《【書籍化】中卒探索者ですけど今更最強になったのでダンジョンをクリアしたいと思います!》第9-16話 起き上がる踏破者!
「よ、よし。よく分からんけど、押せ押せ! 量で押せ!!」
「「「「「「「「「「あいあいあいさー!!」」」」」」」」」」
うるせぇッ……!
何で分裂したのか、どうやって分裂したのかがさっぱり分からない『核の』だが、やはり數の力というのはすさまじい。圧倒的範囲攻撃で、“九尾”と天日(あまひ)を抑えにかかった。
「この程度で負けるとでもッ!」
天日(あまひ)は大きく吠えると、迎撃態勢。上から飛びかかってきた『核の』を叩き伏せると、左右から突貫してきた2に『彗星(ほうきぼし)』で撃力を返す。だが、さらに真後ろからのショルダータックルは避けれなかったようで、大きくバランスを崩した。
「「「「「今がチャンスだぁ!!!」」」」」
その瞬間、多勢に無勢と言わんばかりに『核の』が天日(あまひ)に飛びかかった。
あーもう、滅茶苦茶だよ……。
一方、“九尾”の方は天日(あまひ)のように接近戦を挑むようなことはしなかったらしい。空中に浮いて、『核の』に向かい呪を雨あられと降り注いでいた。賢い選択だと思うが、忘れていないだろうか。
『核の』は“覚醒”スキルも使えるということに。
「「「いっきますよぉ!!」」」
彼たちは腕をまっすぐばして手刀をつくると、“九尾”を真正面に捉えた。
「「「「「「“神に至るは我が剣なり《イグジティウム・デウス》”」」」」」」
その時、ハヤトは“覚醒”スキルによって世(・)界(・)が(・)歪(・)む(・)のを初めて見た。『核の』が発した同時多発的な“覚醒”によってが捻じ曲げられ、彼たちの姿が真っ暗に染まる。
そして、がそちらに引っ張られるような違和。
……いや、本當に引っ張られている!!
慌ててハヤトは地面に足を撃ち込むことによってそれを回避。彼たちの姿は相も変わらず見えない。が屈折しているのだ。
そして、瞬(まばた)きした瞬間“九尾”が々に砕け散った。
「えぇ……」
「「「「油斷大敵ですよ!」」」」
剎那、“覚醒”スキルで空中に移したばかりの『核の』がんだ。
「「「この程度で死ぬ相手とは思えません!」」」
確かに彼たちの言う通りだ。ハヤトが“九尾”の場所を探そうと周囲を探した瞬間、天日(あまひ)を取り押さえていた『核の』たちが一斉に燃え上がった。
「「「「「うわっ。あっちちちち!」」」」」
慌てて地面を転がる『核の』たち。何が起きたのかと思い、天日(あまひ)に視線をやると、彼の全が炎に包まれていた。だが、彼自が燃えているのではない。
「【神降ろし】……か」
それは、初代當主がたどり著いた“魔”祓いの極致。『星』では倒せず、相手の力でも倒せず。それでも祓わなければならない“魔”がいるときに、神(・)の力を借りる技。
「これ以上時間はかけられぬ。ここを通してもらうぞ、ハヤト」
ハヤトは神を降ろそうか一瞬悩んで卻下した。俺の技は欠陥品。あれだけ自壊を伴(ともな)う技を守りで使うべきじゃない。
「『核の(お前ら)』は全員、“九尾”に向かえ」
「「「「「「良いんですか?」」」」」」
未だにぷすぷすと煙をあげながら『核の』が尋ね返す。
何だよこいつらの耐久。生きてる次元が違うだろ。
「良い。神が降りたなら、分が悪いからな」
「「「「わっかりましたぁ! こっちはお任せあれ!!!」」」」
『核の』たちはそういって次々に戦線を離していく。あの炎は“魔”祓いの炎。人類に仇す『星蝕(ほしばみ)』の彼たちは近くにいるだけでHPを削られる神々の炎である。
「良いのか? お主が1人で私に勝てるとでも?」
「はッ。その“炎”があるんなら『核の(アイツら)』がどれだけ束になったって勝てないだろうに……。だから、俺だ」
近くに立っているだけでがビリビリと震える。全が天日(あまひ)を警戒している。
「押し通るぞ。ハヤト」
「やってみろ」
天日(あまひ)はその答えに笑うと、足を大きく後ろに下げた。そして、右手をまっすぐ降ろすと左手を後ろに引く。
「【神降】」
炎が燃え盛る。
「【星走り】」
ハヤトはそれと同時に手を前に突き出した。相手が狙う場所の推測。
一撃でこちらを戦闘不能にするなら、『彗星(ほうきぼし)』を撃ちづらい脊椎周辺。つまり、の中心部を狙ってくるだろうとの予測は的中した。
だが気が付けば、自分の左の腕が肩から吹き飛び自分のが宙に吹き飛んだ。
「……ッ!!」
《ハヤト、後ろッ!!》
ヘキサのぶような忠告。だが、振り返るような間も無く、高層ビルの強化ガラスに激突し貫通。オフィスを突き抜けてそのままさらに宙を舞う。もう一つのビルに激突し、ガラスを突き破り中のをぐちゃぐちゃにして、そしてコンクリートの柱に激突してがようやく止まった。
「…………むちゃ、くちゃだよ」
立ち上がろうと足に力をれる。うんともすんとも言わない。
「うご、け……ッ!」
立ち上がらないといけない! 俺は立たないといけないのだッ!!
