《[完結しました!] 僕は、お父さんだから(書籍名:伝子コンプレックス)》[2-25]剛毅
はぁと、糸を引くような吐息を黒條百合華はこぼした。
彼の目の前には、布津野が二人のしい年の間に立っている。
恍惚耽の極み、これほどの景は他にあって? これが私の今後の人生における原風景となったとしても何の不思議などあるはずがない。
百合華は両手で肩を抱いて、下腹から駆け上る蠢をこらえるように太ももを寄せて背筋を固くした。の鼓が溢れて出して苦しいほどよ。堪(たま)らない。
目の前の景は、まるで聖堂の正面壁に描かれた宗教畫のようだ。
二人のしい人形が座り込み、その間に布津野の兄様がまるで神のように立っている。人形のガラス玉のような赤い瞳には、が溢れていた。恐れ多くもそれに題せば『神が與えたもう(しれん)』と言ったところかしら。
至高の蕓だ。
周囲を取り囲む有象無象も皆、兄様を見ていた。ある者は口を開けたまま、ある者は目を見開き、ある者はを震わせながら、兄様を見ていた。
百合華は全を這い上がっていく快を追いかけるように、指を自分のから首筋になぞり上げてをでた。あぁ、このまま果ててしまいそう。
バンッ と向こう扉が開いて絵畫がき出した。
「旦那! 無事か!?」
飛びってきたのは、品のない戦闘服をにまとった大柄な男。蕓の鑑賞中に音をがなり立てるとは何たる無粋。
百合華は片方の眉を弓なりに引き上げて、眉間にシワを刻んだ。無意識に舌うちを鳴らす。
どうやら、見覚えのある大男だ。確かGOAの隊長だったかしらね。名は確か、宮本の某(なにがし)と言ったはずだ。
その宮本は周囲の狀況を素早く確認すると、表を緩めて両手を広げて肩をすくめて見せた。
「……どうやら、一段落付いたようだな」
「宮本さん、まだ何か?」
兄様がそう問いかけながら數歩前に進んだ。腰をわずかに落として、すぅと音を殺した足運びだ。武の心得のない私にもそれが生殺自在を可能にする兄様の業であることがうかがい知れる。
兄様のその捌きは、まるで能演のごとく靜謐で、歌舞伎の大見得を切るがごとく力強い。
あぁ、かくも兄様の所作はしさに研ぎ澄まされている。
その兄様の佇まいに圧倒されたように、宮本は両手を上げて首を何度も振った。
「おいおい、旦那、そう殺気を飛ばすな。もうやり合うつもりはねぇよ」
「そうですか。であれば、何用ですか」
「落ち著いてくれ、頼むぜ。もしかしたら、旦那の助けになるかもしれねぇ」
「助け、ですか」
「ああ」
宮本はそう言うと、上げた片手をゆっくりと下ろしてのホルスターに差し込んだ機を取り出した。どうやら見る所、それは通信機らしき端末である。
宮本は片手で端末を作するとそれを耳元にあて、部屋にいる全員に聞こえるように大きな聲をあげる。
「こちら、宮本。ターゲットと接に功。ロク、ニィともに無事だ。例の走兵と……黒條會の會長とその取り巻きが數名、同じ部屋にいる。どうぞ」
宮本は通信機からの応答を聞きながら、小さく頷いていた。
やがて、一通り會話が終わったのか「了解」と宮本は言うと、通信機を作するとそれをそのまま兄様に向かって差し出した。
「旦那、あんたと話したいらしいぜ」
宮本はそういって、ほら、と通信機をさらに前に差し出した。
「僕に、ですか?」
「ああ、旦那とだ」
「誰ですか?」
「さぁ、そいつは俺から言う事じゃねぇかもな。なくとも、俺を顎で使うことが出來る爺さんさ」
兄様は眉をひそめながら一時、逡巡(しゅんじゅん)していたが、恐る恐るそれをけ取った。
宮本は數歩下がりながらも言い置く。
「スピーカーモードにしてある。その爺さんはここにいる関係者全員に聞かせたいらしい」
