《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》シヌマギワ先生 その②
「ミア、ミア!」
駆け寄り、抱え起こしても、ミアはぐったりとしてかない。
し、死んだか?
でも、怪我をしている様子はない。
じゃあ何にやられた?
しまった、拘束のを急いで殺しすぎた。
もうし報を吐かせてから殺すべきだった。
ええ? でもどうしよう。
とりあえず病院か?
王立病院なら急患でも大丈夫だよな。
うん、そうだ、とりあえず病院だ。
僕は、人を殺したことはあっても生き返らせたことはない。
魔導學院で回復魔法とかいうのは習ったけれど、習っただけで使った試しがない。
「ミア、とりあえず病院に行こう」
僕はミアを抱えたまま立ち上がった。
だけど、突然腕を摑まれて、僕は思わず立ち止まっていた。
「……えー、くん」
僕の腕を摑んだのはミアだった。
うっすらと目を開け、弱々しく腕をばしている。
「ミア! 無事なの?」
「えーくんが、そう思うならね」
「いや、そうは思わないけど」
「じゃあ、無事じゃないわ」
「やっぱり?」
「それよりも、えーくん。私は大丈夫だから、ベッドに寢かせて」
「え? でも今無事じゃないって言ったじゃない」
「……ごめんえーくん、何でもいいからとりあえず寢かせて」
「う、うん」
ミアに言われた通り、僕は彼をベッドの上に寢かせた。
ミアは何度か靜かに深呼吸した後、僕に笑いかけた。
無理して笑ってるじだった。
「ごめんね、えーくん。私のせいで」
「いや、そんなことないよ。安心して。ミアをひどい目に合わせたあのは、僕が始末しといた。何にやられたの?」
「毒よ。種類は分からないけど、多分気に溶け込むタイプの毒だわ。息がうまく吸えない。頭がぼうっとする。がだるい」
「どうしたらいい? どうしたら、元の元気なミアに戻ってくれる?」
「分からない。毒を中和するものがあるはずなのだけれど……」
毒を中和?
解毒?
解毒剤……。
あっ。
「そういうことか……」
「どうしたの、えーくん」
「まあ、大丈夫。僕に任せておいてよ。敵の場所はどこ?」
「もう特定できているわ。敵の數は五人。そのうち二人はもうカタが付いているから、実質三人というところかしら」
「よし。じゃあちょっと行ってくる。すぐにミアを治してあげるから!」
「方法があるの?」
ミアはベッドの上で、僕の方に顔だけを向けながら言った。
ミアの顔は真っ青で、彼の赤い瞳も輝きが鈍かった。
そんな彼の様子を見ていると、なんだか、心臓の奧の辺りが妙に痛む。
「……解毒剤は、あのクソエリート白髪ホモ野郎が持ってるんだよ」
※※※
第三章「鮮編」はこれにて完結です!
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次章「溢編」もぜひご覧ください!
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