幻の曲が聴けちゃうじ? 現実味が全くない。
「週明けの月曜日持ってくるから」
「ほんと、ありがとう。神様、仏様、山田様」
「山田様はやめて」
大袈裟に振り手振りで謝を伝えると、山田さんはそっぽを向いてツンと否定してくる。そうは言われても、山田さんはもはや神様にしか思えず、心の中で祈りを捧げておいた。山田様ありがとうございます!
♦︎♦︎♦︎
「それで、山田さんとなんで親しくなってるんだ?」
珍しく連れションにわれ、トイレで秀俊と並んで用を足していると隣から疑問の聲が飛んできた。
いつも話す俺の席は山田さんの隣なので配慮したらしい。
「それが、山田さんもシャートンのファンらしくて、昨日の俺と子達の會話を聞いて気になったみたいなんだよね」
「ああ、そういうことか。でもそれって最近名前が売れ始めたから知ってる、ぐらいの話だろ?」
「いや、それが俺よりも古參の初期からのファンならしい」
「は? まじ?」
「ほんとほんと。あの幻の曲も知っていたし」
「幻の曲?」
知らないようで首を傾げる秀俊。分かりやすく簡単に説明する。
「……というわけだ」
「はぁ。なるほどな。それを知ってるということは相當なファンなわけか」
「そうそう。しかも聞いてよ。山田さんその幻の曲のデータ持ってるみたいで、今度貸してもらえることになった」
「は? え?」
ぽかんと秀俊の口が開く。間抜けで面白い。
「あはは。そういう反応になるよね。俺も最初言われた時は理解できなかったし」
「當たり前だろ。なんで山田さん持ってるんだよ」
「一番の初期から知ってるって言ってたからね。ほんと山田さん様々だよ」
もう山田さんには謝しかない。これはもう一度祈りを捧げておこうか。心の中で手を合わせる。
じゃぶじゃぶと水道で手を洗いながら祈りを捧げる。
「まさか、山田さんがシャートンのファンなんてな。そりゃあ、潤と仲良くなるか」
「いや、別に仲良くはないでしょ」
話すようになったのは昨日の今日である。知り合いがせいぜいだろう。
「いやいや、山田さんがあんなに誰かと話しているの初めて見たし。それに趣味も一緒ならこれから絶対仲良くなるだろ」
「まあ、悪い人ではないけどさ」
「さっきも潤と山田さんが二人で話してるところ見てたけど、結構いいじだったし、上手くいけば付き合えるんじゃね?」
「いや、気が早すぎ」
まだ対象とかそういう話の段階に進んでいない。想像の中で勝手に進めすぎ。
ただ、否定はしつつも、隣に山田さんといる姿をしだけ想像してしまった。
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