《【書籍版・講談社ラノベ文庫様より8/2発売】いつも馬鹿にしてくるモデルの元カノも後輩も推しのメイドも全部絶縁して好き放題生きる事にしたら、何故かみんな俺のことが好きだったようだ。》2日目 その4
「それじゃあ、マネージャーさんが近くまで迎えに來てくれてるみたいだから、私は一旦抜けるね」
「確か2、3時間くらいだったよな? そのくらいの時間に、分かりやすそうな場所で待ってる」
「うん、ありがとう。また連絡するね!」
そう言って、淺川は地図アプリを見ながら小走りで去っていく。
千本鳥居におもかる石。
その後も伏見稲荷大社を心ゆくまで楽しんだ俺たちは第一鳥居、つまりり口のあたりまで戻ってきていた。
時間も16時45分と、無事彼の待ち合わせに間に合っている。
「さて」
小さくなっていく淺川の背中を見ながら、片山が口を開く。
「この後はどうすっかなぁ〜」
大きくびる彼に釣られて、俺も肩をばす。
願いが葉うかもしれないという喜びのおかげか、片山の機嫌はおもかる石以降ずっと良い。
それもそのはず。
彼にとって、この後の時間はいわば「本番」。
神さまか何かは分からないが、第三者にお墨付きを貰えたらそれは嬉しいだろう。
ひしひしとやる気がじられるが、彼はどうだろう。
「そうですね。どうしましょうか」
辺りを見回しながら同調する巖城さん。
彼も片山ほど分かりやすくはないが、中々に気分が良さそうだ。
だが、本人がどんな願いをめているのかは見當もつかない。
「この後の予定のこと、全然話してなかったもんなぁ」
顎に手を當てて唸る片山。
地元ならともかく、見知らぬ土地で時間を潰すというのはなかなかハードルが高い気がする。
……が、俺は理解していた。片山がこの後の予定をすっかり組み立てていることを。
そして、自分のすべきことも。
明日で修學旅行は終わり、再び學生は日常へ戻ってしまう。
そうすれば、今は親しげに話せている二人の距離が、再び遠くなるかもしれない。
この狀況で彼らを二人きりにし、修學旅行の魔法が解けても崩れない仲にすること。
それこそが俺の仕事である。
そのために布石も打っておいたしな。
「そういえば、相棒は行きたいところがあるんだったよな?」
俺の視線に気付いた片山が自然に、的確にパスを出してくる。
「そうそう。アメコミのフィギュアを見に行こうと思ってるんだけど、二人で大丈夫?」
「おう!まかせろ!」
もちろん片山の答えは分かりきっているが、巖城さんは果たして了承してくれるのか。
「大丈夫です。気を付けて行ってきてくださいね」
心配はいらなかったようだ。彼もなんなくけれてくれた。
これで安心だと、二人に背中を向ける。
「それじゃあ、7時過ぎには戻ってくるつもりだから、よろしく」
右手を上げて、別れの挨拶をする。
そして、迷わないようにマップを確認しながら、俺は歩き出した。
今日俺にできることは全てやりきったはずだ。
後は片山が、巖城さんをエスコートしてくれるだろう。
不安がないといえば噓になるが、きっと良い結果が待っている。
遠ざかっていく二つの足音を聞きながら、空を見上げた。
「さて、これから何をしよう……」
小説のような退場を演出したのも束の間。
無事に見覚えのある場所まで帰ってこれたものの、一向に今後の予定が浮かんでこない。
せめて後2時間あれば、俺の大好きな「パープル・ハムスター」のフィギュアを見に行けたというのに…。
「ま、そんなこと考えてもしょうがないな。適當に散歩して、お灑落なカフェでも探すか」
土地勘はないとはいえ、お灑落なカフェがある場所は全國共通だろう。
ということで、ここからは宮本先生による、お灑落なカフェの探し方講座、開演である。
まず、大通りに出て、30mくらい歩く。
今回探すのは、落ち著ける隠れ家的なカフェだ。
こういうのは、基本的に大通りにあると落ち著かないし、かといって栄えているエリアから遠すぎると隠れ家過ぎてしまう。
なので、最初は大通りを歩くのだ。
「それにしても、街並みが落ち著いてるな」
若者に人気のカフェからコンビニまで、多くの建が景観に溶け込むようなデザインになっている。
見れば、高校生もちらほら歩いているようだ。
きっと、この辺りの高校に通っているんだろう。
京都の高校生……雅だな。
「あれ? 優太君?」
危うく反応してしまうところだった。
妙に聞き覚えのある聲が耳に屆いたが、殘念ながら俺に京都出の知り合いはいない。
こういう風な、間違えて反応しちゃった時って凄まじく気まずいんだよな。
後方が何やら騒がしいが、俺はカフェ探しに戻ろう。
大通りをしばし歩いたら、「この先何もなくない?」ってじの路地を見つける。
「お、ここいいじだな」
ちょっと高そうな料亭の角を曲がったところに、一直線にびる道。
一見すると何も無さそうな気がするだろう?
だが、こういう場所にこそ、知る人ぞ知る店があるのだ。
あくまで隠れ家「的」だから、休日は流石に若者で溢れるだろうが、今日は平日。
ゆったりとくつろいで、合流時間を待と――。
「おーい、優太君!」
聞くもの全てを癒すような可憐さの中に、微かに驚きを孕んだ聲が再び。
だが、やはり呼ばれたのは俺ではないだろう。
それこそ俺を名前で呼ぶ人間なんて、片手で數えるほどしか存在しないしな。
その數ない人間が、遠く離れた京都にいるわけもないので、恐らくはゆうた君違いだ。
「ねぇ、優太君!」
それでもなお呼びかけは続く。
どんな字のゆうたかは知らないが、こんなに可い聲で呼ばれているんだから早く返事をしてやればいいのに。
失禮なゆうたを見つけ出してやろうと曲がり角で立ち止まり、振り向いた視界にってきたのは――。
「優太君! 奇遇だね!」
……聲だけじゃない。
妙に見覚えのある、青い髪のの子だった。
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