そう言うと宮本は顎をクイと上げて、兄様に催促をしてみせる。
兄様は要領を得ない様子で、渡された通信機を顔の目の前に掲げて見せる。しばらく、そのまま通信機を眺めていたが、やがて居心地が悪そうにオドオドとその機械に向かって問いかけた。
「あ、あの、布津野です、けど……」
「お主が、冴子の旦那かのう」
老年のしわがれた聲が、端末から部屋全に響き渡った。
兄様は困ったように口を歪める。
「はぁ、一応、はい、そうです。布津野、忠人です」
「そして、ロクとナナの父親でもある」
「えぇ、なくともそのつもりです」
「……ふむ」
通信機はしばらく沈黙した。
兄様は助けを求めるように辺りを見渡す。
百合華もそれを追いかけるように辺りの様子に視線を走らせた。そして、ある奇妙なことに気が付いた。
ロクとニィ年の表に驚愕が張り付いている。
百合華はそれを奇妙にじた。あの二人は傲慢をその(さが)とした存在、それが共にあのように驚き慌てふためかせ得るのは……おそらくこの老人の正にあるのだろう。
通信機から聞こえるその聲を、どこかで聞いたことのある聲のような気がする。
あぁ、もしかして。
百合華がそう思い至って口を小さく開けた時、端末から再び例の老人の聲が響いた。
「布津野とやら、お前は何がしたいのじゃ?」
「何がしたい、ですか?」
「そうじゃ、お前の置かれている狀況、ただならぬ狀態じゃてな。何がしたい?」
「何がしたい、と言われましても……。しいて言えば、貴方が誰なのかをお伺いしたいのですけども」
「ふむ、まぁそうじゃの、お偉いさんじゃよ」
「はぁ、そうですか、」
兄様は、胡散臭そうに口をへの字に曲げて端末を眺める。頭をぽりぽりと掻きながら、う~ん、と唸りだした。
「どうした、答えづらいかのぅ」
「え、ええ。改めてそう聞かれると難しいものだな、と」
「そうじゃな、言葉は厄介じゃ。言葉にせねば伝わらぬが、言葉にすれば間違える」
「はぁ、」
兄様は助けを求めてロク年を見て、首を傾げてみせた。
「ロク、何か知っているかい?」
ロク年はしかし、いつもの余裕ある様子がひっくり返ってしまったように、目を見開いて口を開きっぱなしにしていた。
何度か口を空振りさせて、やがてくように言葉を絞り出す。
「父さん、その人はですね……」
「ロクよ、だまらっしゃい」と途端にロクの通信機から老人が叱責した。
その老人の聲に、ロクはビクリとを直させた。
それを見た兄様は目を見開いて首を傾げた。あのロク年を黙らせることが出來るとは、やはりあの老人の正は……。ロク年が黙り込んでしまったものだから、兄様は頼るすべを失って目を泳がせる。腕を組んでだんまりを決め込む宮本の方を見て肩をすくめ、ニィ年の方に視線を移すと険しい表で首を振られて斷られた。
兄様の視線は再び彷徨(さまよ)う。
……そして、ついに、とうとうよ。
兄様の迷える目線は私のほうに向けられた。
「兄様、」
両手を膝の上に揃えて、背筋を真っ直ぐに落とす。顎を引いてし上目遣いに兄様を見つめる。今日の私は可らしく見えているかしら、
兄様の顔が安心したように緩む。兄様のお役に立てて嬉しい。
「いつもの兄様の通りにお答え遊ばせ」
「いつもの、僕?」
いつもって、いつの? と兄様は首を傾げる。
「ええ、いつもの兄様、普段の兄様通りにですわ。そのお電話の向こうのご老はどうやら茶飲み話を所されているようですわ。一時、お付き合い差し上げればよろしいと思います」
「茶飲み話……かい」
疑わし気な兄様の瞳をまっすぐに見つめ返す。
兄様が手にした通信機から、かっかっかっ、と小気味よさそうに笑う聲がれた。
「その娘さん……ふむ、そうか、あの黒條會の。噂に違わぬ聡明さよ」
