「……！」

僕ではない何者かの気配が揺したのを、僕はじ取った。

そこめがけて、僕は見えない刃を放った。

多分命中したんだろう、何もない空間にのような赤い飛沫が舞った。

だけど、その姿は見えない。

「……他人に気付かれないような、そういう魔法をかけてるんだろ？　聲も出せないならとどめをさすよ」

気配がく。

その跡にの雫が點々と落ちていく。

「逃げても無駄だよ。【追尾(ストーカー)】！」

【切斷(キル・ユー)】の刃を、【追尾(ストーカー)】で自追尾させる。

案の定、刃が敵に命中した覚があった。

だまりができる。敵のきは止まったらしい。

「かなり推論もってるけど、一応説明させてもらうね」

僕は敵の方へ一歩足を踏み出した。

「まず、あなたの能力は、あの銀の球をる能力だ。あれで敵のを貫いたりしたんだろ？　で、多分、事前にあの球をいくつか設置しておいたんだ。僕を迎撃するトラップとして」

ロットもあの見えない刃を、かなり自由にっていた。

スキルの発に條件をつけることも可能ってことなんだろう。

「だけど、あの銀の球を直撃させるには、あなたが僕の位置を把握しておく必要がある。そのためには、僕が見える(・・・・・)位置にいなきゃいけない。で、僕が廊下の突き當りにいた時、あの銀の球の命中度は低かった。ということは、あなたがこの廊下のり口付近にいるって証明だろ？」

「…………」

「きっと、あなたと僕は似てる(・・・)んだ。僕だって見つからずに相手を殺せるならそうしてる。だけど、いや、だから、似てるからこそ(・・・・・・・)、僕にはあなたの手口が分かったんだ。まあ、多のハッタリはあったけど」

「！」

「無駄だよ(・・・・)」

何か重たいものが壁に跳ね返る音がした。

一回、そして二回。

あの球だ。

だけど僕は、僕の背後に銀の球が迫っていることをじ取っていた。

だから、あえて、その銀の球の方へ飛び込んだ。

球は、僕のを跳ね返り(・・・・・・・・)、天井を貫いた。

「……この曲がりくねった廊下で、直進運しかしない球が軌道を変えるには、壁や天井に當てて反させるしかない。その回數は、三回。さっきの球はまだ二回しか反してなかったから、僕に當たってももう一度跳ね返る……」

「……………」

「ごめん、先を急ぐんだ。【死線(デッドライン)】」

鎌は、敵のいるであろう場所を引き裂いた。

一瞬の間があって、が飛び散った。

第四章「溢編」はこれにて完結です！

ここまでの容はいかがでしたか？

ポイント評価など頂けると幸いです。

既にこの作品にブックマークや評価などして頂いている方！　心よりお禮申し上げます。

次章「閃編」もぜひご覧ください！