《サモナーさんが行く》1320 蛇足の蛇足29 浜辺の大將

よっす!

オイラはテイラー。

名前の意味は紳士服の仕立屋だってよ!

そんなの作ったことなんてないけどな!

そして種族はジュエルキャンサー。

・・・まあカニだな。

カニって味いよね!

最近、ドラゴン達がオイラを見る目が何かおかしいんだぜ?

・・・おっかねえよ!

ただそのドラゴン達も何故かオイラには一目置いているらしいよ?

まあその理由もアレなんだけどね!

海魔の島にある遠淺の浜辺はオイラの天下だ。

いや、獨壇場?

狩り場・・・いや、漁場か。

オイラの能力の一つに発がある。

の數十箇所からを放ち點滅させると?

を呼び寄せてしまう訳だ。

神魔蜂王のク-チュリエの引でも同じことは出來る。

まあやり過ぎたら酷いことになるけどな・・・

マスターは気にしてない。

それどころか大いに褒めて下さる。

だからヴォルフ団長も褒めて下さる。

仲間もそんなに気にしてない。

つまり、問題ない。

別に海魔の島でばかりやらなくてもいいんだけどよ!

ここで発を使うのはもう恒例行事?

何しろ呼び寄せられる魔がもうね、海鮮素材。

そう、シャコやらウニやら貝やらでね・・・

・・・

オイラはカニだよ?

下手すりゃ海鮮素材だよ?

だから毎回、おっかない目で見られてる訳だ!

同時に大量の海鮮素材を確保している功労者として尊敬されてる。

分かってんだけどよぉ・・・

こちとら微妙な心境なんだよなぁ・・・

そして今もオイラは魔共の死の山の上にいる。

まあこれも恒例行事みたいなもんだ。

本日も大漁!

の死は延々と殘らない。

いずれ自然消滅する運命なんだけどな!

何、心配していない。

すぐに胃袋の中に消えるしよ!

さあ、ドラゴン共、喰いたいか?

喰いたいだろ?

でももうし待ってくれ!

オイラの勇姿を目に焼き付けてくれよ!

どうだいこの鋏?

立派なもんだろ?

・・・

オイラは浜辺で見ている景は何か?

・・・狂騒?

多分そんなじなんだけどよ。

落ち著いた様子なのはプリプレグの背中にいる最長老様と黃晶竜だけ。

他のドラゴン達は食事に夢中。

・・・いや、おかしいぞ?

何かおかしい。

とある元始蜃帝の死を前に佇むドラゴン達がいる。

しかもその面々がおっかねえ。

紫晶竜様、水晶竜様、翠玉竜様。

それに雲母竜殿に琥珀竜殿か。

今日は雲母竜殿の喧嘩相手、金紅竜様はいない。

琥珀竜殿の喧嘩相手の柘榴竜様と黒曜竜様もいない。

今日は比較的、平穏無事に済むかと思ったんだがよぉ・・・

これって一即発?

大喧嘩になっておかしくない雰囲気だ!

いや、誰もこうとしないな・・・

何やってんだ?

ペプチド、お前は知ってるって?

え?

勝負してる?

、何を?

・・・最初に食い付いたら負け?

元始蜃帝の貝柱は炙られているみたいだし食べ頃だと思うんだけどよ。

それに時間が経過し過ぎたら消えちまうんだけどな?

・・・だから、勝負?

消えたら惜しい、そう思うからこそギリギリの勝負になる?

へー・・・

元始蜃帝の死が消えたら消えたでめないか?

いや、ちょっと待て。

アレ、ヤバくないか?

ラルゴが來た。

このドラゴンは仲間の中でも空気を読まない筆頭格。

そして食いしん坊でもある。

要するに問題児だ。

・・・あ、この後の展開が読めた。

読めちゃった。

これってヤバいんじゃ・・・

あ、ペプチドがプリプレグの元にダッシュしてる。

最長老様を呼んでくるって?

頼む。

心の底から頼む!

・・・

ラルゴが名前持ちドラゴン達の前で悠々と食事を楽しんでいた。

周囲の空気が焼け付くようにじるが気のせいか?

こいつは単に鈍であるのか?

相當な大なのか?

ただのバカ?

いや、もうどうでもいい。

最長老様が來た。

仲裁はどうにかなるだろう。

待て。

ちょっと!

最長老様まで食べ始めた!

同時に名前持ちドラゴン達が元始蜃帝の貝柱に殺到する!

これって勝負はどうなるんだ?

・・・まあ勝者なしが妥當か・・・

ペプチドが平和だなって呟いていた。

そうか、これが平和か。

オイラには平和って何なのか、分かんなくなったけどよ!

まあ、いいや。

爭いがなく収まるんならどうでもいいし。

ナイアスの姉貴が不在の場合、海魔の島の責任者は序列順になる。

今日はオイラだった。

せめて船岡の旦那がいてくれたら・・・

そう思わなくもないが仕方ない。

こんな狀況でも仕切らないといけないのが最近の悩みだ。

だってさ、この面々だぜ?

名前持ちのドラゴン達は何故かナイアスの姉貴を怖がってる。

理由は分からないけどよ!

そこは深く追求したらいけないと思うよ?

本當にな!

オイラはテイラー。

浜辺の大將と呼ばれることもある。

皆も海魔の島の浜辺へ遊びに來てしい。

ここは楽しいよ?

食い味いくて最高だってお墨付きだ。

ゆっくりしてってしい。

たまに派手な喧嘩もあって退屈しないしよ!

サモナーさんが行くⅥ、9月25日発売です。

間が空きましたが宜しくお願いします。

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