《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》命さえあればいい。
※※※
「でさ、ミア」
「何?」
僕はミアと一緒に、料理屋に來ていた。
もちろんミアの奢りだ。なぜなら僕はお金を持っていないから。
「どうしてギルドや國の中樞を襲ってしまわないの? そっちの方が早いと僕は思うんだけどな」
「同級生と戦うのが嫌になったの?」
ミアはフォークで付け合わせの野菜を突き刺しながら言った。
「別に」
僕は答える。
「嫌になったわけじゃないよ。ただ、さっきも言ったように、ちょっとやりかたが回りくどいんじゃないかなと思ってさ」
「その話はもうしたつもりだけど。一番むかつく相手から順番に殺していくんでしょう?」
「そういえばそうだったね」
僕もミアに習って、付け合わせの野菜を口にれた。
マズくはない。普通の味だ。
「最初に殺したのは、えーくんを貧乏人ってバカにしたダニア君。彼はこの街のギルド所屬の冒険者だったわ」
「最初の相手にしてかなり手強かった。多分僕は百回くらい死んでる」
言いつつ、僕は焼いたの塊をナイフで切り、食べた。
考えて見りゃ、このも死みたいなものか。
牛の死は皿の上に、ヒトの死は墓の下に、か。
「それから次は、いつも大人にびてばかりいたダカミアさん」
「の子だった。顔は可かったよ。そんなに強くなかった」
「えーくん」
「何、ミアちゃん」
「ダカミアさんのは?」
「まあまあ大きかった。30點の加點ってとこかな」
ミアの目つきが鋭くなる。
まるで砥いだばかりの刃みたいに。
「あ、でもまあ、僕はミアの方が好みかな。総合的に見て」
「えーくんと私は運命共同なんだから。仲良くしましょう、えーくん」
僕の言葉に、ミアが笑顔を返してくる。
「僕も仲良くしたいと思ってるよ」
ただ一つ言わせてもらえるなら、ミア、急に不機嫌になるのはやめてほしいな。
いや……口には出せないけど。
「で、三人目は……」
「もういいよ、ミア。既に終わった話だろ」
「……そう? だったらもう言うのはやめるわ。その代わり」
「その代わり、何?」
「私、人がものを食べてる音が気になるタイプなの。ねえ、えーくん。何か面白い話をして私の気を紛らわせてくれないかしら」
「殘念ながら、魔導學院にはの子が面白がるような話を教えてくれる授業がなくてね」
それに僕自、學校に通っていた間ろくに他人と會話していない。
トークスキルは皆無と言っていい。人と話したら即死するレベルに。
「じゃあ、面白くなくてもいいわ。えーくんの話を聞かせて」
「そう? だったらこういうのは? 僕はこの魔導學校を験するまで、世界には僕と両親しかいないと思ってたんだ」
「どうして?」
「僕の親が心配癥(・・・)でね。ずっと引きこもってたせいで、僕は両親以外の人間を見たことがなかったんだよ」
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