《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》あぶな荘のデッドな即死 その⑦
僕は鎌を、敵の刃からを守る盾にするように、橫に振った。
でもやはり、刃は死んでは(・・・・)くれない。
だけど、そのスピードは一瞬だけ遅くなった。
その一瞬があれば、まだ手はある。
「……【切斷《キル・ユー》】」
僕も、僕の周囲に刃を展開させ、ロットが仕掛けていた斬撃と相殺させた。
ぶつかり合った刃同士が反発しあい、酒場中を縦橫無盡に飛び回る。
空気はまだ白く染まっているから、跳ね回る斬撃の軌道は見える。
死にまくった結果上昇した僕の反神経なら、見える者は躱せる。
斬撃の合間をって、僕はロットに突撃した。
ぎょっとした表を浮かべるロット。
たまらないな。
「もしかして、落ちこぼれの僕のために手加減してくれてるの?」
ナイフを引き抜き、ロットの懐へ飛び込む。
だけど、僕のナイフが相手の頸脈に突き刺さる寸前、僕のは強い衝撃をけて宙を舞っていた。
ボロボロの木の床に叩きつけられた僕は、跳ね起き、相手の方に向き直った。
口の中が切れてる。
どうやら毆られたらしい。
「落ちこぼれが! で俺に勝とうなんざ思い上がりも甚だしいぜ!」
ロットは肩で息をしていた。
「なに本気になってんの?」
「てめーは生かしちゃおけねえ。この手で殺す!」
ロットの気配が変わった。
多分、あの全方位攻撃をやるつもりだ。
「あ、ちょっと、それはやめてしいな。きっと困ることになる(・・・・・・・・・・)」
「落ちこぼれの言うことを聞く奴は、自分も落ちこぼれる羽目になるんだぜ! 【切斷《キル・ユー》】!」
案の定、ロットが全から刃を放ち、その刃は酒場中を破壊すべく全方向に飛んだ。
當然僕は、自分で発生させた刃を僕の周囲に滯空させ、飛んできた斬撃にぶつけることでその攻撃を防いだ。
「……やめときなよ。多分、僕はもう君の攻撃を見切った」
「なめてんじゃねえ、落ちこぼれが!」
「そう? じゃあ、そろそろおしまいだ」
僕は背後の壁を思い切り毆った。
「なんだ? 悔し紛れか?」
「まあ、確かに悔しい(・・・)ね」
その瞬間、ロットの周囲の床や壁、そして天井が崩落した。
「な、何!?」
壊れた床に足を取られたロットめがけて、瓦礫が降り注ぐ。
こんなボロボロの建の中で、敵みたいに大暴れしちゃ、いつかはこうなる。
この時を待っていた。
この時のために、わざわざ手間をかけて相手の刃を弾いたり、敵の攻撃をったりしたわけだ。
崩落も収まり、僕は部屋の中心に瓦礫まみれで倒れるロットに歩み寄った。
「僕の力が魔導學院にいたころから発揮できていればなあって、悔しく(・・・)思うこともあるよ。落ちこぼれに見下される気分はどう?」
「……最悪だ。さっさと殺せ」
「おみなら」
僕はあの死の鎌を出現させ、ロットめがけて振り下ろした。
ロットは抵抗しなかった。鎌は直撃した。
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