《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第2-6話 バディ組んですぐにボス戦とか普通やらないけどね!
ムキムキ貝殻水著モンスターに見送られながら、ハヤトたちは24階層の階層主(ボス)部屋へとった。
「久しぶりに、死んだと思った」
「俺もだ」
ああ、サンキューマッスル。フォーエバーマッスル。
人とモンスターの間でも、筋は共通言語足りえたのだ。
「あれが、階層主(ボス)?」
部屋の中にあったのは一つの臺に乗ったキャンバスだった。そこには何も書きこまれておらず、真白のまま。
「うん。だから、近づかないで」
ここでシオリが初めて《戮刀(リクトウ)『雪影(ゆきかげ)』》を抜いた。ハヤトも手にしていた槍を一際(ひときわ)強く握る。
「來る」
その瞬間、真白のキャンバスに黒の點が描かれた。それは瞬きする間に広がると黒い人型と共に外に出た。
「キャハハハ!!」
唐突に聞こえたそれは子供の笑い聲にも思われた。
「翔(と)んで、『雪影(ゆきかげ)』」
ヒュオン!
響くは冷たい金屬音。スキル【鎌鼬(かまいたち)】によってシオリの斬撃が程を持って空を飛ぶ。
だが、黒い人影はそれよりも先にキャンバスに黒くを塗った。剎那出でるは黒い壁。シオリの斬撃は壁を斷ち斬るが、その裏にいる階層主(ボス)には屆かない。
「あれが24階層の階層主(ボス)。『失意の絵描き《ドロウィング・シャドウ》』。――來るよ」
壁の後ろにいた黒い人影、『失意の絵描き《ドロウィング・シャドウ》』が姿を現わした瞬間、周囲に浮かぶは二人を覆い隠すほど巨大な20のキャンバス。その全てにどこかで見た事のあるモンスターの絵が描かれている。
「はっ! そういうことか!!」
「うん。そう言うこと!」
キャンバスに書かれたモンスターたちは次の瞬間、一斉にキャンバスを突き破って現れた。
スライム、ゴブリン、ゴブリン・ソーサラー、ゴブリン・ファイター。
レッサーワイバーン、トレント、オールド・バッド、そして。
「RooooooooooooooOOOOOOOOOO!!!!」
「サンドリキッド・ゴーレムか!」
20階層の階層主(ボス)までお出ましである。
『失意の絵描き《ドロウィング・シャドウ》』は部屋の真ん中に著地すると慇懃無禮(いんぎんぶれい)に一禮して地面へと溶けていった。
「姿を消した。これから先は私に任せて」
「ああ、俺は雑魚をやれば良いんだな!」
“【颱(かぜ)の調べ】【強化Lv3】【水屬魔法Lv3】をインストールします”
“インストール完了”
「おぉッ!」
ぶと同時に目の前のゴブリン・ファイターに飛び込んだ。姿を見るのも懐かしい敵だが、2年間倒し続けてきた敵だ。目を瞑っていてでも対処できる。
ハヤトはまず槍の一突きでもって頭部を破壊。それを真橫にスライドすると、飛びかかってきたスライムの核を薙(な)ぐ。瞬間、ミシリと強化された両足で空中へと浮かび上がると飛び込んできたレッサーワイバーンを回避。
一回転すると共に、自らモンスターの中に落ちていく。
「吹きすさべッ!」
著地と同時にハヤトは【颱(かぜ)の調べ】を発。自らのがスキルによって自的にくと吹き荒れた槍の嵐が周りのモンスターを微塵(こなみじん)にする。
モンスターたちは黒い霧となって倒れていくがどいつもこいつもドロップアイテムは落とさない。
チッ、まったくもって味(おいし)くないぜ。
《ハヤト、來るぞ!》
「シッ!!」
剎那、足元に積もっていた砂が意志を持って暴走。細かい砂礫(されき)が刃(ヤイバ)の群れとなって襲い掛かる。
「立ち起これ」
ハヤトは周囲に水の壁を展開すると、何とかその攻撃を防いだ。「水の壁(ウォーター・ウォール)」と呼ばれる技である。本來であれば複數人を囲むためのものだが、水魔法に慣れていないハヤトに出來るのは自分一人を守ることくらいだ。
《レディを守らなくていいのか?》
(俺なんかより、よっぽど安全だよ)
ハヤトが指した先にいたのは階層主(ボス)部屋の壁、高さ10mほどの位置を疾(・)走(・)しているシオリの姿だった。
(ほらな?)
