《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》50 バラトニア國王陛下よりの贈り
「結婚契約書ができあがったんですか?!」
総務部の執務室に、としての支度の隙間をって報告をけた私が飛び込むと、バルク卿は目を丸くしてから、口元に手をあててくつくつと笑った。
ここ數日、毎日のような念なおと髪、そしてマッサージのおでたぶんかなりスッキリつやつやに磨かれているはずだけれど、そんなに変かしら? と自分の姿をまじまじと確認してしまった。
「あぁ、いえ、おしくなられましたねクレア様。私が笑ったのは、あんまりにも貴らしい第一聲だからですよ」
「あ、あはは……お久しぶりです、バルク卿。そ、それで……証書は、どのような?」
「ふふ、アグリア殿下は先に確認していかれました。彼の方は彼の方でお忙しい……、容は問題無いだろうと。他にクレアが要があるようだったらそのまま通してくれ、という事でした」
そう言って一枚の紙を手渡された。
製紙工房の中で作られている紙の中でも最上等のものだ。保存が利き、風化が遅く、環境の変化に強い。自然と厚さも出るのだが、厚紙という程の分厚さでもない。
手りもいい。そして、しい裝飾に細かな文字で結婚契約書にはこのようなことがかかれていた。
『結婚契約書
この契約に基づき、下記に署名した二人を夫婦として認める。
立會人として王族、または責正爵の署名を最下段に記載する。
契約によって、遵守すべき事柄は3つ。
お互いをし慈しむこと。
お互いを支え助け合うこと。
お互いに信じあうこと。
以上三つの項目を満たせない場合、別途結婚契約を破棄する書類に署名し提出すること。
その際、王族、または責正爵による調停をけること。
また、徒らに責正爵をわす発言をじ、真実のみを述べること。
日付 署名欄』
簡易な書類だった。けれど、これでいい。
私はバラトニアの夫婦の形を変えたいわけではない。ちょっと手間を挾むけれど、これでより、結婚というものが強い契約にもなるし、結婚したからと言って耳目を気にして離婚できない、という事態も防げる。
この三つを遵守できないようでは、きっと夫婦としてやっていく事は無理だろう。
貴族の政略結婚だとしても、奔放に人を作って回るような人間はやはり白い目で見られている。
政略結婚にはもちろん別に契約書類があるわけだが、その點も責正爵の持つ証書であり整備した法案に細かく記載してある。
一番優先されるべきことはこの三つだ。……それでも、貴族の中にはどうしてもお金が必要で、だとか、発言力がしくて、という理由で真に好きな人と結ばれない人もいるだろう。
だから、浮気をずるとは書かなかった。お互いに話し合い、納得し、信頼して生活していけるのならば、それはもう他人がとやかく言う事ではないのだ。
容についていろいろと考えを巡らせ、改めて遵守すべき項目をしっかりと考えて、私はこれでいい、と言おうとしてふと気づいた。
もう、日付の欄に數字がっている。
「これ、何故もう日付がっているの?」
「陛下からの贈りです。――その日を、國民の祭日にするそうですよ」
「えぇ?!」
結婚式だけでも相當派手なことになるのは、私を気合をれて仕上げているあたりでもお察しだったのに、まさか祭日にするとは……。
「今までは平民は収穫祭だとか、漁祭だとかしかお祭りがありませんでしたから。あらたな制度と共に、新たな楽しみも、という事らしいです」
「そう、そうね……國民にとってはいきなり新しい法で生活が変わってしまうわけだし、楽しみも必要ね」
「はい。なので、おけ取りください」
「……すごく嫌な予がするのだけれど、その祭日の名前は何と決まったの?」
私がはっと気づいて尋ねると、バルク卿はまたし楽し気に首を傾げた。
「聞いても後悔なさいませんか? 変更はできない事ですので」
「どうしても嫌だったら、陛下に頭を下げにいくわ」
「……まぁ、そんなに嫌な名前ではありません。きっと気にると思いますよ。――約束の祭日、です」
「約束の祭日……」
バルク卿は目を伏せて深く頷いた。
「この結婚は、獨立戦爭を終え、和平協定から始まった結婚です。貴はその結婚を、契約という約束の形にし、さらにはあらたな制度を作り、他にもネイジアや極冬という國との繋がりも深めた。その全てを籠めて、そして、國民の誰もが知っている言葉で……約束の祭日、と」
彼の言葉に、私は目頭が熱くなった。こんなに涙もろい人間だと自分の事は思わなかったが、結婚まで、確かにいろんなことがあった。私が嫁いできたのはつい最近のようで、それでも昔のような気もして。
「素敵ね。その日は、もちろん、ネイジア國の人も、極冬の人も、皆関係なくお祭りに參加できるのよね?」
「もちろんです。あなたが繋いだ縁ですからね」
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