《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第31話 チートな探索者!
「あ、藍原様!? いらっしゃいませ!」
シオリが我が顔でっていった店の店員たちが慌てて出迎えてくれた。彼はそれを気にした様子も見せずに、ずんずんと店の中にっていく。
ここ、俺が防を見に來た時の最初の店じゃん……。
あの時は外観をじっくり見る余裕なんて無かったので気が付かなかったが、店にると流石に気が付いた。というか、あの店にシオリが使っている防の別モデルがある時點で気が付くべきだった。
「今日はマヤの武を見に來たの」
「ということは短剣でしょうか」
「うん。あと短刀も。中級者向け(ミドルレンジモデル)で用意して」
「かしこまりました。そちらのお客様は?」
「私の夫」
「さらっととんでもない噓つくんじゃねえよ。あ、僕らは気にしないでください」
「は、はぁ……」
シオリのヤバいところは真顔でそういうことを言うところである。付き合い慣れていないと何が本當で何が噓なのか分かったもんじゃない。
「なんだ、その……マヤは元気にやってるか?」
一ノ瀬マヤ。シオリの一番弟子にして、現在『世界(W)探索者(E)ランキング(R)』日本一位の一ノ瀬悠真の妹である。
「ハヤト、私の前で他のの話」
「なんでだよ。お前にとっても妹みたいな奴だろ」
8歳も歳の離れた兄に影響をけたのか、彼は去年シオリに弟子りして探索者になった。
「やってる。けど、微妙」
「浮くか?」
「まぁ、本人の格もあると思うけど」
マヤとユウマには両親が存在しない。彼らは同じ児福祉施設で育てられた子供なのだ。親から捨てられたハヤトは彼らにしだけ同というか、共を抱いている。……ユウマはともかく、マヤはそうは思っていないみたいだが。
「ねぇ、ハヤト。いまどこにいるの?」
「ダンジョンの話か? 23だ。今は安全圏(セーフエリア)まで進めるようになった」
「……いつから、本気だしたの?」
どいつもこいつも、まるで今までが本気ではなかったみたいに言いやがって……。
「三週間前かなぁ……」
「やっぱり、ハヤトは凄い。信じてたよ。ハヤトはやれば出來る子だって」
「お前は俺の母親か」
「時には母であり、時には人であり、時には妹、時には姉……」
「え、何々。何が始まんの……?」
「お兄様」
「どした?」
「お兄様って、ほんとはシオリ様と仲が良いですよね?」
「はははっ。どこ見たらそうなるんだよ」
「………………」
閉口するエリナ。
《おい。ここに來た目的を忘れてないか?》
(ん。そろそろ行くか)
「シオリ、俺は俺で武を見ておくから」
「……分かった。またあとで」
「あとは無い」
ということでシオリと離れたハヤトはエリナと共に武を見て回ることにした。
「お兄様はダンジョンでどんな武を使われているんですか?」
「基本は槍だな。リーチがあって弱點を突きやすいから重寶してるんだよ」
《まあ、槍は最強の武だからな。なんと言っても素人でも扱いやすい! これに限る》
「他には特大剣。最近はこっちのほうが多いかもしれない。質量は単純に火力になるからな」
《特大剣は良いぞォ! 火力は正義》
「うるせえぞ。ヘキサ」
コイツ、武オタクなんだろうか。
「火力不足って言われていましたものね」
「本當は場合に合わせていろんな武を使えたほうが良いんだろうが、如何(いかん)せん火力が足りんからなぁ」
「お兄様って日本刀とか好きな見た目してますけど、使わないんですか?」
「どういう見た目だよ……。日本刀はシオリが使ってるからな」
ハヤトの聲にわずかな揺らぎをじたエリナはふと、ハヤトを見た。
本當にそれだけだろうか? いま、自分の主人の中に生まれたの揺れは本當にそれだけが原因だろうか。
だが、ハヤトは明らかにれてほしくないという雰囲気を出している。ここは空気を読むべきだろう。
「武も々あるなぁ」
「いらっしゃいませ。何をお求めでしょうか?」
ウィンドウを見ながら歩いていたハヤトにスーツ姿の店員が話しかけてきた。
「最近、火力が足りないと思い始めまして武を見に來たんですよ」
「主に何を使われていますか?」
「槍ですね」
