《ニセモノ聖が本に擔ぎ上げられるまでのその過程》3
「家族と、あなた自の安全は私が責任をもって保障します。巡禮の期間が延長になる場合もありますが、その時は延長した分報酬を追加しましょう」
「ありがとうございます、これからよろしくお願いします」
キラキラしい司祭様は、売りにできそうな完璧な笑顔をおしげもなく振りまいて、私とがっちり握手をわした。がっちり握られ過ぎて判で切った指がちょう痛かった。
***
家族には『出稼ぎに行ってくる』と伝え、もらった前金を渡した。
ちびたちの面倒を母一人で見きれるか心配だったが、なんと司祭様が『母を付けますからご心配なく』と先読みして言うので、家族は私との別れをまったく惜しむこともなく『ありがとういってらっしゃい!』と大賛で送り出してくれた。
てっきり私は、中央の聖都から送り出されて巡禮に行くところから替え玉の仕事を始めるのかなと思っていたら、すでにそれは本の聖様が済ませていると聞いて、今日何度目か分からない『馬鹿なの?』と心の中でんだ。
聖様は華々しいイベント大好きだから、出発のパレードだけやると言って、ゴッテゴテの聖コスチュームで山車に乗って王都三周もしたらしい。どうでもいい聖様報だけが増えていく。
そして聖様は、送り出されたその足で新婚旅行の船に乗って行ってしまったそうだ。
だからもう最初の巡禮先へすぐにでも向かわないと不自然だから急がないといけないと言われ、馬で司祭様が馬でぶっ飛ばして巡禮隊の元へ私を連れて行った。が痛い。
「あなたが替え玉というのは、他の巡禮についてくる護衛の者たちには知らせていません。教會関係者でも私を含めたごく數の者だけで計畫したことですので、正がばれないよう気を付けて、普段はこのヴェールを常にかぶって仕事をしてください。私がそばについていますので困ったときはフォローしますから」
「私はずっと黙っていても大丈夫ですか?私、聖様らしい話し方とかわからないんで、ちょっとでも口をきけばばれちゃうと思うんです」
「大丈夫ですよ、聖様は口が悪かったですから、々口調が荒くても誰も不審に思いません」
「はあ、そうですか……って、聖様なのにどうやったら口が悪く育つんですか。下町にでも放り込まれたんですか」
「ああ、格が悪いんで口も悪く聞こえるんですよ。まあとにかく大丈夫ですから」
この人聖様のこと大嫌いだよね。
「あ、ホラ、本隊に合流しますよ」
くだらない聖様報を聞き流していると、いつのまにか目的地にまで來ていたらしい。遠目に國旗を掲げた一団が見えた。
鎧姿の騎士が十名ほど、その先頭にひときわの大きな赤髪の騎士で、一番偉そうな紋章つけた人。その左隣には魔師の裝をまとった年が二人、不機嫌そうな顔で立っていた。年二人はそっくりなので雙子のようだ。
ん?本隊これだけ?なくね?見た限りが一人もおらんのだけど、フツー聖様のお世話係とかで侍さんとかもいるはずだよね?イヤ別にお世話されたいわけじゃないが、一応設定的にさ。
私は司祭様に『ほかには?』と訊いてみたが、以上のメンバーが巡禮隊だと言われ私は唖然とした。
聖様はの子だよね?フツー侍さんやらお付きの母さんとか同行するんじゃないんですか?男しかいないんだけど、しかも數鋭なのか知らんが國家行事だというのにこの人數ってどうなの?通りすがりでこのご一行見かけても『魔討伐隊かしら?』としか思わないよ?
私がびっくりして固まっていると、司祭様がこそっと耳打ちしてきた。
「聖様のお気にりの者は全て新婚旅行に連れて行ってしまったので、侍なども本隊には殘っていないのです」
はあ、ソウデスカ。じゃあまさかこのメンバー、聖様と仲の悪い人たちの集まりとかじゃないよね?
