《【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。》第114話 お隣さんと酒盛り

【書籍化決定】

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略稱は『まるフレ』。9月に発売予定となりますので、Twitterをフォローして続報をお待ちください!

作戦決行日──夏祭りの日になった。

言い換えるなら、花本さんと青座さんの因縁の日と言ってもいい。

俺たちは昨晩、別の意味で眠れなかった。

いつもなら、純夏と一緒ならどんな狀況でも眠れていたのに、今回だけは心が波立ってダメだった。

それは純夏も一緒みたいで、一睡もできずに朝を迎えた。

でも……眠くはない。眠さより、ちょっとのドキドキが勝っている。

「うぅ〜……! きんちょーしてきたっす……!」

「純夏、青座さんはってあるんだよね?」

「もちっす! だいぶひよられましたけど、クソごねたら頷いてくれました!」

あぁ、純夏と天さんの2人に駄々を言われたら、そりゃあ頷くよね……俺の発案だけど、青座さんには同する。ごめんなさい。

「段取りは俺に任せて。純夏たちは、青座さんを時間通りに連れてきてくれたらいいから」

「おいっす! 私、がんばっちゃうっす!」

「…………」

「……カイ君?」

「……あー、いや、その……ごめんね。本當は普通に夏祭りを回る予定だったのに」

それに、今日は……。

し罰が悪くて俯き、目だけで純夏を見上げる。

が……何もわかってないのか、きょとんとした顔をしていた。

「どしたっすか、カイ君? お腹痛い?」

「い、いや、そうじゃないよ。大丈夫」

「そうですか? じゃ、私はそろそろ深冬んとこ行きますっす! 準備もあるんで!」

「わかった。気を付けてね」

「あい!」

早々に準備を済ませて、純夏は天さんの家に向かった。

今日も暑いのに、元気なことで。散歩が大好きなわんこかな。

「さて、と……俺もぼちぼち、下準備しますか」

スマホを取り出し、白百合さんへ連絡をれる。

どうやら、白百合さんの方も準備はてきたらしい。

こういう作戦は、大人がいないとり立たないからな。利用するみたいで申し訳ないけど。

連絡もしたし、差しれも用意した。

適當に鞄を持って、白百合さんの部屋のチャイムを鳴らす。

と、中からぱたぱたと軽快な音が聞こえてきた。

「はーい。海斗君、いらっしゃい」

「おはようございます、白百合さん。準備できてますよね」

「うん。ばっちり」

白百合さんも今日という日を待ちわびていたのか、華やかな笑顔を見せた。

珍しくエプロン姿だし、髪のもゴムで縛っている。

普段、こんな姿を見ないからだろうか。ちょっと……いや、だいぶ可い。

「どうしたの、そんなにジロジロ見て?」

「いや……なんか人妻っぽいなって」

「言い方」

すんません。だから頬をぐりぐりしないでください。

白百合さんは呆れたようにため息をつくと、奧へと招いた。

リビングには、かなりの量の料理が準備されている。メインは唐揚げで、他にも居酒屋メニューが揃っている。

「準備萬端ですね」

「料理なんて久々だから、張り切っちゃいました」

「花本さんは?」

「もう來ると思いますよ」

白百合さんがエプロンをいだ、ちょうどその時。玄関のチャイムが鳴った。

白百合さんが迎えると、外から花本さんの聲が聞こえてくる。

「おーす、來たぞー。急に呼び出してどうしたんだよ」

「お酒飲もうかと思いまして」

「はあ!? おい、いくら暇な大學生だからって、朝から飲むとか……!」

「まーまー、いいじゃないですか」

リビングにってきた花本さん。

ショートパンツにぴったりめのシャツ、それに頭にはキャップを被っている。

リビングにると、俺を見て首を傾げた。

「え、吉永? なんで?」

「俺はいつも通り2人のお世話です。お土産につまみはいくつか作ってきたので、好きに飲んでください」

「好きにって……さすがに朝から飲む気はないぞ、私は」

1分後。

「かーっ! 晝ビールうめぇ〜!」

「即落ち二コマじゃねーか」

5分と持たなかった。普通にキンキンに冷えたビールをがぶ飲みしてる。

そんな花本さんを見て、白百合さんもちみちみと飲む。

「白百合さん、わかってますね? 今日は飲みすぎないでくださいよ」

「わかってます。これでも一端の大人ですよ。こんな大事な時に飲みすぎるわけ──」

1時間後。

「だーかーらー! 私はこー思うわけよ!」

「わかるっ、わかるぞー白百合!」

「知ってた」

まあ、この2人の酒の強さは異常だからな。酔っててくれた方が都合がいい。

けど飲みすぎるなって言ったよね俺。あとで説教だ。

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