《【10萬PV!】磁界の王はキョンシーへ撲滅を告げる》とある天気の日

第二部開始です。

テーマは「天気」です。

ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー。

雨が降っていた。土砂降りの雨だった。雨のカーテンがある町を覆い隠していた。

三歩先も満足に見えない程の激烈な雨だ。まるで、神様が水遊びをしている様だ。

あまりにも強い雨だったから、外に出ようと言う人間は居なかった。

そんな場所にキョンシーが立っていた。そのキョンシーは小麥のレインコートを著ていた。

ボタボタボタボタ。ボタボタボタボタ。ボタボタボタボタ。ボタボタボタボタ。

目深に被ったレインコートのフードにビー玉の様な雨粒が落ちる。

キョンシーの首はしだけ空へと傾いている様で、遠くの空を見つめている様だった。

両手を広げて、レインコート越しのキョンシーの腕にボタボタボタボタと大雨粒が落ちる。

良い音だと、キョンシーは思考した。恵みの雨だ。この雨粒が人民達を生かすだろう。

雨の中、キョンシーはただ一だった。寄り添う人間は居らず、他のキョンシーも居ない。

孤獨とも、孤高とも、孤立とも、どうとでも取れる姿をそのキョンシーはしていた。

寂しさをキョンシーはじなかった。これが自分の機能であり、何百何千と繰り返してきた自分の在り方だった。

ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー。

聞き慣れた筈の雨音をキョンシーは何故か珍しいだとじた。滅多な事では無い様な、小躍りをしたくなる様な、それでいて、當たり前のの様な、二つの傷がり混じっている。

キョンシーは自分にエラーが起きている事を自覚していた。何かがおかしくなって來ているのだ。それはどうしようもない事で、いつか必ず起きてしまうエラーなのだとも理解していた。

落ちてくる雨をキョンシーは見つめ続ける。

そして、ふとキョンシーの中でエラーが消えた。

キョンシーは広げた手を空へと向け、その額の蘇生符が黃緑に輝いた。

蘇生符の輝きが雨粒に反して、寶石の様な煌めきが周囲を包む。

ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー、ザー。

雨はその勢いを加速的に弱め、その姿を消す。

雨空はただの曇り空となり、遂にはその雲に切れ間が生まれた。

天使の梯子がキョンシーの元へと降り、暖かなにキョンシーは眼を細める。

「……良い天気」

そう呟いて、キョンシーはまたしばらくそこで立っていた。

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