百合華はその言葉に軽く頭下げて、布津野に微笑みかけながら催促の視線を送る。
兄様は要領を得ない様子で、首を左右に傾けて迷っている様子ではあったが、やがて頬を掻きながらも顔の前に通信端末を掲げ上げる。
「ええっと、すみません。先ほどのご質問はなんでしたっけ?」
「ほっほっ、さて、何といったかのぅ。忘れたわい。……そうじゃ、お主がしたい事じゃてな。いつだってそれが重要じゃ」
「僕のしたい事、ですか」
「ああ、そうじゃて。お主は何がしたい?」
「それはズルい質問です、答えづらいのですけど……」
老人の応答が途切れ、數瞬の沈黙が場を支配した。
しかし、沈黙が弾かれるように、老人の笑い聲が鳴り響く。
「ほっほっほっ、あぁ、ズルいかよ。確かに姑息よな。確かによ。殘酷とさえ言える」
「あのぅ、何というか、失禮でしたらすみません」
「いや、いやいや、良いよ。この年になって意地悪さだけが積み重なっていたこと気づかされてしもうたわ。そうかよ、儂は未だに人を欺き、傷つけ続けているということか」
「えぇ……別にそんな事までは言ってないですよ」
文脈のもつれた深淵な対話だわ。
百合華はばした背筋に張の汗を流して息を飲み込んで、なけなしの頭脳をかき集めて布津野と老人の會話に潛む行間に集中した。
かの老人の正は間違いなく、日本國首相その人だろう。
四十年に及ぶ民主主義史上に例を見ない在任期間を誇る日本の実質的な獨裁者。伝子作の大罪人、人類の革新者。間違いなく有史以來最大の政治家として歴史に名を刻むことを確約された生き人。
かの絶対者は流石だわ。本質を外さない。この事件の核を兄様が握っているということを一目で見抜いた。
「ふぅ、こやつは思った以上に油斷ならんてなぁ」
老人の聲は低くなり、辺りに地鳴りのごとく々と響き渡った。
部屋に一陣の風が吹いた気がした。それは錯覚かもしれない。次に「さてのぅ」と発信機から老人の聲がした時には、その錯覚は止んでいた。
「改めて自己紹介させてもらうかのぅ。儂は宇津々右京という。國民の信任のもと日本國閣総理大臣を務めさせて頂いておる老じゃ。改めて、よろしくお願い申し上げる」
兄様の驚愕は、しかし、予想に反して薄かった。
兄様は改めて通信端末を耳に當てて、いつもよりも隨分と落ち著いた聲で発した。
「こちらこそよろしくお願いします。いつもロクやナナがお世話になっています」
「いいや、お世話になっているのはこちらじゃ。あの子達には、隨分と助けてもらっておる」
「いいえ、そんな……。先ほどは失禮なことを、申し訳ありません」
「よい、こちらこそじゃ」
通信機越しに頭を下げてみせる兄様に、老人はとうとうと語りかけてくる。
「さて、狀況はちと厄介じゃ。中國の艦隊が九州南部の海域に展開されておる。どうやら東京に向かっているようじゃ。すでにこちらは迎撃戦力を展開し、各方面の責任者に戦開始判斷を委ねた。儂としてはこの戦爭のまとめ方に責任を持たねばならぬ」
「……」
「かの艦隊とニィとその走年兵たちの関係は不明じゃが、油斷はあってはならぬ。この戦爭の構図は単なる國家間戦爭ではない。伝子最適化を合法とする國家とそれを止する國家の戦爭。あえてこのように表現するが、未調整と最適化個(モドキ)の戦爭じゃ。これは三度目の世界大戦へ発展する可能すらある」
老人はそこで一呼吸ほどの間を置いた。
沈黙が押し寄せる波のように満ちて、老人の次の言葉にすぐに引き戻される。
「……ロクや冴子を中心とした意思決定顧問達の判斷を、儂は了承した。つまり、そこにいる48名の無辜(むこ)の年を犠牲にし、ニィを拘束することをな」
