《【書籍化】ループ中のげられ令嬢だった私、今世は最強聖なうえに溺モードみたいです(WEB版)》31.バージルの田舎へ
その後、私はシンディーの勧めどおり大神様のところへ相談に行った。當然だけれど、大神様は大層驚いていらした。
フェンリルも大神様のことは好きみたいで、またしっぽを振ってお腹を見せてあげていて。
けれど、やっぱり言葉がわかるのは私だけだった。フェンリルに聞くと『そういうもの』らしい。
このフェンリルが私のところに來てしまったのは『穣の聖』の力が関わっているらしい。『穣の聖』の任務のひとつには『霊や神獣の召喚』がある。めったにない任務だし、私は請け負ったことがないのですっかり忘れていた。
今朝、あの聖堂で私は知らないうちに『先見の聖』ではなく『穣の聖』の力を使ってしまったようだった。
ちなみにフェンリルはこの世界にやってきてからたった30分ほどで出會った人全員にお腹を見せていた。どうも警戒心のなさが気になって仕方がない。
それから、大神様の勧めにしたがって私の膝に乗れるぐらいの大きさに化した。いくらなんでもあのままでは目立つ。
私にぴったりとついてきてくれるので、小さくなってくれて本當に助かった。
初めは元のサイズのまま私の膝にのしかかって『のれるよ』と主張してくれた。本當にかわいいのでやめてほしい。
……そして目下の議題と言えば。
バージルの田舎へ向かいながら、私たちはフェンリルにつける名前を議論していた。
「チャーリー」
「マックス」
「……アルテミス」
シンディーまで議論に參加し意見を出してくれているのがうれしい。けれど、トラヴィスとバージルが提案しているのは、明らかに犬の名前である。
「トラヴィスとバージルさんは真面目に考えていただけますか?」
「だって仕方がないわよ。この子、犬だもの。いえ違うわね。犬でもこんなに尾を振らないわ」
『こう?』
私の膝にいるフェンリルが、ブルンブルンと激しく尾を振る。かわいい。
「セレスティアが怒ってるのを見るのはこの前のお茶會以來かな」
「!」
トラヴィスはトラヴィスでそういうことをさらっと告げてくる。
あの日、別れ際に言われたことを急に思い出した私は、頬が熱を持つのをじて慌てて目を逸らした。
深読みしてしまう私の方がおかしいのかもしれない。しかし彼を好きになってしまって、殺されるのはごめんだ。
本筋に話を戻したい。
今回、バージルの田舎に向かうメンバーは、私・トラヴィス・バージル・シンディーの4人。
シンディーが同行してくれているのは、彼には回復魔法が使えるからだ。
バージルの妹さんはが弱いのだという。魔石の加工に力を使いすぎたときの保険としてシンディーに白羽の矢が立った。
回復魔法なら私も使えるけれど、萬一への備えはいくらあってもいいというのがトラヴィスの意見だった。私もそう思う。
「さて、おふざけはこの辺までにしましょう。フェンリル様ははじまりの聖様には何と呼ばれていたのですか」
ひんやりと言い放つシンディーに、私も頭を切り替えた。
『わすれちゃった。あるじがいなくなると、なまえをわすれる』
「ええ? ……あの、忘れてしまったそうです。主がいなくなると名前を忘れるものだと仰っています」
「そうですか。では、やはり聖・セレスティア様が名付けをしないといけませんね」
「私が、この子に名前を……」
けれど、意図して召喚したわけではないのに名前を付けてもいいかな。
「セレスティア。名前を付けるのはこの子のためでもあるよ」
「え?」
トラヴィスからの助言に、迷っていた私は首を傾げた。
「名前がないということは、野良と同じだ。まさか神獣が誰かに悪い使われ方をするはずがないけど、召喚した人に名前を付けてもらえないのは彼にとって悲しいことだよ」
「……そっか……」
『なまえ、まってる』
うるうるした瞳でフェンリルが見つめてくる。私の心はあっさり決まった。
「……リル」
『いいなまえ!』
「……!」
その瞬間、キンッという音が耳の奧に響いた。途端にさっきまではわからなかったリルのオーラのようなものをじる。
魔力とも神力とも違う、不思議な力。でも心地よくてあったかい。彼といれば、私の聖屬の魔力は満ち足りるのだろう。
これが、神獣・フェンリル。いまは子犬のようにらしい外見をしているし、安易にお腹を見せまくるタイプの子だけれど。
「……リルははじまりの聖様と一緒にいたのよね?」
私の問いに、リルは人懐っこく笑った。
『そうだよ。あのひと、おもしろいひとだった』
ものすごく気になる。今度教えてもらおう、そんなことを考えながら、私はこの旅行にかなりわくわくしていた。
魔石のアクセサリーと、バージルの妹さん、知らない町。
あと、2回目のループでさっぱりした……というかほとんどお互いを知らない関係で終わってしまったシンディーとも仲良くなれるかもしれない。
ちなみに名前の由來は、もちろんフェンリルだからである。
私はエイムズ伯爵家のライムちゃんなみに安易な名前を付け、センスに厳しいバージルからの視線には気がつかないふりをした。
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