《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》雑魚の地球儀 その⑤
ニ対一でこっちが有利だったのが、一転して不利になった。
一人は元老院。
一人はこの國の創造主。
対するこっちは手負いの白髪に―――底辺ザコ野郎の僕だ。
「え、えー、くん……」
「シロ、くなよ。すぐにミアのところへ戻るから。ここは一度退こう」
「それは、ダメだ、……致命傷だ。悪いけど、そこまで持たない。もちろん彼ら二人を倒すことも……。そしてボクが死ねば、能力を無効化する結界も消え去る……」
息も絶え絶えな様子でシロはく。
とてもふざけているようには見えなかったし、これが冗談ではないことは、シロの元からとめどなく溢れるが証明していた。
「じゃあどうするんだよ。このままじゃ僕も『固定』される」
「使いたくはなかったけど、ボクの策を使う……」
「策?」
さっき言ってたあれのことか。
「いいかい、えーくん。僕は今から、君を殺す(・・・・)」
「な、何言って」
こんなときにそんなバカなことを。
今更僕が憎らしくなったのか?
―――いや、違う。
確かにそうだ。
僕たちが勝つには、そうするしかない。
シロが僕を殺すしか(・・・・・・・・・)。
「君の能力は、自分を殺した相手の能力を模倣することが、できるだろ……。君が、ボクの力を引き継ぐんだ。いいね」
「だ、だけど、それじゃシロが死ぬだろ。今すぐ戻ればまだ間に合うかも――」
僕の言葉を遮るように、シロは首を振った。
「時間がないんだ。ボクが死ねば、勝ちの目は無くなる……」
「どうしてそこまでするんだよ? 君は、僕らの敵だったじゃないか」
「何を言ってるんだい、えーくん。ボクはこれで本なんだよ」
「え?」
「初めて會った時のことを忘れたかい? これでようやく(・・・・・・・)、ボクは死ねる(・・・・・・)」
そう言ってシロは力なく笑った。
僕の腕の中で。
「お前、何言ってんだよ……まだそんなこと言ってたのかよ……」
「ボクも君と同じで、なかなか面倒な人間だからね……。さあ、お別れの時だ」
シロが僕のに手を當てた。
同時に、僕は呼吸が出來なくなった。
「な、何を……」
「君の心臓と肺を消した(・・・・・・・・・・)。あとは任せたよ、えーくん。さようなら」
笑みを浮かべたまま、シロは目を閉じた。
そして僕は息苦しさの中で―――死んだ。
それから再び―――生き返った。
僕が意識を取り戻した時、シロにはまだ息があった。
「君の能力は、自分を殺した相手の能力を模倣することが――」
「……もういい、シロ。君の作戦はうまくいった(・・・・・・)。今のところね」
「! ……そうか、それなら、いい……十分だ」
満足げな表を浮かべ、シロは再び僕の前で目を閉じた。
「…………」
僕はシロのをゆっくり地面に橫たえ、立ち上がった。
「死んだの、その裏切り者? まったくもう、無様な死にざまだねえ。勝利を確信した瞬間が一番危ないんだって誰も教えてくれなかったのかなあ?」
キュタが嘲笑する。
そんな彼に向けて、僕は右手を開いた。
「【抹消(ホワイト・アウト)】」
「……!」
異変に気付いたようにキュタが目を見開いた時には、全て終わっていた。
―――キュタのは、文字通り消滅していた。
「き、貴様、そのスキルは――!?」
ニヒトの聲に焦燥のが混じる。
「さあ、次はあなたの番だ。僕は基本的に穏やか(キャ)で靜か(コミュ障)な人間なんですけど、今はちょっとばかり―――ムカついてるんですよ」
「ならばやってみろよ。その程度のスキルで余を殺せると思うな」
「勘違いなさってるようですね。僕は何も、シロのスキルであんたを殺そうなんて思っちゃいない。……僕が『固定』されていないことに違和はないんですか?」
「……! 余の能力を無効化しているというのか? どうしてそんな真似を……」
「あんたは僕がこの手で殺す。さあ、第二ラウンドを始めようじゃないですか」
「戯言を!」
ニヒトが一瞬で僕との距離を詰め、拳を振り下ろす。
僕はそれをギリギリで躱し、カウンター代わりの肘打ちをニヒトの顎にぶつけた。
揺れるニヒト。
その空いた脇腹に思い切り、蹴りをれる。
「言ったでしょ、ちょっとムカついてるって」
「貴様ああああっっ!」
ニヒトの右手がびて來る。
回避は――出來ない。
髪を摑まれた僕は、そのままニヒトの膝蹴りを顔面に食らった。
顔のどこかの骨が折れたような音がして、鼻からが飛び散った。
同時にニヒトの裏拳が僕の頬を薙いだ。
「ッ……」
踏みとどまる。
視界が揺れる。
「死ね、裏切り者がっ!」
「死ねるか!」
「!?」
ニヒトの足が止まる。
理由は明白。
――【切斷(キル・ユー)】がニヒトのを切り裂いたからだ。
「……あんたももう限界なんだよ、ニヒト」
「な、なぜだ、なぜ!? なぜ『固定』されない!?」
「さっきも言ったじゃないですか。あんた、もう限界なんだ。千年間スキルを使い続けてきたあんたの脳は、もう限界なんだ。だから(・・・)、シロが死んだときに(・・・・・・・・・)――僕を(・・)『固定(・・)』できなかった(・・・・・・)」
【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
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ーーこれは復習だ、手段を選ぶ理由は無い。ーー ○概要 "骸街SS(ムクロマチエスエス)"、略して"むくえす"は、歪められた近未來の日本を舞臺として、終わらない少年青年達の悲劇と戦いと成長、それの原動力である苦悩と決斷と復讐心、そしてその向こうにある虛構と現実、それら描かれた作者オリジナル世界観ダークファンタジーです。 ※小説としては処女作なので、もしも設定の矛盾や面白さの不足などを発見しても、どうか溫かい目で見てください。設定の矛盾やアドバイスなどがあれば、コメント欄で教えていただけると嬉しいです。 ※なろう・アルファポリスでも投稿しています! ○あらすじ それは日本から三権分立が廃止された2005年から150年後の話。政府や日本國軍に対する復讐を「生きる意味」と考える少年・隅川孤白や、人身売買サイトに売られていた記憶喪失の少年・松江織、スラム街に1人彷徨っていたステルス少女・谷川獨歌などの人生を中心としてストーリーが進んでいく、長編パラレルワールドダークファンタジー!
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