《俺+UFO=崩壊世界》出発前夜
なんやかんやあったが隊商がヤウラに來てからあっという間に日が過ぎていき、気づけば出発前夜になっていた。
別段する必要もなかったのだが、寢る前にもう一度だけ最後に裝備の點検を始めてみた。
とは言ったものの、裝備の點検は殆どラビィと里津さんがやってくれているので、俺はと言えば一人寂しくDFをばらして異常がないか確かめている。
何だかんだで最初から使ってきた銃だし、サブアームの部類とは言えLG式の裝甲を貫ける絶大な威力がある。
思わず作業する手に熱が宿るのは必然と言った所だろうか。
まぁ……まだ銃の整備には慣れないけども。
今頃は花の高校生活を送っている筈だった筈の俺が、何故にこうして銃の點検なんぞしているのだろうか。
両親が見たら何て言うかね? 何時も通り無茶してるんだなと呆れてしまいそうだ。
「はい、終わり。どうする? 何なら外にあるM5の方も見てきてあげても……なにニヤニヤしてんの?」
そうこうしているに誰よりも一足早く、點検を終えたのは里津さんであった。
流石は本業と言った所だろうか、これにはラビィも苦笑……してはおらず黙々と作業を進めていた。相変わらずクールっ子やね。
「いえ、何となく……家族の事を思い出してました。あと、M5の方はいいです。まだ一発も撃ってないんで」
「……りょーかい。それにしても家族ねぇ……まだ生きてんの?」
すげぇな崩壊世界。
家族の話をしたら『まだ生きてんの?』って返しが來るとは。
ペットの話をしたら『何時食べたの?』とか聞かれそうだな。
新たにこの世界に蔓延する認識に驚愕しつつも、俺はポツリと呟く。
「うーん……なんて言ったらいいのやら。実は家族とは生き別れに近い狀況でして、よう分からんのですよ」
「ふーん。まぁ今のご時勢じゃ、そう珍しくもない境遇よね」
里津さんは良くも悪くも真っ直ぐな人だ。
こちらの境遇に対して哀れむでもなく、共するわけでもなく、ただ思った事を口にするタイプである。だからだろう、彼との會話は気疲れしない。
「……里津さんはどうです? ご家族の方は居るんですか?」
「居ないわよ。まぁ両親が死んだのが私が十を過ぎた辺り位だったから、何とかやっていけたけどね。もしも私がルイみたいな歳で家族を失ってたら完全に運任せで生きていくしかなかったけども、その點で言えばラッキーだったわ」
「なんつーか……里津さんが逞しい理由が分かりました」
里津さんの境遇で『ラッキー』なんて言ってたら、俺は何も言えんわな。
この世界に來たのは確かに不運だろうが……。
まぁ、不幸比べした所で意味ないか、止めよう。
「私はずーっと一人で生きてきたわ。それは別に助けてくれる人が居なかったとかじゃなくて、何故か不思議と誰かに頼って生きようとは一度も思った事がないのよ」
「マジっすか……。俺とは対極の生き方じゃないですか」
「まぁ、今の私の店を見たら分かる通り、死んだ父も似たような商売をやっててね。そういう知識はあったから適當にガラクタを集めて分解して使える道にしたりと、生きる上での重要な知識は持ってた余裕もあったんだろうけど……」
そこで初めて里津さんは言葉に詰まり、僅かに瞼を伏せて眼鏡の淵を右手でる。
「いや、違うかな。私は……一人で生きる事に誇りと言うか、自尊心みたいなを抱いてたのかも。まぁ、自惚れてたのかしらね。今となっちゃ下らないけども」
「下らないって……そんな事はないと思いますよ。俺から見たら里津さんは立派な大人ですし……」
「いいや、下らないわよ。今なら分かるわ。……それが分かったのは、アンタの所為でもあるんだけど」
言うと、里津さんは眼鏡を取ってジロリと此方を睨み付けてきた。
「うぇ!? え、いや……確かに話を振ったのは俺ですけど、そこに気づいたのは里津さんの聡明な頭脳があってこその結果と言うか……。僕の発言はあくまで切欠に過ぎず、全面的な責任は避けてほしいと思う所存で……」
