《聖が來るから君をすることはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?【書籍化&コミカライズ決定】》第20話 楽しい楽しい、“ボタモチ大作戦”ですわ!
あまい、あまーいぼたもちは、いっしょうけんめいかむと、じんわりもっとあまくなるの。
しかも、たべてもたべても、なくならない! まほうみたい! だからいっぱい、いっぱいたべられる!
「嬉しい食べっぷりだねえ……。そんなに気にったのかい? はむはむ音がして、まるでハムスターみたいだねえ」
はむすたー。えほんでみたことある。あのかわいいやつかなあ?
「自分のほっぺをってごらん」
わたしがぺとぺとさわると、かたっぽのほっぺがぷっくりふくらんでた。……なんだこれ。
「そうだよ、そこにあまーいぼたもちが、いっぱい詰め込まれてるんだ」
そこでおばあちゃんは、なんでかちょっとかなしそうなかおをした。
「それにしても、ひどいことする親がいるもんだ。こんなかわいい子に恵まれて、一何が不満なんだろうねえ……」
わたしはもぐもぐしていたおくちをとめて、うつむいた。
「あ、アイが……わるいこだから……」
ママとパパは、いつもそういう。
おまえがわるいこだから、アイがわるいこだから、ぶたれるんだって。これは“しつけ”なんだって。
「おまえさんが悪い子なもんかい! おまえさんはずーっといい子だよ。本當に悪い子っていうのはね、おまえさんの親のことをいうんだよ」
「おばあちゃん、アイのママとパパ知ってるの?」
「ううん、知らないよ。でもあんたを見りゃわかる。こんなガリガリに痩せちまって……かわいそうに。あたしがもうし若くて、せめてこの足がうまくいたら、あんたを連れて逃げられるのにねえ……」
おばあちゃん、なきそうなかおをしてる。
「でも待ってな。最近は児相談所に連絡すれば助けてもらえるらしいからね。ばあちゃんが電話してやるから、それまでもうちょっとだけ辛抱しておくれよ」
ジドウソウ……ってなんだろう。よくわかんないけど、わたしはうなずいた。
だってぼたもち、おいしかったんだもん。
こんなにおいしいぼたもちくれるおばあちゃんなら、きっとだいじょーぶだとおもったの。
「さ、もうちょっとぼたもち食べなね。それとも、お腹が空いてるならほかのごはん作ろうか?」
ううん、だいじょーぶだよおばあちゃん。
わたし、もうおなかいっぱいだから。
――それにわたし、ほんとにもうだいじょーぶなの。
いまはねぇ、おひめさまみたいにきれいでやさしいママがいるんだよ。
ママはわたしのこと、たからものってよぶの。
だから、だいじょーぶなんだぁ。
……そういおうとしたのに、なんだかわたしはとってもねむたくなってきた。
◇
「あ、ごめんね。起こしちゃったかしら」
ぼんやりめをあけると、ママのかお。
あれ? おばあちゃんは……?
「ふふ、でもまだ眠そう。時間も時間だし、このままベッドに連れていっちゃいましょうか」
「では私が連れていこう」
ヘーカのてがのびてきて、わたしはふわぁっとだっこされた。
……さっきのは、ゆめだったのかな。
さっきの……。
「あまくて、おいしい……」
わたしがむにゃむにゃいうと、ママがわらった。
「おいしいお菓子の夢でも見ていたの? 素敵ね。今度何を食べたか、ママにも教えてね」
うん、いいよ……。
そういえば、さっき、ママがいってたな。
まほうみたいにすてきなたべものがあったら、って……。
ねえママ、まほうみたいにすてきなたべもの、いっこだけあったよ――。
◇
翌朝。目が覚めると、アイは私を見て開口一番に言った。
「ねえママ、おばあちゃんにぼたもち、持って行っちゃだめかなあ?」
「“ボタモチ”?」
聞いたことない単語に私がきょとんとしていると、目を輝かせたアイが鼻息あらく続ける。
「うん! くろくて、まるくて、べたっとしたやつ!」
「くろくて、まるくて、べたっと……?」
……何かしら? 食べはたくさんあれど、黒くてまるいものってそんなにないわよね?
