《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》43 ネイジアの長老とバラトニアの國王
ネイジア國民は迅速を貴ぶのか、今朝陛下の元にネイジアの代表が訪ねてきたら私を呼んでもらうように頼んでおいたら、晝過ぎにさっそくやって來た。
私と陛下、そしてアグリア殿下、ガーシュを知っているメリッサとグェンナが立ち合い、向こうはリュートを売っていた長老と呼ばれていたネイジアの代表者と、ガーシュの2人だった。
養蠶の絹に関する染料の最有力の植の植生と、その管理に関する書類の下に、バラトニアとネイジアの同盟書類があった。
「……ふむ。そちらが我々の影となって報の収集、及び、有事の際に手を下す、または、報戦、諜報を行う。こちらはネイジアという國を表向きは屬國として扱い庇護に置く。ただし稅の取り立て等はせず、あくまで対等な同盟國であることが本質。……アグリア、異議はあるか?」
「ありません」
陛下が読み上げた書類の容に、アグリア殿下は一切の迷い無く答えた。
長老とガーシュは、何かを促すように陛下を見詰めている。
「……ふぅ、これは條約として記さねばならぬのか?」
「ネイジアも、まぁ、我が大事ではあるんで」
答えたのは長老ではなくガーシュだった。多お行儀よくはしていても、あくまでも対等の態度を崩さない。
「……最優先命令者はクレアとし、バラトニアがネイジアを裏切った場合クレアを使った報復を為す。ネイジアがバラトニアを裏切った場合は?」
「それこそ、戦力に任せて攻め込んでくれたらいい。道はこの國としか繋がっていないし、一族郎黨殺すのは容易い程度しか國民はいないんだ。実働部隊といっても、數に勝る暴力は無い」
お互いに、賭けるものは命だ。それにしたって、ネイジアの國民全員と私一人の命を天秤にかけていいものだろうか。いえ、仕方ないのはわかる。ネイジアは大量殺人ができるわけではない、あくまでも王城にでも忍び込めて、要人を殺す事ができる。陛下でも殿下でもなく私なのは、……客観的に見て、私が今この國で一番國の発展の役に立っているからだ。
陛下は暫く考えてから、私に向き直った。
「クレア。貴殿はそれで構わないか?」
「はい、私も覚悟はできております。今は、一刻も早くネイジアと手を組むべきかと」
そう、急がなければいけないのだ。フェイトナム帝國との戦爭はもう一年以上前。和平條約があり、私がここにいるからフェイトナム帝國とバラトニア王國が戦爭を起こす事はない。
しかし、他國は違う。フェイトナム帝國から、バラトニア王國を挾んで反対側には大國も連合國もある。バラトニア王國は穀倉地帯、さらには紙が普及し、易も盛んで漁業もやっている。そのうえ、ネイジアの特産品である絹の技まで手にれた。
味しすぎるのだ。うっかり自國のことばかりに目を向けていたけれど、いつ脇腹を刺されてもおかしくない程、バラトニアは恵まれた國だ。
今迄は宗主國としてフェイトナム帝國が名前だけでも盾になっていたが、今はそれはない。
そして、ネイジアにとってもその盾は無くなった。今度はバラトニア王國がネイジア國を守る盾にならなければいけない番だ。そのかわり、ネイジア國はバラトニアに『報』という得難いものを差し出してくれる。
陛下は、アグリア殿下と私に了解を取った。この同盟は私たちの代も、その後の代もずっと引き継がれる約定になるだろう。
私が今は生贄だが、形を変えて時代を超えて、約定は一部改訂されながら、まさに一心同の同盟國として手を取り合う。
バラトニア王國は屬國としてすごした年月が長いが、ネイジア國はどの國の下にもった事がない。その代わり、あらゆる國の報を握っている。まるで細い糸を全ての國に張り巡らせるように。
陛下は考え抜いた末に書面にサインをした。2枚、お互いの國で保管すべき書類にサインをし、長老もまたサインを2枚に記した。
その瞬間、長老とガーシュは椅子から降りて膝と片手の拳を突き、頭を垂れた。
國の代表が頭を垂れる……つまり、いつでも首を斬ってくれても構わないと、しかし、そうすることで信じているということを姿勢をもって示したことになる。
「これより、ネイジア國はバラトニア王國の影として、各國の報を貴國に供し、必要な働きをする事を誓います。バラトニア王國におかれましては、ネイジア國の庇護を対価としていただく事を確認しました。今後、我らはバラトニア王國の影となります。があり、を浴びてこそ影がある。そのために、力を盡くす事をネイジア國民一同の命を賭けて誓います」
「長老殿、そして、ガーシュ殿、頭を上げてください。その誓約で充分です。我らに足りないものは報、そして広い視野。影は長くび広く広がるもの。影なくして生きている者はおりませぬ。ここに結ばれたのは同盟です。どうか、頭を上げて、手を取っていただきたい」
陛下は立ち上がると両手を差し出した。長老とガーシュは陛下の言葉を味してから立ち上がり、長老が手を取る。
ここに、同盟が立した。他國にバレてはいけない、だが、ネイジアを狙われる事になったら、バラトニアは盾となる。
目頭が熱くなった。私は本當に、知識ばかりの頭でっかちな、淑教育の敗北と言われただが、今ここに結ばれた同盟は、歴史として紙に記さなければならない。
永遠にお互いが裏切る事がないように。
「じゃあ、その、同盟が結ばれたってことで……俺はこういう喋り方しかできないんで、勘弁してもらうということで。さっそく報の提供をさせてもらいます」
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