あたふたと言い逃れをしていると、當の本人である里津さんは口の端を上げてクックックと邪悪な笑みを零していた。
思わず寒気が過ぎる展開であったが、次に彼は靜かな笑みを浮かべる。
「はぁー……本當にアンタって面白いわ。アンタが來てから、何度笑ったか覚えてないくらいよ」
「奇遇ですね。俺もヤウラに來てから何度戦慄したか覚えてないっす」
「あははは!! 確かにね、アンタが出歩く度にトラブルが起きるんだもの。何時も傷だらけよね、アンタは」
「お? ギャグですか? 木津だけにって事で『は?』……いや、なんでもないですぅ」
瞬時に真顔に戻った里津さんに威圧され、俺は視線を下げた。
ばらしていたDFを何とか組み立てるとマガジンを裝填し、ホルスターに戻す。
ふとラビィの方を見れば彼も既に作業を終えた瞬間であり、手にしていたYF-6を下に置くと話しかけてくる。
「整備は完了しました。沿矢様、もう就寢しますか?」
「ふむ、他にする事はあったかな……? っと、そうだ!!」
慌てて腰を上げると階段を上って寢床に戻り、枕元に置いてあった討伐証明書を持って直に居間へと戻る。
「ふはは、これを忘れてましたよ。もしかしたら南の都市で賞金が貰えるかもだしな」
討伐証明書を丁寧に畳み、リュックの奧へと慎重に仕舞う。
そのまま一応忘れがないかチェックしていると、橫から里津さんが訝しげに問いかけてくる。
「南の都市って……そもそも何処へ行くのか聞いてないの?」
「はい!!」
「なんで自慢げなのよ、アンタは……。まぁ、此処から南の都市って言ったら十中八九"バハラ"の事だろうけども」
「バハラっすか? えーと……うわ、結構遠いなぁ」
PDAで地図を確認してみると、ハタシロやミシヅの數倍は離れている場所にバハラがあった。
この距離を護衛するのかと一瞬だけ気が滅るが、道中にある集落は結構な數が存在している。
「こうして見ると集落って多いですね。どのルートを通って南下するんだろ……」
「まぁ、多い所でも數百人。ない所だと五十を下回る集落もあるのよねぇ。隊商の狙いは無人兵のパーツな訳だから、通例だと無人兵が狙いそうな人が多い場所を通っていくんだろうけど……それは他の隊商や商人も一緒なのよね。だから、逆に規模が小さいコミュニティを狙ってみたら案外パーツを溜め込んでたりするかもね」
「ってか、集落の人達って何で都市部に來ないんですかね? 安全の度合いが段違いだと思うんですけど……」
「そりゃあ今でこそ組合所なんて組織が出來て、そこら中をハンターが走り回って無人兵を狩ってるけども、昔はそうじゃないわ。前世界で起きた戦爭で人類はバラバラになり、宇宙に打ち上げた電波妨害用の衛星が他者との連絡を困難にした。言ってみれば全てがリセットされたに等しい狀況よ? そして各地に散らばった人類は獨自のコミュニティを作り上げ、今日まで生きてきた訳よ。その集落に住む人達にとっては、そこが唯一安全で絶対的な場所なんでしょ」
ふむ、々と事があるわけだ。
里津さんの話を頭の隅に留めながら、ある疑問を聞いてみる。
「そもそも、その衛星って誰が打ち上げたんですか? 通信の有無を駄目にしたのは致命的な間違いじゃあ……」
「馬鹿ね、通信を使うのは無人兵も一緒でしょうが。むしろ機械である奴等の方が通信を使う上でのメリットが強すぎたのよ。どこを攻撃するべきかとか、あとは攻撃するタイミングでしょ、それに各都市のプラントやライフラインの有無の確認、それ等を一瞬で把握できちゃうからね。最初は核弾頭を使って攻勢を食い止めつつ、衛星軌道上にある艦隊を地上に降下させて即席の拠點にしたりして、何とか機械側の連攜を阻止してたみたいだけど……それじゃ決著が著く前に共倒れするわ。で、苦の策として電波妨害用の衛星を各地から打ち上げた……らしいわ」
「……らしい?」
そもそも、艦隊って何?
宇宙船の事? しかも艦隊を結出來る數が存在していたのか?
