《【書籍化&コミカライズ】関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました》衝撃の試験結果
りだされた順位表に生徒たちが詰めかけるのはいつものことだが、今回は何故かいつも以上に人が多く、みな興しているようだった。
「みんな何を騒いでいるのかしら」
「前の方にいる人は見終わった順にどいてくれないと、あとから來た人が見られないじゃないの」
マーガレットとシャーロットはぼやきながら、結果を見ようと首をばしてつま先立ちになっている。ビアトリスも同様につま先立ちになって、なんとか自分の名前を確認しようとし――
「まあビアトリスったら一位よ!」
「すごいわビアトリス!」
――確認する前に、友人たちから己の順位を知らされた。
見れば本當に、一位のところにビアトリス・ウォルトンの名前がある。
「え、うそ……」
「本當よ! おめでとうビアトリス!」
「さすが私たちのビアトリスね、おめでとう!」
「二人ともありがとう。きっとあの過去問のおかげだわ」
マーガレットがくれた過去の試験問題と、カインの丁寧な指導のおかげだろう。
學以來、いくらまじめに勉強してもどうしても三位以にれなくて、今までずっと悔しい思いをしてきたが、ここにきてまさかの一位とは。の奧からなんともいえない喜びがこみあげてくる。
マーガレットは三十二位、シャーロットは十一位で、いずれも普段よりずっと良かったらしい。ビアトリスも彼らにお祝いの言葉を伝えたところ、「ビアトリスに教えてもらったからよ」と返されたのがくすぐったい。
ひとしきり互いに喜び合ってから、ビアトリスは再び順位表に目をやった。
(二位はパーマーさまなのね、じゃあ三位は……え?)
そこに當然あると思っていたアーネストの名前は見當たらなかった。特待生のマリア・アドラーですらない。
三位はエルマ・フィールズ。四位はエルザ・フィールズ。なんとシャーロットの屋敷で何度か一緒に勉強した雙子の姉妹だった。本人たちは「いつも十番前後なんです」と言っていたが、今回はずいぶんと調子が良かったらしい。
マリア・アドラーは五位だった。
そしてアーネストは――
「噓だろう? アーネスト殿下が七位って、なにかの間違いじゃないのか?」
「信じられませんわ、學以來ずっと一位か二位でしたのに」
「アーネスト殿下は調でもお悪かったのかしら」
「驚いたな。殿下とシリル・パーマーの首位爭いは卒業までずっと続くもんだとばかり思っていたよ」
「しかも一位があのビアトリス・ウォルトンだもんなぁ」
「特待生のマリア・アドラーも五位だなんて、今回は本當に大番狂わせね」
生徒たちが騒いでいる容が、次第に耳にってくる。
(これってまさか、パーマーさまの言っていた話が関係しているのかしら)
シリル・パーマーはビアトリスが生徒會を辭めたとき以來、アーネストの様子がおかしいと言っていた。しかしビアトリスが遠目で見かけた時は、いつものアーネストだったので、大したことはないのだろうと、深く考えずにいたのである。
しかしこの試験結果が、シリルのいうアーネストの変調によるものだったとしたら、話はまるで違ってくる。
シリルの言う「ビアトリスが辭めたとき以來」というのは、ビアトリスからみた場合、アーネストにキスされかけたのを突き飛ばして以來ということだ。
まさかアーネストはあのことがショックで、勉強が手につかなかったなんてことがあり得るだろうか。
(ううん、まさか、あり得ないわよね、そんなこと……)
それは確かに、婚約者にあんな形で拒まれることは、年頃の青年にとっては大変ショックな出來事だろう。しかしそれは世間並みの婚約者同士の場合である。
アーネストにとってのビアトリスは、ひたすら邪険に扱って顧みなかった形ばかりの婚約者だ。ここ最近はビアトリスとの関係改善を試みていたこともあったが、それにしたって今後を考えての合理的判斷ゆえだろうし、あのとき呆然とした様子だったのも、せいぜい所有に拒まれてプライドが傷ついた程度のことだとばかり思っていたのだが――
(でももし、本當に私とのことが原因だったとしたら)
本當に自分が原因だとしたら、自分はどうすればいいのだろう。
ビアトリスが頭を悩ませていると、し離れたところにいたフィールズ家の雙子の姉妹がビアトリスを見つけて、こちらに手を振って來た。
「あ、ビアトリスさま、一位おめでとうございます!」
「おめでとうございます!」
「ありがとう、エルマとエルザも三位と四位おめでとう」
「ビアトリスさまのおかげですわ!」
人垣のせいで距離があるため、自然に聲が大きくなってしまう。周囲の生徒に迷をかけないよう、順位表の近くから移することを提案しようとした、まさにそのとき、聞き覚えのある聲が辺りに響いた。
「皆さん、これは不正です!」
甘く澄んだ高い聲。
「こんな結果、どう考えたっておかしいです。試験でなにか不正がおこなわれたに決まってます!」
見ればストロベリーブロンドのが、憎しみに燃えた目でこちらを睨みつけていた。
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