《【10萬PV!】磁界の王はキョンシーへ撲滅を告げる》② 大鎚の襲撃
***
衝撃はリムジンの右方向から放たれた。強烈な慣が霊幻達を襲う。
運転手の腕のおかげかリムジンは橫転しない。ただ橫りするのみだ。だが、京香達人間は橫方向の加速度が働いた空間の中でくことができず、各々シートベルトなりテーブルなりにしがみつき、を浮かせまいと力をれるだけだ。
幸いにして、このリムジンの運転手の腕は素晴らしいだった。速やかにリムジンはその橫りを止め、対向車線の一歩手前で車に安定が戻る。
直後、京香が聲を張り上げた。
「霊幻、迎撃!」
「おうとも!」
バチバチバチバチバチバチ!
即座に放たれた京香の命令に霊幻は蘇生符を輝かせ、中へ紫電を纏った。そして、砲弾の様にまっすぐにってきたリムジン右側のドアへと突撃し、最小限のきでドアを開け、車外へと飛び出る。
車外へ出た霊幻はリムジンの屋へ紫電を放ち、帯電させる。そこはすぐさまスポットとなり、クーロン引力を用いて霊幻はリムジンの上へと著地した。
ドン! 著地と同時に霊幻は周囲を見る。
敵は何処だ? どのような攻撃だ? 果たして、その答えは直ぐに出た。
霊幻が乗るリムジンの右側に、白塗りのワンボックスカーがあり、その車上に二のキョンシーが立っていた。
どちらもスーツを著た細のキョンシーだったが、に霊幻と同じく改造をされているのは間違いなかった。
なぜならば、二ともの丈を超える大槌を持っているからだ。武骨でおそらく金屬製の重さだけを追求したハンマー。二のキョンシーはそれを軽々と片手で持っている。
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!
霊幻は笑った。何の理由で霊幻達が乗ったリムジンを攻撃したのかは定かではない。
だが、このキョンシー達が京香達人間へ害を為そうとしたのは明白だった。
更に霊幻は京香から〝迎撃〟を命じられている。つまり、撲滅して良いという事だ。
グン! 霊幻が乗るリムジンが加速する。この敵達から逃げる為だろう。
相手のワンボックスカーも即座に加速し、霊幻達のリムジンから約七メートルの位置でピッタリ離れなかった。
確定だ。やはり、こいつらは霊幻の撲滅するべき相手である。
リムジンとワンボックスカーがモルグ島を走する。
「ハハハハハハハハハハハハ!」
――撲滅だ!
ダァン! 霊幻はリムジンの屋を蹴って相手のワンボックスカーに乗った二のキョンシーへ突撃する。紫電の有効距離は四メートル。後し近づかなければならない。
空中を飛ぶそのは無防備であり、ワンボックスカーに乗った二のキョンシー達は即座に反応した。
大槌の柄の長さがグーンと五メートルにまでび、そのまま、まるで金屬バットのような気軽さで二のキョンシーは大槌を振り被る。
重さというシンプルにして強固な力が霊幻のを左右から圧殺せんと迫った!
「だろうな!」
そうなる事を霊幻は分かっていた。左右から迫りくる大槌へ霊幻は紫電を撃つ。
バチバチバチバチ! バチバチバチバチ!
大槌は両方とも絶縁加工されている様で、持ち主のキョンシー達へ紫電は屆かない。
だが、霊幻の紫電は剎那の間、大槌の圧殺面に帯電する。
クーロン引力と斥力を高速で切り替えて、霊幻のが上方へと加速した。
ガッキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
二つの大槌が激突して火花が散る。霊幻の足元のすぐ先で。
「充電(チャージ)!」
ビリビリビリビリ! 霊幻は両手に紫電を帯電させ、足元の鉄塊を蹴り、前方へと加速する。
充電が完了すると同時に、霊幻の前方四メートルに敵のがった。
程である。それを認識するよりも早く、霊幻は両手に貯まった紫電のエネルギーを解放する。
「発(リリース)!」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!
霊幻の両手から放たれた紫電は即座に敵のキョンシー二へと屆く。必殺の紫電。即座に蘇生符をショートさえ、キョンシーの活を停止させる……はずが、その手ごたえが霊幻には無かった。
紫電は二のキョンシーのと腹に落ちた。通常ならその電流はキョンシーの全を駆け巡り、額の蘇生符をショートさせる。
だが、霊幻の紫電は敵のキョンシー達の両足へと真っ直ぐに落下し、その蘇生符の破壊には至らなかった。
「対策済みか!」
考えられる可能は幾つかある。この場で最も可能が高いのは〝雷針〟だ。
雷針とは、電気工事や落雷が多発する地域等でキョンシーの足に付けられるアタッチメントパーツである。非常に高い電気伝導を持った長さ十五セント程の針がキョンシーのを流れるほぼ全ての電流を集電し、地面へと流すのだ。
加えて、どうやら、このキョンシー達が來たスーツも表面が導電加工され、霊幻の紫電が散らされてしまう様だ。
「ならば直接頭を狙う!」
だが、霊幻がワンボックスカーに著地しようとしたその時、敵のキョンシーから強烈な前蹴りが放たれ、霊幻もが再び宙を舞った。
クーロン引力でスポットとしたリムジンの屋へと速やかに霊幻は著地する。
カーチェイスをしながらというこの狀況。地の利は相手にある様だ。
なお、狀況は悪化する。ワンボックスカー上の二のキョンシーの蘇生符が輝き、周囲に炎の球が浮かんだ。
――放出型のパイロキネシス!
「ハハ!」
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!
即座に霊幻は全へ紫電を纏い、両手両足に紫電をチャージする。
ゴオオオ! ゴオオオ! ゴオオオ! ゴオオオ! ゴオオオ! ゴオオオ! ゴオオオ!
二のキョンシーから火球が連される。互に放たれるパイロキネシスには途切れが無く、容赦なく霊幻達のリムジンを狙っていた。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
バチバチバチバチ! バチバチバチバチ! バチバチバチバチ! バチバチバチバチ!
高笑いしながら霊幻は紫電を薄く広くリムジンを守る様に放ち、迫ってくる火球へと放った。
火球は紫電にれた瞬間、ボンボンボォン! と発を繰り返す。固化したパイロキネシスは外部刺激で簡単にぜる傾向にあるのだ。
その時、リムジンの左側のドアがしだけ開けられ、京香の聲が聞こえた。
「どんなじ!?」
「ハハハハ! 悪い狀況だ! 敵はワンボックスカー、屋に大型ハンマーを持った二のキョンシー、しかも、発する火球を放つPSI持ちだ!」
「分かった! あとし踏ん張って!」
「了解!」
バチバチバチバチバチバチ! バチバチバチバチバチバチ! バチバチバチバチバチバチ! バチバチバチバチバチバチ! バチバチバチバチバチバチ! バチバチバチバチバチバチ!
紫電の出力が上がる。京香がもうし踏ん張れと言ったのだ。それを果たす力が霊幻にはあった。
霊幻は京香を信じていた。間違いなく、相棒はこの狀況を好転させる。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
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