《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》91 ウォーグ卿
「では、皆さんを滯在いただくお部屋に案させていただきます」
謁見が終わり、國王とビアンカが先に私設部分に落ち著いた後、そう聲を掛けてきたのはお土産の品を渡した、國王よりは年嵩だが整った顔立ちの若い男だった。
「申し遅れました。バラトニア王國王太子殿下、王太子妃殿下。本日より國の案を務めるよう仰せつかっております。ウェグレイン王國の公爵位を戴いている、トレイン・ウォーグと申します」
微笑を浮かべたまま、右手を腹に添えて深く頭を下げる丁寧な禮をする。
金髪のウェーブがかった髪をお灑落に半分だけ後ろに流していて、引き締まった軀で背も高い。自分たちより年嵩なのは見ればわかるが、大バルク卿と同じ位の年齢だろう。
國王よりもよっぽど客人の扱いを分かっている。この人は、たぶん宗教にそこまで執心していない。挨拶や仕草、表から伺えるのは、政治的な求だ。
これはこれで癖が強いのをじるが、表向きは下手に出てくれている。社としてもやりやすいのは、こういった態度だ。
「ありがとう、ウォーグ卿。しかし、王妃殿下の事は驚きました。隣國ながら、いつの間に輿れされたのでしょう? 祝いそびれてしまいました」
「えぇ、私も姉が嫁ぐという話は聞いていなかったので……再會して驚きましたわ。まさか、ウェグレイン王國の王妃殿下になられているとは。姉とはいえ、気軽には話しかけられませんわね」
アグリア様と私の言葉に、かかと笑ってウォーグ卿は応えた。
「この國はリーナ教を信じている者が多い……國教としておりますので、國民全てがリーナ教の信者といって間違いありません。もちろんこの私もです。そのリーナ教の総本山であるフェイトナム帝國からの輿れとなれば、大々的に迎えれ三日三晩の祭になることでしょう。ですが、そうなりますとそれ相応の準備も必要になります。國を挙げての行事となるでしょうからね。なので、今は上位貴族と教皇のみが知っております。教皇は既に、結婚誓約書を認めて教會に納めましたので、ちゃんと國王陛下と王妃様ですよ。いずれ盛大に披宴を行う予定ではありますので、その際はまたお招きさせていただければと思います」
淀みない言葉に噓はなさそうだが、卻ってそんな日は來ない、と言われているような気持ちにさせられる。
公爵という位にある人が私たちの案を務める、ということで先程の無禮な謁見とのバランスを取っているせいかしら、とも考えたが、案されている最中考えていてもどうにもピンとこない。
もっと違う何かが、私の思考にモヤをかけているようで、すっきりしない。
明確な日付は言わず、同じリーナ教の総本山から他國に嫁いだ私に対して、ビアンカ程の敬意を払われていないせいだと気付いたのは、王宮の二階にある來賓用の部屋に案された後だった。
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