「あーやっと聖様捕まえてきたんだ。おっそいよルカ様。もうさ、新婚旅行とかばっかじゃないの?國の稅金で食べてんだから、まずは働けっつーの」
「聖様だけ?あの頭悪い取り巻き連中は置いてきたの?まあゴチャゴチャうるさいだけで役に立たない奴らばっかだから居ないほうがいっか。ねえ、もう首でもつけとこうよ。逃げないようにさ」
かわいい顔した雙子がしゃべりだしたと思ったら口の悪さが半端ない。そしてやっぱり仲悪いメンバーじゃないですかーヤダー。
赤髪の偉そうな騎士さんは無言で私を睨んでいるだけだけど、なんか人殺しそうな顔しているのでこちらも不穏極まりない。
「すみません、捕獲に手間取りました。ですが聖様も心をれ替えて公務に勤しむと約束してくれたので、もう心配ありませんよ。ファリルもウィルもあまり不敬なことを口にしないように。誰が聞いているか分からないですからね」
「「はーい」」
あらまあ司祭様のお言葉にはいいお返事ですね雙子ちゃん。
どうでもいいけど、司祭様の名前がルカ様で、雙子がファリルとウィルなんだね。覚えておこう。
そして司祭様が『すぐに出発しましょう』と言って、私に停めてある馬車に乗るよう促した。
なんか特別仕様の牢獄みたいな箱馬車。外側から鍵がかかるようになっているって、おかしいよね?
これ、どう見ても罪人の移送用じゃない?え?ホントにこれに乗るの?一応、聖様の巡禮ってれ込みで各地を回るんだよね?おかしくない?
これに乗ったら斷頭臺に連れていかれるんじゃないかと不安になったので、乗るのをためらっていると、赤髪偉そう騎士さんがボソッと、
「足の腱を切ればもう逃げられないよな……」
とこれまた不穏極まりない言葉を発したので、の速さで馬車に飛び乗った。
後から典雅な所作で司祭様が乗り込んでこられたので、この狀況はどういうことかと恨みを込めて司祭様を睨んだが、にっこりと破壊力抜群のキラキラスマイルで返されて終わりだった。
ただ、『騎士団長、言葉を選んでくださいね』と一応ちっちゃく注意していたけど、注意の仕方が間違ってる。つーかあの人騎士団長だったのか。ちょう偉い人なのに不穏がすぎる。
『ガチャン』と明らかに鍵のかかる音がして、馬車はちゃかぽこと軽快な音を立ててき出した。
三分間で世界を救え!「えっ!ヒーローライセンスD級の僕がですか!」 就職したくないからヒーローになった男は世界で唯一のタイムリープ持ち。負け知らずと言われた、世界一のヒーローは世界で一番負け続けていた
ある日、地球に隕石が飛來した。大気圏に突入した際に細かく砕けた隕石は、燃え盡き 地上に居た人々にケガ人は出なかった。 その日、大量の流れ星が空に現れ、消えて行った。 SNSでは流れ星の寫真が溢れ、多くの人が話題に上げ、連日ニュース番組では街行く人に街頭インタビューをしていた。 數週間と時が過ぎ、話題にも上がらなくなった時に異変が起きた。 外見的変化が世界中から報告され始めた。 次第に外見の変化は無いが、「個性」と言われる能力が確認され始めた。 するとSNSでは自分の個性を載せようと、寫真、動畫がアップされ始めた。 そして事件は起きた。 隕石によって影響を受けたのは、人類だけでゃなかった。 動物にも変化が起きた。「突然変異」によって巨大化、兇暴性の増した「怪物」達が 人類に牙を向け始めた。 街を破壊して暴れまわるその姿は、まさしく「怪物」 生物の頂點に居た人類は、淘汰される危機にあった。 そんな中、個性を使った強盜事件、犯人は個性を使い犯行を行い 警察から逃げきる事に成功した。 世界中の國々で同様な事件が発生し対応に追われていた。 そんなある日、一人の男が現れえた。 街中で暴れ、警察が対応出來ずに困っていた時に、仮面を付けた男だけが犯人に向かって行った。 その様子はテレビ局のカメラや周辺に居た人々の攜帯でも撮影された。 個性を使った犯罪に、個性で立ち向かった勇敢な姿は見ていた人に勇気を與えた。 事件から數日後、政府がある事を発表した。 それはヒーローの組織設立を國が進めると言う事、ただ後日発表された詳細は、公務員として雇用するわけでは無く、成果報酬型のフリーランス。 報酬はバイトと変わらず、自分の個性を使って楽に稼げると、期待していた人は報酬もさることながら、他があからさまに酷いと、SNSで政府を批判した。 そんな事があった為に人は集まらなかった。 そんな時だった。 一人の資産家が政府に代わって新たなヒーローの組織「イポテス」を設立した。 ヒーローとして怪物から街を守り、個性を使う犯罪者達から市民を守るヒーロー。 この物語は「無敗のヒーロー」と言われた男、赤波新屋の物語である。 カクヨム掲載中
8 193無能魔術師の武器 ~Weapon Construction~
