《【10萬PV!】磁界の王はキョンシーへ撲滅を告げる》⑨ 世界を灼け
ホムラは両手をココミの頬に當てた。らかいが伝わって、しい熱が手の平に帯びていく。
ゆっくりとホムラの前でココミは顔を上げ、姉妹の目線が同じ高さになった。
ホムラの両手がココミの頬にれている。
――あ(・)の(・)時(・)とは、逆ね。
そんな言葉がホムラの中からふと生まれた。
――……あれ、あの時ってい(・)つ(・)だっけ?
「ッ」
ココミの聲が聞こえた。
ホムラは何かを忘れていた。
大事な事だった気がする。
大切な出來事だった気がする。
「ごめんなさい、ココミ。わたしは何かを忘れているみたい」
「……うん」
ココミは頷いた。蘇生符の奧の綺麗な瞳が泣きそうに潤んでいる。
「泣かないで、ココミ、わたしが忘れてしまった事が原因なら絶対に思い出すから。泣かないで。お願いよ」
ココミは頷かなかった。泣くのを我慢しているようにも見えた。
「ココミ、逃げて逃げて逃げ切って、そこでゆっくりとんなお話をしましょう。綺麗な花畑とか、まん丸のお月様とか、海に落ちていく夕暮れとか、そんなを見ながら一緒に居ましょう?」
ココミは首を縦に振らなかった。
ゆくりとココミは首を左右に振り、ホムラは意外そうに眼を丸くした。
「ココミ、もしかして、逃げたくないの? それならそれで良いわ。わたしはあなたがしたい事を手伝うから。どこまでもいつまでもあなたと一緒に居るもの」
ホムラは優しく微笑んだ。
「ね、安心して言って。あなたがしたい事は何?」
ココミの沈黙は長くは続かなかった。
十秒かそこらの短い時間をかけて、ココミは搾り出す様な聲を出した。
「……おねえちゃんと、空を、見たい」
*
そして、ホムラとココミは空を見ていた。
場所はホムラ達が居た建の屋上。貯水槽と幾らかのパイプが生えている見晴らしの良いスペース。転落防止用のフェンスに背中を預けて、ココミと左手を繋いだホムラはジッと空を見上げていた。
ホムラ達の傍らには三のキョンシーが立っていて、それらはボウッと地面を見ている。
青空だった。どこまでも明で宇宙の果ても見えてしまいそうな、綺麗な青い空だった。
「……そう言えば、こうしてゆっくりと空を見た事は無かったわね」
「……うん」
これからは、こう言うゆっくりとした時間をもっと作ろう。ホムラはそう決意した。
風が心地良く、落ちてしまえそうなほどの青い空。世界は無音ではなかったけれど、靜寂に包まれていた。
眼下ではココミがっている自車や重機、そしてヘリコプター等が複雑な螺旋軌道を描いてグルグルグルグルとき回っている。それに対して今ホムラ達が居る場所は靜かだった。
「ずっとここに居たいわね」
「そう、だね」
それから時間にして一分か三分か、風をじながらホムラはココミと空を見上げていた。
「ああ、ココミ、來たわよ」
「うん」
ホムラは聴覚で、ココミはテレパシーで下階から來訪者を察知する。
ココミが戦ったという、そしてホムラが一度廃工場で戦ったあのマント姿のキョンシーだ。
視線を空から前方の扉へホムラ達はかした。
それと同時だった。
ガァン! 屋上の扉は蹴破られ、そこからキョンシーと人間の二人組みが現れた。
キョンシーはホムラの思ったとおりマント姿のエレクトロキネシストだ。
左半を中心にへダメージがあり、左腕は肘から先が消失している。
人間は若いだった。肩口までの茶髪で不機嫌そうな目つきをしただ。
右手に銃、左手にアタッシュケースを持っている。
「ハハハハハハハハハ! 見ろ京香! こいつらは殊勝にもこの場で吾輩達を待っていたぞ! 素晴らしい心がけでは無いか! 撲滅の手間が省けるというだ!」
マントの姿のキョンシーが軽く帯電しながら大仰に笑う。
その聲で屋上にあった靜寂は壊れてしまった。
「うるさいわね。黙りなさいよ」
ホムラの聲は相手に屆いたのか。どうせ聴覚も強化しているだろうから屆いたに違いない。
マントのキョンシーを黙らせて、京香と呼ばれた人間のが口を開いた。
「キョンシー犯罪対策実行部第六課、清金京香よ。あなた達には野良キョンシーの疑いと暴走キョンシーの疑いが掛けられているわ。投降しなさい」
「もしも、あんた達に下ったとして、わたし達はどうなるの?」
いつの日か似た質問を誰かにホムラはした気がした。
「役に立つなら使ってあげる。役に立たないなら壊されるでしょうね。どちらにせよ、頭を弄らせてもらうわ」
「……そう」
ホムラは眼を瞑った。それは駄目だ。ココミのにメスをれるなど許せない。
ホムラはココミの右手を強く握った。
――いくわよ。
(うん)
ホムラは瞳を強く見開いた。
「わたしのよ、――」
ホムラの周囲で強力なPSI反応が生まれた。
「ハハハハハハハハハハハハハハハ! 京香、行くぞ! 撲滅の時間だぁ!」
「そうね」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!