ハヤトがそう言った瞬間、彼は壁を蹴った。
「斷(た)って。『雪影(ゆきかげ)』」
シオリが両の手で摑んだ日本刀が「サンドリキッドゴーレム」の真後ろから振り下ろされる。スパッ!!! と、見ていて気持ちの良いほどにぱっくりゴーレムが斷ち切られ、中の核まで破壊された。
“【颱(かぜ)の調べ】を排出(イジェクト)”
“【心眼】をインストールします”
“インストール完了”
その瞬間、ぞわりとした気配と共にモンスターの弱點が全て見えた。だが、その中に一つ、明らかにこちらに混ざっていないモンスターがいる。
「そこか」
ハヤトは目くらましのために「水の壁(ウォーター・ウォール)」を周囲に吹き飛ばすとその中に隠れる様にして地を蹴った。
「終わりだ」
階層主(ボス)部屋のり口。ハヤトたちの死角になる位置に隠れている。
『失意の絵描き《ドロウィング・シャドウ》』は己のを貫いた槍を見て驚愕。二、三度繰り返すようにしてハヤトと己のを見ると、黒い霧となって霧散した。
「流石ハヤト」
「どうも」
「殘黨狩り、がんばろ」
「あー。倒しても消えないんだ……」
『失意の絵描き《ドロウィング・シャドウ》』を倒したというのに召喚されたモンスターたちはやる気満々とばかりに高らかに吠えたかる。
「すぐだよ」
「まァ、そうだろうな」
二人は踴るようにして狩りへと向かった。
「……これ、なんぞ?」
「絵(えのぐ)?」
瓶にったオレンジのが『失意の絵描き《ドロウィング・シャドウ》』のドロップアイテムだった。
シオリはポーチにれているスマホを取り出しさっそく寫真を撮った。攻略本を持っているからと他の人間に調べさせるどっかの誰かとは大きな違いである。
「うーん。のってない」
「じゃ、新発見か」
「うん。帰って咲さんにみてもらうべき」
ハヤトはちらりと時間を確認。
まだかなり時間に余裕があるので25階層に挑むのも悪くない。
「俺は25階層に行くけど、シオリはどうする」
「ん。し殘る」
「そっか。何か用があるのか?」
「があるから」
「それは駄目です!!」
そうだった! コイツ俺のを手にれようと24階層(ここ)にいたんだった!
「ケチ。減るもんじゃない」
「減るの! 俺の社會的地位と將來が!」
「無いも同然」
「な、なんてことを! 俺には素敵なキャンパスライフを送るっていう素敵な夢があるんだぞ!?」
《あぁ、それマジだったんだ……》
記憶を見ていたヘキサがポツリと呟く。
本人が全然言わないものだから、冗談だと思っていたのだが。
「無理。ハヤトの格だと、友達も出來ずに終わる」
「へっ、良いもんね! 俺、友達一人いるもんね!」
「……! ハヤトに友達が!!」
「そんなに驚かれるとなんかショックだな……」
「騙されてない? 変なもの買わされてない? 大丈夫?」
「何で俺に友達出來ただけでそんなに心配されんの? おかしくない?」
「だって、ハヤトに近づいてくる人にまともな人は……私以外いない」
「ちょっと閊(つか)えたあたり、自分でもまともじゃないとは思ってるな」
「ハヤトは私と一緒に探索者やるのがお似合い。日本初の、前線攻略者(フロントランナー)夫婦。良い、響きでしょ」
「子供どうすんだよ」
「……考えてなかった。やっぱり今からを」
「待て待て、どうしてそうなる。とにかく、この部屋出て下に降りんぞ。次の探索者の邪魔になってるかもしれないからな」
もしかしたら、今も部屋の外でポージングしてるモンスターが居るかも知れないし。
「それも、そう」
今日は殺せ殺せ言わないだけかなり扱い易い。
ハヤトはどうにかしてを諦めさせられないかと考えながら25階層へと降りて行った。
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