《【10萬PV!】磁界の王はキョンシーへ撲滅を告げる》Let's Play Game !

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ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ! ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ! ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ!

十二時半頃、京香は晝食を済ませ、有楽天の一階のゲームセンターに居た。恰好はジャージ姿のままで、左手のシャルロットをプラプラと振っている。

朝、セセラギ荘202號室で菓子類をやけ食いした後、三時間ほど不貞寢し、京香は午後に何をしようか考えた。そして、久しぶりにゲーセンで遊ぶことにした。消えたセーブデータの憂さ晴らしに、音ゲーや格ゲーやUFOキャッチャーをしたくなったのだ。

有楽天のゲームセンターは一階の東側にあり、北區で一番広く、筐數もトップだ。機種もレトロから最新まで幅広く取り揃えている。

ピコピコ、キュインキュイン。聞き慣れた筐音が京香の鼓を刺激する。この電子音が京香は好きだった。テンションが無條件に上がって來る。

初めてゲームセンターに來た時、京香はビックリした。こんなに多くのゲーム機が集まった空間がフィクション以外でこの世にあるなんて思わなかったのだ。

チャリンチャリン。貨に換金した軍資金を右手の中で弄びながら、京香はゲームセンターの中を練り歩く。最後にUFOキャッチャーをして帰るとして、それまでの何のゲームをして遊ぶのかが重要であった。

軍資金に糸目を付けないのであれば、片っ端からチャリンチャリンと遊んでいくが、そんな事をしたら、あっという間に破産である。

「さってと、無難に音ゲーからかしら?」

音ゲーと言っても々ある。ダンスするやつや、流れてくるアイコンをタイミング良くタッチする、最近流行りの3D空間で的を打ち落としていく変わり種もあった。

――激しいきは嫌ね。

自業自得だが、京香は絶賛睡眠不足。下手にき回れば、頭が痛くっちゃうのだ。

「それじゃあタップゲーね」

スマートフォンでのアイドル育ゲー兼音ゲーならばいくつか京香もインストールしてある。それのゲーセンverがリリースされていたのだ。

そう決めたら話は早い。京香は目當てのゲームコーナーへと足を進める。

すると、既に音ゲーのコーナーには先客が居た。

「や! は!」

ホムラとココミが二人で一つのタップゲーを仲良くシャンシャンしていた。ホムラの左手とココミの右手はギュッと握られていて、殘る一本ずつの手で姉妹のキョンシー達は流れて來る音符アイコンをタップしている。

きに一切のれなく、ゲーセンで遊ぶキョンシーの珍しい姿に何人のギャラリーがホムラとココミのゲームプレイを眺めていた。

その二人を後ろで、恭介がレザー製の休憩用ソファでグタッと腰掛けていた。

「や、恭介、さっきぶりね」

「……こんにちは、清金先輩、なんでジャージ姿のままなんですか?」

恭介はぐったりとしたまま、腹をさすり続けている。

「どしたの?」

「ちょっとスイシャンで食べ過ぎちゃって。あの二、一口二口だけ食べて殘りは全部僕に回してくるんですよ」

「それはお疲れ様ね。で、今度はゲーセンに行きたいってねだられた訳ね」

「そういう事です」

腹をさすったまま恭介は肩を竦める。苦笑しながらその視線は前方で楽しそうにシャンシャン遊ぶ彼のキョンシーへ向けられていた。

「清金先輩も遊びに?」

「そうね。久しぶりに音ゲーとか格ゲーしたくて」

――近くで遊ぶのは、嫌がられるかしら?

京香が目當てにしていたゲームはホムラとココミ達が遊んでいると同じ。三つの筐がある様でその真ん中でホムラ達は遊んでいた。

「ねえ、恭介、アタシあの二の隣で遊ぼうかと思うけど、持ち主としてどう思う?」

げ、と恭介は顔を顰めた。そのまま彼はしだけ考える姿を見せ、申し訳なさそうに眼前で手刀を作った。

「すいません。後にしてもらって良いですか? 多分、いや絶対、ホムラが嫌がると思うんですよ」

「オッケー、んじゃ音ゲーは後で遊ぶわ。アタシは格ゲーでピコピコしてる」

クルリと京香は元來た道を戻り、格闘ゲームのコーナーへと向かう。

――また、ちょっと筐が減ったわね。

量子メモリの実用化に付隨したVR型のゲームが臺頭し始めてきた現代で古き良き2D3Dの格ゲーはそのスペースを減らしていく傾向にあった。

プレイされていない筐畫面には格ゲーのデモ畫像が延々と繰り返されていて、世界観やが違った様々な作品の々なキャラクター達が長方形の畫面で所狹しと飛び回っている。

「良し、やりますか」

チャリンチャリン。手近な筐に座り、京香は貨を二枚れる。そして、レバーをかしてシカバネ町に來た時からやっていたとある格闘ゲームを選択した。

し古いゲームシリーズで、俗に言うコンボゲーと稱される2Dの格闘ゲームだ。

キャラクター達は誰も彼もが実踐なら邪魔でしょうがない恰好をしているのが特徴的である。

たとえば、キャラクター選択畫面中央付近に居る金髪の。自分の足よりも長いフリルを付けたスカートなど正気の沙汰ではない。ありとあらゆる點で戦闘には向いていない服裝だった。だが、それが良い。フィクションの中でくらいドリーミーな格好をしてくれなければ気持ちが萎えてしまう。

「ふんふーん」と機嫌よく京香はそのゲーム畫面の持ちキャラを選択した。ジャージ姿のピンク髪のである。釘バットを持った近接戦特化型(インファイター)で、力が減るほど攻撃力が上がるという特徴があった。

ガチャガチャ、ピコン。慣れた調子で京香はアーケードというアイコンを選択する。NPCとの勝ち抜き戦のモードで、大七回から八回程度連勝すればエンディングが見れる。久しぶりのゲーセンでの格ゲー。勘を取り戻すのには丁度良かった。

ジャンジャーン! 大仰な音楽と共に畫面上に京香が選んだピンク髪釘バットとランダムに選ばれた鎖鎌を持った青鬼が現れる。

『Are you ready ?』

京香は移レバーと攻撃ボタンへ指を掛けた。

――何連勝できるかしらね。

『Fight !』

ガチャガチャガチャ! ピコピコピコ! 京香はレバーと攻撃ボタンを激しくかした。

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