さらっととんでもない事を言ったな、この人。
「うん、これもあくまで推測よ。前世界の報なんて殆ど失ったも同然なんだからね? 今まで各地からスカベンジャーや軍が見つけた報を纏めた結果として、そうじゃないのかって言われてるだけよ」
どうやら前世界での戦爭で人類側は想像以上に追い詰められてたらしいな。
長距離の通信を捨てると言う事は、言わば各國との連攜や支援も捨てたに等しいはずだ。
幸運にもこの大陸では機械との戦いは膠著狀態となり、數世紀の月日が過ぎていったようだが、他の國々はどうなったのだろうか……。
うーむ、気になる事だらけだな。
當時を生きてた人にそこ等辺の話を聞ければいいのに……。
「って、そうだよ!! ラビィが居るじゃん!! ラビィは前世界の戦爭の事を知ってるんじゃ……」
思い當たった考えに思わず大聲を上げてしまいつつ、ラビィの方を振り向くと彼は眉を寄せて戸った様子を見せた。
「いえ……殘念ながら、ラビィは無人兵の反が起きる前にコールドスリープへと移行しました」
「ん? それっておかしくない? 私はてっきり戦爭が起こったからMMHだかの計畫が凍結されて、ラビィが保管されたのかと思ってたんだけど……」
里津さんがそう疑問を問うと、ラビィはし考えるかの様に顔を僅かに下に向けた。
「あるいは……そうなのかもしれません。あの日、私が眠りに付いた日は研究員が酷く慌しかったですから」
「まっ、その筈よね。そうでなきゃ、次に目が覚めたら誰でもいいからマスターにしろ。なんて命令が組み込まれる筈がないもの」
「そう言われると確かに……」
それにしても殘念だ。
ラビィから戦爭の事を聞けるのかと思ったのに。
いや、待てよ? そうでもなくても聞ける事はある。
……いや、だけどもしも『知らない』なんて言われたら……。
「沿矢様? 心拍數が上昇してますが……どうかされましたか?」
「あ、いや……。その、さ……ラビィは日本とか東京って場所を知ってる?」
遂に聞いてしまった。
ヤウラに來た直後に弓さんに聞いた時とは狀況が違う。
弓さんとは違い、ラビィにはインプットされた様々な知識があるはず。
そんな彼がもし『知らない』と答えたのならば、前々から思っていた疑念がハッキリする。
「――いえ、知りません。どのデータベースにも該當しない報ですね」
「…………そっか。それならいい」
つまりは、ここは俺が元居た世界ではないのだろう。
あるいは日本と言う國が記録に殘らない程に遠い未來と言う可能もあるが、真偽はわからない。
今、一番有力なのは別の星に連れ去られたと言う可能かな?
いや、そもそも俺が使っている言葉や文字、それが何故に此処で通じるのだろうか?
宇宙生共に改造された? それなら言葉が通じるのは分かる。が、文字はおかしい筈だろ。
それとも俺が持つ認識を書き換えられたか?
自分では日本語を書いてるつもりでも、実際はそうじゃないのかもしれない。
クソ、こうなってくると日本で過ごした記憶が正しいのかすら怪しくなってくるわ。
こうして落ち著いた狀況で考えてしまうと、今の境遇はおかしい事だらけだ。
そしてその疑問を解決してくれる相手もいなければ、相談できる人も居ない。
宇宙生共め、リリースするならせめて狀況を説明してからしてくれよ……。
「どしたの? 珍しく難しい顔なんかして……腹でも減った?」
「……里津さんの中では俺って腹ペコキャラなんですか?」
「さぁ? なくとも、そんなけない顔をする男だとは思ってないわ。アンタは馬鹿みたいにヘラヘラと笑ってなきゃ」
「いや、そのイメージもおかしいでしょ。俺はもっとこう……ダンディな雰囲気を醸し出してる筈です」
「アンタでダンディなら弦は現人神よ。の程を弁えなさい」
何なの? 普通はこうやって悩んでるとの人って優しくめてくれるんじゃないの?
ギャルゲーの知識って役に立たないぜ……。
そうやってギャルゲーへのヘイトを高めていると、先ほどまで悩んでいた事が急に馬鹿らしくなってきた。
そもそも此処が遙か先の未來の世界だろうが別の星だろうが関係ないか、どうせ帰れないんだろうし。
「よし……もう寢ます。明日は早いですしね」
「……そうね。んじゃ、あんた達は先に寢る準備をしなさい。私は一階の戸締りを見てくるから」
「ラジャー」
そのまま寢床に戻り、ラビィと二人で寢る準備をしていると里津さんが二階に上がってきた。
廊下の端に寄り、彼が通り過ぎたのを見計らってまた準備をする。
しかし、そんな俺達の様子を里津さんは自分の部屋の前からじーっと眺めている。
何時もなら此処でおやすみの挨拶をして一日が終わるんだが……。
「あの……どうしました?」
「別に……。いや、そうね……ラビィをし借りてもいい?」
「え? まぁ、いいですけども……。ラビィ、里津さんを手伝ってやってくれ」
「了解しました」
里津さんはそのままラビィを連れて部屋の中へと戻っていった。
一どうしたのやらと首を傾げつつも何とか寢床の準備を終え、を橫にして瞼を閉じる。
『……ビィ、そこじ……駄目。こっちに……』
『……すが、此方……方がスム……ズ……り……よ?』
『い……から。言う通りに……こっち……れ……』
『……了解し……た』
いやいや、寢れねぇよ。何やってんのあの人達?!
話し聲だけならともかくとして、何かをかす音も聞こえるんですけど。
え? いや、まさか、あの扉の向こうで青年が羨む様な事が起こっちゃってる?
気になって寢床から起き上がり、思わず扉に耳を當てるか悩んでしまう。
今の俺の聴力ならば、そうする事で中の様子が鮮明に分かる筈だ。
けど、人としてそれは許される行為なのだろうか?