キノコにトリュフにチョコレートに……形はともかくココアもだけならあてはまるわね。もしくはケーキに加工するとか? べたっとしていると言えば、べたっとしているし。
「とってもあまくて、もちもちで、おいしいんだよぉ」
アイが自分のほっぺをたぷたぷと持ち上げながら言った。
あまいはともかく……もちもち?
そのだとケーキではなくなるわよね? パン、とかかしら……? チョコレートパン? でも、“ボタモチ”なんて名稱は聞いたことがないわ。
助けを求めて侍たちを見ると、彼たちも困ったように首をかしげていた。
……となると、ここはユーリさまやホートリー大神の力も借りたいわ。人は多ければ多いほど、いいに決まっているもの!
◇
「――“ボタモチ”、ですか……?」
うんうん、とうなずく私とアイを前に、ホートリー大神が困ったように言った。その橫では、ユーリさまが「まったくわからない」と言いたそうな表を浮かべている。
「ええ。くろくて、まるくて、べたっとしているそうよ。おまけに甘くてもちもちしているんですって」
「くろくて、まるくて、べたっと……」
「そのうえ甘くて、もちもち……とは」
私が言えば言うほど、二人の眉間の皺が深くなっていく。
「ううーん、いくつか候補はあると言えばありますが……」
「ちなみにそれを作ってどうするんだ?」
ユーリさまに聞かれて、私は自信満々に答えた。
「もちろん、サクラ陛下に持っていきますわ! アイが教えてくれたの。その“ボタモチ”は、“まほうみたいにすてきなたべもの”なんですって」
「ほぅ! それはいい響きですねぇ」
アイがうんうん! と目を輝かせてうなずく橫で、ほっほとホートリー大神が笑う。
一方、ユーリさまは渋い顔のままだ。
「……その、水を差すようなことを言って悪いが、それでサクラ陛下の気持ちが変わるのだろうか……?」
「ふふっ、ユーリさま、無粋なことはいいっこなしですよ」
無粋という言葉に、ユーリさまがぐぅと聲をもらす。
「こういうのは気持ちが大事ですわ。懐を狙っていないって言ったら噓になりますけれど、むしろそこはあわよくばを思っていますけれど、それより重要なのはアイの気持ちです」
言って、私はアイを見た。
橫ではまたアイが、しゃがんだホートリー大神の頭をでながら、「おじさんのあたまはおつきさまみたいだねぇ」なんて言っている。……うん、なんかもう慣れてきたわね。大神が幸せそうにしているなら、見なかったことにしよう。
「あの子の、サクラ陛下のためにお菓子を用意してあげたいという気持ちを大事にしたいんです。人を思いやる気持ちを育ててあげるのも、親の務めだと思いませんこと?」
私の言葉に、ユーリさまも納得がいったようだった。靜かにうなずき――それから珍しく微笑んだ。
……あっ、危ない危ない! 思いがけず穏やかな笑顔に、ちょっとだけドキッとしちゃったじゃない!
