《【書籍発売中】【完結】生贄第二皇の困〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜》94 しかして、策謀は巡り
私の引き籠り作戦は、開始から3回目の夜を迎えようとしている。
明日にはいよいよ儀式の日で、今の所作戦はうまくいっている。
――ガーシュがどうして各國の要人に取りることができるのかは謎のままだが、うまくウォーグ卿の部下に収まり用聞きとして私に與えられた部屋の控えの間にいる。
アグリア様は別の部屋を與えられていたが、妻が臥せっているのに、と言って同じ部屋で寢泊まりしてくれていた。
もとより寢臺は広いが、簡易ベッドが運び込まれ、そこで眠ってくれている。私が寢ている晝の間は起きていて、私が起きている夕方から夜まで仮眠をとり、その間はメリッサとグェンナが代で側についていてくれている。
カーテンも、晝の日差しが厳しいからと遮の高いものに変えてもらった。
イーリャンが手にれてくる資料……経典と、何をどうやったのかこれまでの『生贄の儀式』の記録まで……を夜に油皿を傍らに私は読みつくした。
いよいよ今日がその日にあたる。儀式は常に夜中に行われるが、肝心の『どこで』が書いてない。
私は殆ど一人になっていないし、王宮に籠り切り。常に誰かが側についている狀態だ。
今の所私を無理やり外に呼び出そうという人間はいない。それが、卻って恐ろしかった。
(ちゃんと、合ってるのかしら……、私に何か見落としはない……?)
病に臥せっている、ということにしても、ちゃんと粥は食べているし、水分も摂っている。
さすがにガーシュも「ウェグレイン王國は依頼がなかった」と言っていただけあって、この王宮の青寫真までは持っていなかったようだ。今から手にれるのも難しい、と首を橫に振っていたので、最早これは、仕方がなかったと言える。
私が全くの一人になるタイミングというのは……お手洗いの中だけ。
用を足して水を流し、手を洗う水桶に手をれ、手を拭いたところで、床が抜けた。
「え……」
足元がいきなり宙に浮く、というのは驚くには十分で、聲を出すにはあまりに短い。
今は夕方に差し掛かる所で、部屋の中にはアグリア様がまだ起きてまっていてくれていて、確かメリッサもいたはずだった。グェンナは、私の夕飯を作りに廚房に向っている。
フェイトナム帝國の王宮も、バラトニア王國の王宮も、古い建というのはされた通路や抜け道、出口、その他にも仕掛けが様々あるものではあるが、まさか、と思った。
最初から全く、何も役になどたたなかった。部屋に案された時點で、カーテンまで遮の高いものに替え、誰かが常に側にいたとしても、このタイミングだけはどうにかなるものではない。
(最低……!)
と、私は宙に浮いた一瞬の間に考えると、そのままらかな石のり臺を白くゆったりとした寢間著姿のままり落ちていった。
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