スチャ。
前方のキョンシーが紫電に染まり、傍らの人間が銃を構えた。
ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
「ハッハッハッハッハッハッハァ!」
キョンシーが紫の稲妻とってホムラ達へと落雷する
「――世界を灼けえええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
びを、世界へのびを発し、を象った炎がホムラの視界を包み込んだ!
とても人気ある生徒會長の姉は、ブラコン過ぎてヤバイ(暴走気味)
俺の義姉は生徒會長をしている。 容姿もよく、スポーツも勉強も出來るので全校生徒の憧れの的となっていた。だが、唯一とても殘念なところがあった。義姉がとてもブラコンなところだった。 「和樹ー!一緒の布団で寢ない?」 「ちょ!姉さん!わかった!分かったから抱きつかないで!」 6月21日 ジャンル別日間ランキング2位にランクインしました! 6月24日 ジャンル別週間ランキング4位にランクインしました! 7月27日に9話をかなり改変しました
8 162俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件
幼稚園の時に高橋 雪が適當に描いたナスカの地上絵がメンヘラとヤンデレになってしまう呪いの絵だった。 それからと言うもの何度も殺されかけ雪は呪いのかかった彼女達とは違う中學へ入った。 そしてしばらくの月日が経ち…… 一安心した雪は高校生になり入學式初日を終えようとする。 「……?」 確かに聞き覚えのある聲がしたのだが隣にいた彼女はあったことも見た事もないはずのものすごく美人で綺麗な女性だった。 そして雪は彼女に押し倒されると聞き覚えのある名前を告げられる。 雪の高校生活はどうなってしまうのか!? 彼女たちの呪いは解けるのか!?
8 84秘め戀ブルーム〜極甘CEOの蜜愛包囲網〜
「觸れたくて、抱きしめたくて、キスしたいって。ずっと思ってたんだ」 ある事情で仕事も家も失った香月志乃は、再會した同級生で初戀の人でもある諏訪翔の提案で彼の家に居候することに。 トラウマから男性が怖いのに、魅力たっぷりな翔の言動にはなぜかドキドキして――? 男性が苦手&戀愛未経験・香月志乃 × とことん甘やかしたいCEO・諏訪翔 甘やかされて、愛されて。 また、あなたに墮ちてしまう――。 \初戀の同級生と甘やかで優しい大人の戀/ ※この作品は別サイトでは別名義で公開しています。 ノベルバ→2021,8,14~2021,8,22
8 133家庭訪問は戀のはじまり【完】
神山夕凪は、小學校教諭になって6年目。 1年生の擔任になった今年、そこには ADHD (発達障害)の瀬崎嘉人くんがいた。 トラブルの多い嘉人くん。 我が子の障害を受け入れられないお母さん。 応対するのはイケメンのイクメンパパ 瀬崎幸人ばかり。 発達障害児を育てるために奮闘する父。 悩む私を勵ましてくれるのは、 獨身・イケメンな學年主任。 教師と児童と保護者と上司。 「先生、ぼくのママになって。」 家庭訪問するたび、胸が苦しくなる… どうすればいいの? ・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ |神山 夕凪(こうやま ゆうな) 27歳 教師 |瀬崎 嘉人(せざき よしと) 6歳 教え子 |瀬崎 幸人(せざき ゆきひと) 32歳 保護者 |木村 武(きむら たける) 36歳 學年主任 ・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ 2020.8.25 連載開始
8 87~大神殿で突然の婚約?!~オベリスクの元で真実の愛を誓います。
08/11 完結となりました。応援ありがとうございました。 古代王國アケト・アテン王國王女ティティインカは略奪王ラムセスにイザークとの婚約を命じられる。 そのイザークは商人! 王女のわたしが商人に降嫁するなんて……! 太陽と月を失った世界の異世界古代・ヒストリカル・ラブ 恐らく、現存している戀愛小説で一番古い時代の戀人たちであろうと思います。創世記のアダムとイヴよりもっともっと前の古代ラブロマンス 神の裁きが橫行する世界最古の溺愛ストーリー、糖度MAX。
8 107親の操り人形は自らその糸を切ろうとしている
幸せな親に恵まれた青年 毒親に支配された少年 青年は交通事故に遭い、家族を失った。 少年は親から逃げ出し孤獨になった。 運命の悪戯は彼ら二人が出會うことから始まり、協力し合うことでお互い幸せを手に入れたかった。 しかし、青年が言った「交通事故を調べたい」この一言が二人の今後を大きく変えることになる…… ※カクヨム様、エブリスタ様にも連載中です。
8 188