《【完結】処刑された聖は死霊となって舞い戻る【書籍化】》スケルトン、なりたくない……
今日も今日とてスケルトンを倒して、進化條件レベル目前となった私は、悩んでいた。
(スケルトン、なりたくない……)
進化するにあたり、キツネビかスケルトンか、どちらに進化するか考えていた。
キツネビはF+でスケルトンがEなので、強さで言えばスケルトンに進化した方がいい。ほとんど姿の変わらないキツネビに対し、骨だけだけどが手にる。
しかし、何十ものスケルトンを倒すうちに、こうはなりたくない、という気持ちが湧いてきたのだ。
(だって気持ち悪いんだもん! それにじゃん。どころか骨じゃん!)
心の中でぶと、様々な姿をした骨たちが一斉にこっちを向いた……気がする。
スケルトンといえば、人間にとって嫌われ者だ。
夜な夜な外を徘徊し、意味もなく周囲を破壊する。しっかり骨を砕かないとすぐ起き上がるし、倒しても金になる素材はない。
なにより見た目が恐ろしい。その気になれば文字くらい書けそうだけど、街に近づいた段階で殺されて話なんて聞いてもらえない。
今も、薄暗い森の中をカタカタ音を鳴らしながらうろついている。目が空だからよく見ると怖い。
あばらから指先に至るまで、の一片もない。臓も當然ないので、向こう側がけて見える。
(うん、やだ!)
人型になって話せるようになるのが目標だけど、形だけ人になっても意味ないんだ。重が軽いくらいしか利點ないよ!?
だけでなく、合理的な理由もある。
スケルトンはきがもの凄く遅いから、今と比べて行がかなり制限されるのだ。
それはスケルトンの上位種であっても変わらない。武を持つスケルトンソルジャーや魔法を使うメイジスケルトンなどもいるけど、きはだいたい同じだ。話すこともできない。
(やっぱキツネビかなー)
キツネビの場合は、同じ霊魂の魔なはず。
アンデッド系には大きく分けると二種類あって、を持たない魔法生命の『死霊系』と、死がいたり質に取り憑いていたりする『憑依系』だ。
的に強いのは當然後者だけど、魔力が多く言葉を話す可能が高いのは前者の死霊系だ。憑依系も相當高位の魔になれば話す個もいるけど、ほとんどは話せない。
(話すのが目的なら死霊系の方がいいよね……魔力が増えれば魔法もたくさん使えるし)
うだうだ悩んでいたけれど、心は決まった。
私はオバケになる! 死は嫌だ!
(なんて捨て去るのだー。私、これからは死霊聖ちゃんとして生きていきます。もう死んでるけど)
というわけで、いつも通りスケルトンを倒してレベルが上がった。
『進化條件を達しました。必要素材が確認できません。種族名:キツネビへの進化でよろしいですか?』
(はい!)
『開始します……完了いたしました』
おお……。覚的にはあまり変わらないかな? 魔力は倍くらいになったと思う。
私はうきうきで窟に戻り、すっかりお世話になっている鏡代わりの水たまりを覗き込んだ。
(青くなってる!)
白い球、赤い火の玉ときて、青い火の玉になった。
大きさは一回り大きくなったくらいで、見た目は変わらない。人骨スケルトンの頭蓋骨より、し大きいくらいかな。
(どれどれ、スキルは……お、ファイアーボールだって。火の息より強そう!)
外に出て、スケルトン相手に試し打ちをしてみる。
魔力をしだけ消費して、目の前に赤く燃え上がる炎の球が出現した。中心に向かって渦巻く炎は、まっすぐスケルトンに飛んでいく。
私のとほぼ同じ大きさのそれは、飛んで逃げようとしたカラス骨スケルトンを撃ち抜いた。
なかなか威力高いね。発に若干時間がかかるけど、アンデッド以外にはホーリーレイよりダメージを與えられそうだ。
『進化系譜
進化先候補
ウィル・オ・ウィスプ(E) 進化條件 LV20
ゴースト(E) 進化條件 LV20 必要素材:魂×100』
ちなみに、次の進化系譜はこんなじ。
今度は最初から二つあるね。たぶん、必要素材が最初から溜まっているからだと思う。魂なら三百個くらい食べたし。
どっちに進化するかは置いておいて、まずはレベル上げだ。
(ふふ、魔力も増えたし、スケルトン全部倒そう)
見渡す限り、スケルトンはまだまだいる。
みんな私のレベルになってね!
蛇足です。
スケルトンになった場合は
スケルトンソルジャー(剣素材)メイジスケルトン(杖素材)スケルトンアーチャー(弓素材)に分岐したあと
スカルナイトやリッチなどに進化していきます。また、特殊條件でゾンビ系やミイラ系になることもあります。
唯一リッチ系統を進めていけば人語を話せる可能がありました。
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