が嫌に軽い。みると左腕がない。どこかに行ってしまったみたいだ。け止めきれなかった。撃ち返せなかった。
……クソ。
天日(あまひ)のとこに行かないと。だが、全が震えて起き上がれない。
立ち上がれない。
「うむ。よく飛んだな」
ハヤトが突き破ってきたガラスを破って天日(あまひ)が中にってきた。
「何の用だ」
「“天原”はしぶといからの」
「…………」
否定はしない。というか、出來ない。
「終わりだ、ハヤト。ここで“天原”を摘み取るのはいささか気が引けるが……。まあ、たかが日本の1族だ。消えたところですぐに代わりなぞ生まれる」
「…………」
が、かない。千切れた左腕からはが滝のように零れていく。
「さて、殘す言葉があるなら聞いてやる」
「…………っ!」
ハヤトはとっさにアイテムボックスを開いた。
この狀況を覆すような何か。この狀況を突破できるような何かを探して。
そして、ビリビリと震える右手でリンゴを手に取ろうとした瞬間、天日(あまひ)がその腕を蹴った。
バヅッツツンン!!
ハヤトはその瞬間、人のが千切れる音を聞いた。ハヤトのばした右手は肩から外れて宙を舞う。取ろうとしたリンが風圧でバラバラと地面に転がった。それと同時に中にっていた多くのアイテムが地面に転がる。
「……う、く…………」
「往生際が悪いぞ、ハヤト。男(おのこ)であるなら、潔く死ね」
「……………ち、がう」
天日(あまひ)は両腕を失って地面に倒れるハヤトを見降ろす。ハヤトは両腕からを流しながら、天日(あまひ)を見上げた。
「違う? お主は男だろう」
ガチリ、と音がする。
「……俺は、“探索者”だ…………」
「……?」
ガチリ、と音がする。
「……絶対に、諦めない……。絶対に……!」
「哀れよ。何が出來る? 腕が無く、を流し、地面に倒れるお主に何が出來る」
そして、ガチリと音がする。
「なんだ?」
先ほどからの異音に天日(あまひ)が首を傾げた瞬間――、
「『星走り』ッ!!!」
その橫っ面を、ハヤトの拳が毆り飛ばしたッ!!!
「バカなッ!?」
天日(あまひ)は先ほど自分がってきた隣の窓ガラスを突き破って地面に落ちていく最中、んだ。
「『すきる』か!!?」
それを見降ろしたハヤトは答える。
「ちげーよ」
アイテムの中から1つ零れた小さな歯車。
しかし、それは運命を変える歯車である。
宿主に寄生し、壊れたパーツを機械として代替する。治癒が出來ず、を治せず。しかし、宿主を絶対に死なせず戦士としてかし続けるそれはイギリスダンジョンの寶箱より産出した。
使えぬだろうと、アイテムボックスにれ放置し続けていたそれが今この瞬間にて輝く。
「『超(オーパーツ)』だ」
思わずハヤトは、それを自らに重ねて笑ってしまった。使えないと切り捨てたものが、窮地にて輝く。なるほど、なかなかどうして悪くない。
ガチリ、とハヤトの両腕から音が鳴る。それは機械の腕。無限の歯車にて作られた腕は、ハヤトの腕となる。ハヤトのとなりて、“魔”を祓う。
それの名を――――『グロスクロスの無限歯車』と言う。
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