10年前、突如誰にも予測されなかった彗星が世界を覆 った。その後、彗星の影響か、人々は魔法を使えるよ うになった。しかし黒宮優は魔法を使うことができな かった。そして、無能と蔑まれるようになった。 そして、彼はある日、命の危機に襲われる。 その時彼はある魔法を使えるようになった……。
8 77その數分で僕は生きれます~大切な物を代償に何でも手に入る異世界で虐めに勝つ~
練習の為に戀愛物を書き始めました! 『命の歌と生きる手紙』 良ければそちらも読んで、感想下さると嬉しいです! 【訂正進行狀況】 1次訂正完了─12話 2次訂正完了─3話 確定訂正─0 これは自己犠牲の少年少女の物語。 過去に妹を失った少年と、數日後、死ぬ事が決まっている少女の物語。 ただの、小説にあるような幸せな異世界転移では無い。幸せの握り方は人それぞれで、苦しみも人それぞれ、利害の一致なんて奇跡も同然。彼らが築くのはそんな物語。 そんな異世界に転生した彼等が築く、苦しく、悲しく、慘めで自業自得な物語。 そんな異世界に転生した彼等が築く、暖かく、嬉しく、 感動的で奇想天外な物語。
8 74チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間
バスの事故で異世界に転生する事になってしまった高校生21名。 神から告げられたのは「異世界で一番有名になった人が死ぬ人を決めていいよ」と・・・・。 徐々に明らかになっていく神々の思惑、そして明かされる悲しい現実。 それら巻き込まれながら、必死(??)に贖い、仲間たちと手を取り合って、勇敢(??)に立ち向かっていく物語。 主人公の嘆き 「僕がチートって訳じゃない。眷屬がチートなだけ!僕は一般人!常識人です。本當です。信じて下さい。」 「ご主人様。伝言です。『はいはい。自分でも信じていない事を言っていないで、早くやることやってくださいね。』だそうです。僕行きますね。怒らちゃうんで....」 「・・・・。僕は、チートじゃないんだよ。本當だよ。」 「そうだ、ご主人様。ハーレムってなんですか?」 「誰がそんな言葉を教えたんだ?」 「え”ご主人様の為に、皆で作ったって言っていましたよ。」 「・・・・。うん。よし。いろいろ忘れて頑張ろう。」 転生先でチート能力を授かった高校生達が地球時間7日間を過ごす。 異世界バトルロイヤル。のはずが、チート能力を武器に、好き放題やり始める。 思いつくまま作りたい物。やりたい事をやっている。全部は、自分と仲間が安心して過ごせる場所を作る。もう何も奪われない。殺させはしない。 日本で紡がれた因果の終著點は、復讐なのかそれとも、..... 7日間×1440の中で生き殘るのは誰なのか?そして、最後に笑える狀態になっているのか? 作者が楽しむ為に書いています。 注意)2017.02.06 誤字脫字は後日修正致します。 読みにくいかもしれませんが申し訳ありません。 小説のストックが切れて毎日新しい話を書いています。 予定としては、8章終了時點に修正を行うつもりで居ます。 今暫くは、続きを書く事を優先しています。 空いた時間で隨時修正を行っています。 5月末位には、終わらせたいと思っています。 記 2017.04.22 修正開始 2017.02.06 注意書き記載。
8 61都市伝説の魔術師
ゴールデンウィークが明け、六月。『事件』後、家族と仲睦まじく暮らしていた柊木香月とその妹夢実。 彼の本業である學生生活と、『裏の仕事』も順風満帆に進んでいた。 彼の裏の仕事は魔術師だった。それも魔術師として優秀な存在であった。 最強の魔術師にも弱點はある。 「私は……仕方がない。都市伝説に『殺されても』仕方ないのよ……!」 「そうであったとしても、罪を裁かれようとしても……女性が涙を流している。それだけで助ける理由には充分過ぎると思うのだが?」 魔術師柊木香月は都市伝説から彼女を守るべく、取った行動とは――! 「……どうしてお兄ちゃんは毎回のように女の子を助けてくるのかな? もうこれで數えきれない程の回數なのだけれど。お兄ちゃん、慘殺か虐殺、どっちがいい?」 「ちょっと待ってくれ夢実! いつから君はヤンデレになったんだ! 頼むからそのコンパイルキューブを仕舞ってくれ! なあ!? 頼むから!!」 現代に生きる魔術師とその爭いを描く、シリーズ第二弾登場!
8 85《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って來いと言われても、もう遅い……と言いたい。
おのれ、勇者め! 世界最強の強化術師(自稱)である、このオレさまをパーティ追放するとは、見る目のないヤツだ。 「パーティに戻ってきてください」と、後から泣きついても遅いんだからな! 「今さら戻って來いとか言われても、もう遅い!」 いつか、そのセリフを吐きつけてやる。 そのセリフを言うためだけに、オレの冒険ははじまった。
8 194