「そうだな。親として、あの子の手助けをしてあげよう。こうなったら皆で協力して作るぞ。名付けて“ボタモチ大作戦”だ」
「そうこなくっちゃですわ!」
私はぐっと手を上に突き上げた。聲に反応したアイも、嬉しそうに「ぐっ!」とちっちゃなおててを突き上げた。
《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自動レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜
【書籍化&コミカライズ決定!!】 アルバート・ヴァレスタインに授けられたのは、世界唯一の【全自動レベルアップ】スキルだった―― それはなにもしなくても自動的に経験値が溜まり、超高速でレベルアップしていく最強スキルである。 だがこの世界において、レベルという概念は存在しない。當の本人はもちろん、周囲の人間にもスキル內容がわからず―― 「使い方もわからない役立たず」という理由から、外れスキル認定されるのだった。 そんなアルバートに襲いかかる、何體もの難敵たち。 だがアルバート自身には戦闘経験がないため、デコピン一発で倒れていく強敵たちを「ただのザコ」としか思えない。 そうして無自覚に無雙を繰り広げながら、なんと王女様をも助け出してしまい――? これは、のんびり気ままに生きていたらいつの間にか世界を救ってしまっていた、ひとりの若者の物語である――!
8 166【書籍化・コミカライズ】竜神様に見初められまして~虐げられ令嬢は精霊王國にて三食もふもふ溺愛付きの生活を送り幸せになる~
魔法王國フェルミ。 高名な魔法師家系であるエドモンド伯爵家令嬢ソフィアは、六歳の時に魔力判定でゼロを出したことがきっかけで家族から冷遇される日々を送っていた。 唯一の癒しはソフィアにしか見えないフェンリルの『ハナコ』 母にぶたれても、妹に嫌がらせを受けても、ハナコをもふもふすることで心の安寧を保っていた。 そんな彼女が十六歳になったある日。 ソフィアは國家間の交流パーティにて精霊王國の軍務大臣にして竜神アランに問われる。 「そのフェンリルは、君の精霊か?」 「ハナコが見えるのですか?」 「……ハナコ?」 そんなやりとりがきっかけで、何故かアランに求婚されてしまうソフィア。 家族には半ば捨てられる形で、あれよあれよの間にソフィアは精霊王國に嫁ぐことになり……。 「三食もご飯を食べていいんですか?」 「精霊國の皆さん、みんなもふもふ……幸せです……」 「アラン様と結婚できて、本當によかったです」 強制的に働かされ続け、愛も優しさも知らなかった不器用な少女は、精霊王國の人たちに溫かく見守られ、アランに溺愛され、幸せになっていく。 一方のフェルミ王國は、ソフィアが無自覚に國にもたらしていた恩恵が絶たれ崩壊への道を辿っていて……。 「君をあっさり手放すなぞ、エドモンド家は判斷を誤ったな。君の本當の力がどれだけ凄まじいものか、知らなかったのだろう」 「私の、本當の力……?」 これは、虐げられ続けた令嬢が精霊國の竜神様に溺愛され、三食しっかり食べてもふもふを堪能し、無自覚に持っていた能力を認められて幸せになっていく話。 ※もふもふ度&ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。
8 135ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~
ソシャゲ廃人と化し、ダメな生活を送っていた押上 優斗(おしがみ ゆうと)。 あるときいつも通りソシャゲをやって寢落ちしていたら異世界に飛ばされてしまっていた。 そこではダンジョンで魔物を倒すことで生活の糧を得るのだが、どうやら召喚獣とその加護が大事らしい。 異世界からの転生者は初回だけ十連召喚の儀、通稱無料十連ガチャを回すことができるというのだが……優斗が引いた召喚はこの世界に二つとないとんでもないものだった! ※アルファポリス、小説家になろうにも同時掲載中
8 149この度、晴れてお姫様になりました。
現世での幕を閉じることとなった、貝塚內地。神様のはからいによって転生した異世界ではお姫様?ちょっぴりバカな主人公と少し癖のある人達との異世界生活です。 拙い點の方が多いと思いますが、少しでも笑顔になってくれると嬉しいです。 誤字・脫字等の訂正がありましたら、教えて下さい。
8 146しろいへや
ぼく
8 177ひざまずけ、禮
「ひざまずけ、禮」 理不盡な死を遂げた者たちが、その運命に抗うため、化け物を退治する。どこまでも平凡な少年と文學少女が織りなす、學園ストーリー。・・・になるといいな!(白目)
8 71