《【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。》第37話 ギャルと酔っ払い②
清坂さんと一緒に白百合さんの部屋に上がる。
うっ、酒の匂いがこもってる。花の子大生の部屋がこんなんで大丈夫かよ。
「おー、悪いな吉永。清坂も來たか」
「はいっす。せ、センパイを一人に出來ませんから……!」
「……ほーん、そういうことね。大切にされてんじゃん、吉永」
「俺としては、こんな魔窟に清坂さんを連れてきたくなかったですけどね」
既に散している空き缶や酒瓶。それにつまみ各種。
白百合さんってすぐ酔うけど、永遠に飲めるくらいめちゃめちゃお酒強いんだよなぁ……そりゃ男も離れるわ。
とりあえず換気扇を回し、窓を開けて空気をれ替える。こんな所じゃ、匂いだけで酔っちゃうからな。
「かいとくん、さむいー」
「これでも羽織っとけ」
「わぶっ」
その辺の上著を適當に投げつける。
どうせ寢て起きたら覚えてないんだし、雑な扱いでも問題ない。
「清坂さん、適當に座ってて。酔っ払いに絡まれたら適當にあしらっていいから」
「わ、わかりました」
「花本さん、清坂さんを頼みますよ」
「あいあーい」
とか言って、花本さんも既にビール二本目だし。
この人らのペースどうなってんだ。
冷蔵庫を開け、二人分の缶ジュースを手に取る。
お、冷蔵庫の中にビーフジャーキーが。これも貰おう。
グラスは……別にいいか。
キッチンからリビングに戻ると、白百合さんが清坂さんに抱き著いていた。
「すみかちゃん、おはだすべすべー。かわゆい、かわゆいよぅ」
「あ、あはは……でも白百合さんもちょー可いじゃないっすか。モテるんじゃないんですか?」
「……ふ」
「え、何その暗い笑顔」
あ、酔ってる白百合さんに男の話は句って言うの、忘れてた。
「ふふ……ふふふ……なんででしょうね。なんでわたし、まだ処なんですかね。おしゃれにもびよーにも気を使って、お酒やつまみをいくら摂取してもだいじょーぶなようにうんどーもてーきてきにしてるのに……なんでわたしは……なんで……へへ、へへへ……へへへへへへへへへへ」
「ひぃぃぃいいいいっ!? せせせっ、センパイ! せんぱぁい!」
闇墮ちした白百合さんにビビった清坂さんが、俺の方に駆け寄ってきた。
おーよしよし、可哀想に。
でもね清坂さん。腰周りに抱き著くの本當にやめて? いややめてくださいお願いします。
「こらこら白百合。お前には私がいるだろ?」
「うぅ、かれん〜……!」
「よしよし。うほ、でけ」
花本さんも酔ってるな。
白百合さんが酔ってるのをいいことにに顔を埋めてやがる。おっさんか。
二人が繰りあっているのを無視し、とりあえずクッションに座って清坂さんを宥めた。
「はい、清坂さん。オレンジジュースあったよ」
「あ、あざす……センパイって、いつもこんな酔っ払いに絡まれてるんですか?」
「まあね。慣れた」
「……よく今まで襲われなかったですね。あそこまで酒に酔ってたら、逆レされても不思議じゃないっすけど」
「逆レって……その辺のラインは超えないよ、あの人たちも」
それに、マジで暴走したら花本さんが絞め落としてくれるし。……何度か助かったことは、にしておこう。
「センパイ、次またこういうのがあったら、一人で來ちゃダメですからね。絶対、私を呼んでください。私がセンパイを守ります」
「さっきめちゃめちゃビビってたのに?」
「うぐっ」
「冗談だよ」
「むーっ!」
ぷくーっと頬を膨らませる清坂さん。全く、一々可いんだから。
ジュースを片手に、白百合さんと花本さんが酒を飲んでやんややんやとしているのを見る。
大學の愚癡。バイトの愚癡。男の愚癡。どぎつい下ネタ。出るわ出るわ、話のネタが盡きない。
「かいとくーん、すみかちゃーん。のんでるかーい?」
「勝手に頂いてますよ。タダジュースにタダ飯」
「そっかそっか! ならよし!」
この人の上機嫌になるタイミングがわからん。
溫めた冷凍グラタンを食べていると、白百合さんが清坂さんの隣に座った。
「な、なんすか?」
「んへへ〜。ねーすみかちゃん」
「はい?」
「かいとくんのこと、好き?」
「……へ!?」
まーた酔っ払いが適當なこと言ってるよ……。
「清坂さん、酔っ払いの戯言は気にしないでいいからね。白百合さんも、そろそろ飲み過ぎですよ」
「まだほろよいらもーん」
「呂律回ってないぞ」
白百合さんの頭を摑んで清坂さんから引き剝がす。
が、今度は反対側から花本さんが絡みに來た。
「私も知りたいな。清坂、どーなのよ」
「え、ええっと……」
「おいストッパー、なんであんたまで酒に飲まれてるんだ」
「いーじゃんいーじゃん。たまにはハメ外させろよ」
そういうのは俺と清坂さんがいないところでやってくれ……。
「もういいでしょ。清坂さん、そろそろ日付変わるから、帰ろう」
「は、はいっす」
「んぇー。もうちょっとー」
「そーだぞー。年上の言うこと聞けー」
「花本さん、白百合さんが抱いてしいそうですよ」
「え、まじ? じゃーえんりょなく」
「え、ちょ、かれんやめ……!?」
二人が繰りあってる間に部屋を出。外から鍵を掛け、玄関ポストの中にしまった。
すまない、白百合さん。自業自得ってことで。南無。
俺の服を摑んでいる清坂さんと一緒に部屋に戻る。
もう日付が変わった。急いで風呂って、寢る準備しないと。清坂さんも眠いだろうし。
「清坂さん、先にベッドってて。直ぐ風呂ってくるから」
「…………」
「……清坂さん?」
あの、手を離してくれると嬉しいんですが。
「清坂さん、大丈夫?」
「……ほぇ?」
頬が朱に染まり、ぼーっとした目で俺を見上げてきた。
え、まさか……酔ってる!?
馬鹿なっ、ちゃんとジュースを飲ませたはず。
……まさか、匂いで酔ったのか!?
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