「どの階層に潛られていますか?」
「今は23、あとちょっとで24層に行けそうなんで、上級者向け(ハイエンドモデル)を見たいんですけど」
「こちらにどうぞ」
店員は流れるようにハヤトを案すると、そこにはいくつもの槍が置いてあった。下に書いてある値段は努めて見ないようにしながらハヤトは槍に近寄った。
「ここにあるのが上級者向け(ハイエンドモデル)でございます」
「……これは」
その中でハヤトの興味を引いたのは穂先の蒼い短槍。だが柄を中心として他は黒を基調として作られている。
「こちらは22層で採れます『スカイクリスタル』を槍の形に削り出し24層で採れる『鐵黒鉛(グラフェルト)』をカーボンファイバーに加工して巻いたものです。加工した職人の話によると、手にもつと吸いつくような握り心地、まるで自分からいたかのようにきがらかになるとのことです」
「な、なるほど……。し手に持ってもいいですか?」
「はい。構いません」
ハヤトはその槍を手に取った。長さは1m60cmほどだろう。なるほど、確かに手に吸い付くかのように馴染む。そして、何よりも重い。短いが槍そのものが重い事で威力を上げるのに役立っているのだろう。
「お、お、お、お兄様。ね、ね、ね、ねっ、値段が!!」
壊れたラジオみたいに値段を指さすエリナ。ハヤトはその綺麗な指先の導線に従って視線を移させると……。
「ん? はぁっ!?」
「こちらは24階層の素材を用いておりますから、その分値段も高くなっておりまして」
この槍、1500萬円。
「い、一千萬の槍はちょっと、買えないです……」
ハヤトは壊れを取り扱うかのように、丁寧に元の位置に槍を置いた。
「大丈夫ですよ。24回までの分割ですと金利が零ですから」
「エリナ、1500萬を24で割ると?」
「62萬円です」
「無理じゃん……」
《消費稅だけで車が買えるな》
この間100萬円を稼いで大はしゃぎしてた人間に1500萬は支払えるはずもない。
「……出直してきます」
「待って、ハヤト」
「これは藍原様。いらっしゃいませ」
「ここはギルドとの提攜店だから探索者割引で10%安くなるの」
「1350萬円ですね」
「どっちにしろ無理だよな」
「私が半額だすわ」
「675萬円になりましたよ」
「無理だな」
「じゃあ、全額だすわ」
「0円ですよ。お兄様」
「流石にそれくらいは分かるって」
「どう、ハヤト」
「いや、いい。シオリに出してもらって買うなら、俺に前線攻略者(フロントランナー)が早かっただけだ。出直すよ」
「そう? ハヤトがそう言うなら」
シオリはそれにあっさりと引くと、今しがた買ったばかりの武がっている袋の位置を整えた。
《……お前ら、案外お似合いだな》
(やめろよ。ぞっとする)
ヘキサと同じ意見だとエリナは首を縦に振った。
それからシオリと別れてハヤトたちは帰宅した。
《さて、こっからが本番だな》
「もちのろんよぉ!」
ハヤトもヘキサも店を出た時からテンション上がりっぱなし。一方、エリナは何が起きているのか分からず尋ねた。
「いったい、何が始まるんですか?」
「いいか、エリナ。俺は【武創造】というスキルを持っている」
「らしいですね。実際に見たこと無いですけど」
《そのスキルはハヤトの想像力によって武が生まれるんだ》
「つまり」
《ハヤトが》
「実際に手にもった」
《武を》
「想像すればッ!」
二人して考えていたことを近所迷も考えずに大聲で口にする。
「……それを創れるってことですか?」
狀況を飲み込み始めたエリナが恐る恐る口を開いた。ということは、つまり。
「行くぜッ!」
ハヤトは何もない方向に向かって手を突き出すと、創造開始。今まで生み出してきた武とは一線を畫す武を産み出すため、普段より時間がかかるがそれでも確かに功した。
ぞわっと、空間を捻じ曲げてそれは出現する。
「……その、槍は」
エリナが思わずらした。黒を基調とした蒼い槍。手に吸い付くような裝備。重たいが故に一撃の威力が高まっているそれは、
《これで1500萬が浮いたな》
間違いなく、先ほどの槍であった。
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