《サモナーさんが行く》1317 蛇足の蛇足26 迷走する瞑想
私の名は護鬼。
そう、護鬼。
主殿によれば後ろの鬼と書いて後鬼でもいいそうだ。
ゴキ。
G・・・いや、何でもない。
私の種族は羅。
年にもにも見える外見。
どっちなのかって?
気にするな。
私は別をも超えた存在なのだ。
それに仲間には私と同様、男なのかなのか分からない連中もいる。
例えばビアンカとバイヨネット、要するに天使達だな。
ドラゴン達もどうやら別はないようだし。
別段、特別なことじゃない。
ただビアンカは言から的に思えるのだが・・・
男でもああいった奴はいる。
大、主殿の配下で男の差など些末な事だ。
テロメア達が正妻がどうのこうのとめている理由が分からん。
私の姿は阿修羅と同じだが額の中央に第三の眼がある。
違いはそれだけだ。
霊格はまるで違うけどな。
それに本來の姿はまた別だ。
三面六臂。
頭部に三つの顔、そして六つの腕。
これも阿修羅と同じだが羅の証である第三の眼は當然ある。
格は最大で左隣にいる神將の鞍馬をも超えることが可能。
狀況に応じて格は自在に変えられる。
概ね、前衛に出る際は大きめで。
後衛から支援に徹する際は小さめ、弓矢を扱うのに適した大きさに。
使用する得は様々で弓矢に斧、剣に刀、棒や盾。
お気にりの得はレーヴァテイン。
様々な武に変化するから持ち替え要らずで便利この上ない。
切り札は流転相。
三面六臂の姿では普段、真ん中の顔は笑みを浮かべているのだが・・・
右の顔は憤怒。
左の顔は瞑想。
左右の表が真ん中の顔とれ替わると格が一変する。
憤怒の顔だと筋力と力が向上するから前衛戦闘に向く。
瞑想の顔だと知力と神力が向上するから後衛戦闘に向く。
普段の笑みのままだとどうかって?
複數の相手をする時に便利だ。
・・・そこ、用貧乏とか言うな!
鞍馬、お前だお前!
目を逸らすな!
私の右隣にいるのは戦鬼。
前の鬼と書いて前鬼でもいいらしい。
主殿は名付けの時點から私と戦鬼をセットで使役するつもりだった訳だ。
名はを表すとはよくも言った!
種族はオーガロード。
私が格を最大にしてもこいつには及ばない。
筋量に至っては呆れるしかない。
今はオリハルコン球をお手玉にして無邪気に遊んでいる。
これが暴れ出したらもう大変だ。
主殿やヴォルフ団長でも抑えるのに手こずる程なのだ。
無論、私も同様なのだが・・・
何故か私は戦鬼の相方として抑制役を任されているようである。
・・・こいつを抑制?
いや、私は常日頃から戦鬼をけしかけてばかりいる。
主殿もヴォルフ団長にも理解してしい。
狂気にも似た暴力の嵐は早めに過ぎ去らせた方がいいのだ。
面白がってるだけ?
こら、鞍馬。
お前って生真面目なだけじゃないのな。
そういうツッコミは止しなさい。
いや、痛いところを衝くのは止しなさい。
それに戦鬼も主殿のお楽しみを邪魔するようなことはしない。
理的な所など皆無にしか思えないが何故か邪魔しない。
いや、邪魔したがらない?
どうも主殿の恐ろしさはでじているようなのだ。
とてもそう見えないが多分そうだ。
・・・まあ長く主殿と共に戦っていたら誰でも気付くか。
誰よりも恐ろしいのは主殿なのだ。
私にも異論はない。
だがそんな主殿を上回る実力者はゴロゴロといる。
現に今、対戦している魔神がそうだ。
塔の上にいる名前持ちのドラゴン達もそう。
デスカーディナルに至っては主殿はまともに戦えない有様。
そして英霊達。
特に主殿は剣豪の英霊を相手に戦うのを至上の喜びとしているようだ。
そう。
主殿にとってより強くなり続けることが重要。
上位の実力者相手に挑むのが重要。
凡戦には意味がないのだ。
そういう意味で主殿は恵まれているのだろう。
もう一人の主殿とも言える方がおられる。
次に魔神に挑むべくを繰り返していた。
だがその視線は対戦から逸れることはなかった。
主殿とこの方も毎日のように対戦を繰り返している。
お二方ともその勝敗に一喜一憂、真剣に取り組んでいた。
上位者との対戦以上に重要なのだと思える。
・・・
互いに切磋琢磨するのだって悪くない。
そうも思えるが他人事ではないのだ。
最後の最後に対戦場に捧げられるのは魔結晶。
又は魔結晶に匹敵するかそれ以上のアイテム。
対戦の締め括りはいつも大軍団相手の集団戦だ。
當然のように英霊召喚も使われる。
多くは剣豪降臨であり、余った時間は剣豪の英霊相手に対戦になる。
主殿お二方だけではない。
私や鞍馬も參加するのが通例となっていた。
最近ではテロメアや赤星、ヘイフリックなども參加することもある。
・・・
いや、ヘイフリックはテロメアに強制參加させられていたかな?
大抵は酷い目に遭っているようだが・・・
まあアイツにはいい経験になるだろう。
では瞑想に戻ろう。
魔神と主殿の対戦を観戦していてもいいが今は瞑想だ。
観客席ではあるが結跏趺坐。
膝の上に羅刀を乗せたまま印を組む。
今までの剣豪の英霊との対戦を思え。
工夫しても尚、対戦結果は思わしくなかった。
六本の手に得を持ち六刀流で挑んでも同じだ。
攻撃は全て捌かれて反撃すら喰らう有様。
相手によってはこちらの攻撃など意に介さぬ様子で撃ち込んでくる。
特に男谷信友様が印象的だった。
遊ばれているように思えたりもしたが、違う。
指導されていたのだ!
稽古とはこういったものなのだと思う。
逆に稽古にすらならなかったのは島津義弘様や本多重次様かな?
・・・死ぬかと思った。
木剣や木刀が役に立たなかった。
羅刀や金剛杵、降魔剣まで持ち出す羽目になっていた。
私は幸運にも主殿と相対してその狂気を相手に戦うことはない。
もしあるとしたらこういうものなのだろう。
そういう貴重な経験だったが本音を言えば遠慮したい。
相手次第だ。
今日は果たしてどんな相手になるのか?
・・・分からない。
分からないが今回、工夫は敢えてしない。
本來の姿ではなく、小さな今の姿のままに挑んでみようと思う。
いっそその方がいい。
ただ一つの剣を手にして戦ってみたい。
それでも迷いは生じる。
六刀流が通じないとはいかにも無念だ。
・・・
いかん、いかんぞ!
迷いを脳裏から消し去るには瞑想あるのみ。
両目を閉じて、瞑想。
多分、左隣にいる鞍馬も瞑想している。
あるがままに。
ただ、主殿のむままに。
それが私の存在する理由。
そんな考えもまた、瞑想のうちに脳裏から消えてゆく。
無念無想。
そして私の存在は空となり意識は世界へと同化していった。
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