《【最強の整備士】役立たずと言われたスキルメンテで俺は全てを、「魔改造」する!みんなの真の力を開放したら、世界最強パーティになっていた【書籍化決定!】》第45話 夜會(1)

部屋はとても広く、すごく高級そうな家がある。

ベッドは天蓋があるすごく大きいサイズのが二つある。

ソファーやテーブルも十分に大きい。

ここに料理を運んで貰って、みんなでわいわいとし遅い晩ご飯を食べている。

「ちょ、ちょっとリリアさん、わたくしのお皿にお追加するの、もうやめてもらっていいですか?」

「エリシスさん、私はもう食べられないので……これあげます」

「う……うう……ああ……神よ……フィーグ様よ……お許しください」

もう俺はいちいちツッコんでいられないので、エリシスの神発言はスルーすることにした。

「リリアさん、いらないなら、あたしがもらいますの」

「……アヤメさんってすごくたくさん食べるのですね」

「あたしお腹ペコペコなの」

なんだかわちゃわちゃしている。

こんな大人數で夕食をとれば、まあこうなるか……。

そう思っていると、隣に座っているキラナが俺を見ていた。

「パパぁ、どうして難しい顔してるの?」

気がつくと 他のみんなも俺の顔を見ている。

「お兄ちゃん合悪いの?」

「フィーグさん……心配事があるのですか?」

俺はふう、と息をついて席を立った。

「いや、ちょっと明日のことでね。フレッドさんの伝言、どうしようかなと思って」

フレッドさんからの伝言とは、フェルトマン伯爵に連絡を取ってしいとのことだ。

本來依頼人との連絡はギルドの役目だけど、俺は確認したいことがあった。

エリシスを見ると、し食べ過ぎたみたいで大きくなったお腹を押さえて靜かにしている。

俺は考えをまとめると部屋を出て、王都のフェルトマン伯爵に連絡を取った。

☆☆☆☆☆☆

幸い、ここは良い宿屋なので通信用の魔道があり、話をすることができる。

フェルトマン伯爵が連絡を要求してきたのはエリシス探索の進捗が聞きたいからだろう。

ただ、いきなりエリシスを引き合わせる気にならなかった。

婚約破棄の件を聞いていて不安をじたからだ。

「フィーグ殿、神エリシスの居場所は分かったのか?」

簡単に挨拶をした後、フェルトマン伯爵はすぐに本題を切り出した。

調査したけど見つからなかった、と言うことにしてもよいが、別の冒険者に依頼を出す可能もあるだろう。

ここは慎重に渉を進める。

「発見しました。ただ、彼調を崩しておりまして、し時間を頂ければと思います」

「たかだか一神調など悪くても問題なかろう。私が來いと言っているのだ。明日の夜、夜會があり、我が家に仕える神だと皆に紹介したい。エリシス一人でも來れるだろう? そのまま、診療所に復帰してもらう」

一人で、か。そんなことしたら……どんな仕打ちをされるのか……?

「……分かりました。では、會場を教えてください。私がお連れします」

「フン、くれぐれもだしなみと禮節に気をつけろ。

フィーグだったか? 參加者のリストにれておこう。もし間に合わなければ、クエストは失敗とさせていただく」

フェルマン伯爵は吐き捨てるように言って通信を切った。

橫柄な態度が鼻につく。

何より、エリシスの調を気遣う様子がしもないのが気になった。

俺だけで話して正解だ。

エリシスは俺たちのパーティの一員だ。

地獄と分かっている場所に一人で行かすわけにはいかない。

いや、そもそも俺だけ行ってすべて終わらせれば良い。そう思っていたのだが……。

☆☆☆☆☆☆

俺は、食事をしているみんなのところに戻った。

エリシスは、せっかく可らしい神著をに付けているのに……腹が思いっきり出ていた。

食べ好きだよこれ。

「もぐもぐ……うーん……ぐるじい……」

「エリシス、フェルトマン伯爵は君を夜會に連れてこいと言っていた。どうする? 明日、ドレスにらなくなりそうだし、やめておくか? 俺だけが行ってこようか?」

俺は簡単にエリシスにフェルトマン伯爵との會話の容を伝える。

「なるほど……婚約破棄しておいて……仕事は別だと、診療所に戻って來いとそういうことなのでしょうね。

それと合わせて、私への婚約破棄のことを公にするつもりなのかも」

「そんなことするのか?」

「ええ。彼のことは分かります。もっとも、あまり話したことはありませんが……し接するだけでもその格の悪さが分かります。今思えば、私はどうして言われるままに従っていたのか……後悔しています」

格の悪さについては同だな」

「目を覚まさせてくれたのは、フィーグ様のおかげです。ですから、次は……私からビシッと言いたいと思います。

戻るつもりはないと、婚約破棄をしたのはそちらですよね、と」

「やる気満々なのはいいけど、ほどほどにね」

エリシスは膨れたお腹を押さえつつ、釘バットを握った。

その瞳には炎が宿っていて……殺(や)る気満々に見える。

フンスと鼻息も荒い。

いや、君……聖だよね……?

せめて聖らしくお淑やかにしよ?

それに夜會の會場には釘バットは持って行けないからね?

翌日はエリシスのドレスと俺の著るスーツを揃えた。

そして夜になり、俺とエリシスはフェルトマン伯爵がいる夜會會場に足を踏みれたのだった。

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