浜山SO(セールスオフィス)は雑居ビルの2階にある。

オフィスビルと言った方がいいのかもしれないけど外観は雑居の方が合っている。

道すがら仁科さんに聞いた通り、セキュリティはわりとしっかりしていて、警備員にセキュリティカードと何重もロックがかかっている。

3人のオフィスなのだから當然と言えば當然だ。

事務所の前に男別の更ロッカーやトイレもあり、別で苦労することはなさそうだった。

さっそく事務所にるにもセキュリティカードが必要のため注意しないといけないな。

事務所の広さはそこそこと言った所。縦に2列並んだオフィスデスクに所長用のデスク。

小さな応接室と奧にはテレビ會議が出來る、會議室があった。簡単な臺所まである。

本社ビルの方が圧倒的にデカいけど、事務所も悪くないなぁ。

「來たわね」

事務所の中をキョロキョロしていると人2人が待ち構えていて変な聲が出そうになる。

俺は新たな上司に頭を下げる。

「おはようございます花村飛鷹(はなむらひだか)です！」

ネクタイもスーツのばっちりのはずだ。初対面の印象が大事だ。

「設計開発チームからの異で浜山SOにやってきました。不慣れな點があると思いますが何卒宜しくお願いします」

「花村くん、電話では話したと思うけど、私が作(みまさか)凜音(りおん)よ。あなたの経験と知識に期待しているわ」

「は、はい！　宜しくお願いします」

寫真で見るよりめちゃくちゃ人だった。

でも3人のの中で一番小さい。でも出るとこ出てるし、暗の髪はすっごく綺麗に手れされている。につけているスーツも時計やネックレスも高級ブランドだ。

化粧とかもばっちりだし、これで営業來てくれるんなら毎日でも來てほしいと思うくらいだ。

たたずまいがもう仕事の出來る人なんだってことが直で分かった。

そして。

「じーーー」

作所長の後ろで俺の顔をじろっと見るのが恐らく九寶(くほう)葵(ひなた)さん。

背中までばした艶のある黒髪が印象的な子だ。子アナかってくらい見栄えのよい顔立ちをしている。

今期から俺が5年目になるから2年目だっけ。若さとは逆で3人で一番の背の高いの子だ。

男の俺よりは當然小さいが……黒髪ロングは実に良き。

「花むっちゃん、葵ちゃんに見惚れたらダメだよ！」

「んごっ！」

背中をパンと叩かれる。

「ち、違うよ！　ごほん、花村です、宜しく」

「は、はい。九寶と言います。すみません、じっと見てしまって」

奧ゆかしくノートで顔を隠してる所が儚くてしい。

仁科さんに負けないくらいこの子も可いな。3期下にめちゃくちゃかわいい子がいるって聞いたことがあるけど……多分この子のことだろう。

「んじゃ、最後はあたしだね。仁科(にしな)一葉《かずは》です。はなむっ……、花村さんとは同期の間柄になります。仲良くしてくださいね！」

「うん、……よ、宜しく！」

やっぱり本社にいた時よりも活発になっている気がする。

ただでさえ可らしいのに明るさに眩しくて直視できなさそうだ！

これがキャとキャの差って奴だな……。

……初対面での好度はそう悪くはなさそうだ。

容院に行って髪とか揃えておいて本當によかった。そもそも容院なんて初めて行ったけどな！

好度がマイナスにならなければとりあえずはよい。

作所長が前へ出る。

「じゃあさっそくだけど、私について仕事容を覚えてもらうわ。代わりにあなたの知っている裝置のノウハウを伝えてもらうわよ」

「は、はい！」

「やるからにはトップを目指すわ。來てそうそう悪いけど……しっかりついてきなさい」