ましてや俺は里津さんの家に居候しているだ。
恩人のプライベートを、たかが好奇心如きで詮索する様な真似は許される筈が……。
『だから、それ……ゃ、はみ出ちゃ……しょ?』
『い……。上手くすればり……す。ほら、見てく……さい』
一何を出しれしてるんだ君達は!?
こんなん我慢できるか!! 聖職者でも職者になるレベルだわ!!
プライベートだぁ? 関係ねぇ!! これはあれだ、頭を扉に當てながら寢ようとしただけだから!!
そんな言い訳を脳でしつつ、鼻息を荒くしながら扉に耳を寄せていく。
すると突然扉が開き、頬と耳を強打する。
常人ならそこで痛みで悶絶してしまい、相手に何をしていたのかと追求されるラブコメ展開な余地を與えてしまうだろう。
しかし、人並みはずれた耐久力を有する俺は違う。
俺はその勢いを利用してゆっくりと廊下に倒れこみ、肘を曲げてリラックスモードにる事ができるのだ。
「……沿矢。アンタ、そこで何やってんの?」
「え? いや、別に何でもないですよ? 偶には場所を変えて寢ようかなぁって……。風水的なあれもありますし……」
「またアンタは訳のわかんないこと言って……」
何とか誤魔化したのはいいが、里津さんは何とも言えない冷たい眼差しで見下ろしてくる。
あらやだ、久々の蔑む眼差しにゾクゾクしちゃう。
そのまま暫く膠著した狀況を過ごしていると、里津さんの部屋からラビィが出てきた。
彼は廊下に敷かれてある自分の布団と俺の布団の端っこを摑むと、そのままズルズルと引っ張って部屋へと戻っていく。
「え!? ラビィさん!? アナタは何をやってるんですか!?」
まさかの寢床ボッシュートに驚愕の聲を上げてしまう。
ラビィの唐突な暴走を止めようと慌ててを起こし、里津さんの脇を通って部屋に立ちる。
するとあら不思議。
里津さんの部屋は以前見たようなガラクタ置き場ではなく、スッキリとした中に変貌していた。
ただ、部屋にあるクローゼットの扉から細かいパーツが幾つか飛び出ており、無理矢理に中へと押し込んだ事が分かる。その脇でラビィは空いたスペースに布団を敷きなおし、整えていく。
「こ、これは一……? ラビィ、何してんの?」
「部屋の掃除を手伝えば此処で寢る事を許可すると、里津がそう言ったのです」
「え? 里津さんが?」
驚いて背後を振り向けば、當の本人である里津さんはムスっとした顔で此方を睨んでいた。
「……何よ? 別に深い意味は無いんだからね。明日からあんた達は護衛依頼で長い旅路を行く事になるんだから、その前に調を崩す訳にはいかないでしょ? 最近はし寒くなってきてたし……廊下じゃあんまりでしょ」
里津さんはそんな言い訳をしつつ部屋の扉を閉め、早足で自分のベッドに行くとそのまま腰掛ける。
突然の展開に俺は思わず彼を凝視してしまい、チラリと様子を伺ってきた里津さんとまた視線が絡み合った。すると里津さんは顔をし赤くし、自のを布で隠す様にしながら言い放つ。
「……い、言っとくけどね、変な事したらタダじゃ済まさないわよ」
里津さん、その表はあかん。変な事してしまいそうになりますわ。
い、一どうしたってんだ!? 別に同じ部屋で寢泊りするのはこれが初めてじゃ無い筈なのに、どうしてこんな空気になるんだ!?
「し、しませんよ!! ラビィだって居るんですから……」
裏を返せば、ラビィが居なかったらやばかったかもしんないと言う事である。
だってさっきの里津さんって可いと言うか、っぽいと言うか……何かヤバかったもん。
「……まっ、アンタにそんな度がある筈ないもんね。じゃ……おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
里津さんの就寢を見屆けると靜かに一息を吐き、用意された寢床に橫になる。
見れば、廊下とは違って今度はラビィと橫並びに寢る様にセットされていた。
當の本人であるラビィは珍しくも早々に布団に橫になってはいるが、目をクッキリと開けたままジーッと此方を眺めている。
なるほど、橫並びならそうやって監視できる訳か。
しかし、此方としては落ち著かない。
ラビィには悪いが背中を向けて寢させて貰おうか。
「……ふぅ」
そのままの力を抜き、徐々に意識を遠ざけて――。
――アハハ……!! くふぅー……。
……そういや、里津さんって寢言とイビキが凄いんだった。
とてもじゃないが眠れる訳も無く、俺はゆっくりとを起こし、そのまま顔を片手で覆いながら呟いた。
「…………耳栓ってどこにやったかなぁ」
今思えば、廊下って最高の寢室だったかもしれない。
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