ざわめきが走り抜けたが、誰も騒ぎ立てるようなことはしなかった。當の年たちでさえも息を飲み込んで兄様を凝視している。
兄様は、通信機を耳に當てながら相変わらず目を閉じながら天井を仰いでいる。
「しかし、GOAの最鋭を投し、黒條會と連攜したこちらの作戦は失敗した。どういうわけか黒條會は手筈通りにはかず未だに48名の年は生きておる。そして投したGOAは一人の男によって倒されたと聞く。信じられぬ事に、その男は冴子の夫であり、ロクとナナの父親らしい。……お主のことじゃ」
「……」
「儂はこの戦爭の終わらせ方を見極めなければならぬ。戦爭が惰で続くことを食い止めなければならぬ。それが儂のやりたい事と言えるじゃろう。さぁ、もう一度、問わせてもらおう。お主は何がしたいのじゃ?」
「僕は……」
兄様は言いかけて、言葉を途切った。
場が凍てついた。空気が空(から)になったような息苦しい靜寂が張り詰めて、その場にいる全て人間の意識がまるで酸欠の魚のごとく兄様に群がっていく。
兄様がゆっくりと目を開けた。
「僕は、ロクに父親らしいことをしてやりたいのです」
ぽつりと置かれたその言葉の意味(つづき)を、兄様はゆっくりと語りだす。
「ロクはまだ13歳です。これからもっとんなことを経験して自分のやりたい事とか見つけていく年のはずです。でも、ロクの今まで置かれた環境はそうやって悩む余裕を奪ってきました」
兄様は視線を下げてロク年を見て、寂しそうに笑う。
「自分のやりたい事ではなく自分がやらないといけない事ばかりに、ロクは追われてきました。皆にとって正しい事、より多くの人が助かる事、よりない人が傷つく事、多くの命を救い、それよりない命を殺す……、それを繰り返してロクは13歳になったのです。13歳の子が、いえ、もっといころからロクはそんな決斷を強いられてきたのだと思います」
兄様は視線をニィ年に移す。
「ロクは自分の兄弟とも言えるような人でさえ、皆のために殺すことを決斷してきました。そして、それを止める大人も、ロクの代わりになってくれる大人も、いなかったのかもしれません。そんなロクが人を思いやることはとても難しいのかもしれません」
今度は48人の年兵に目を向ける。
「でも、ロクが彼らを犠牲にする決斷をしたというならば……僕はそれを絶対に止めなければなりません。自分の子供がそんな殘酷な決斷をすること、僕は絶対に許しません。ロクはまだ13歳です。人の命の大切さをまだ十分に知らない子供です」
し間をおいて兄様は、ふぅと息をつくと、いつもの曖昧な笑いを浮かべながら、しかしハッキリと大きな聲で通信機に向かって話した。
「僕はロクの父親です。貴方が誰であろうと、ロクを苦しめる事は絶対に許せません」
通信機から老人の唸る聲がれた。それが、靜寂が埋めていた部屋の床に広がり響く。
百合華は全がうち震えていることを認識した。複雑なが蛇のように全を這い回って締め付ける。自分の肩を抱く。息をするのも憚(はばか)られた。
じっと兄様を見る。兄様は首を傾げて老人の反応を待っていた。
やがて、老人の聲が発せられる。
「これは、また、久しく見ぬ剛毅よ。テコでもくまいて……。冴子よ、報告せよ。お主の夫であるこの男を打ち倒して、當初の計畫を遂行できる可能はいかほどじゃ?」
「はい……」
通信機からマリモ好きのの聲がする。その聲は細く上ずっていて狼狽のがけて見える。けないね。
百合華は指を口に當てて口の端を歪めた。どうやら、私の出番は今、ここらしい。兄様の思いに答えるがそのである私の役目であれば……。
「失禮しますわ」と大聲を上げて見せる。
兄様を含む全員がこちらに顔を向ける。良いじね。あの通信機の向こうにいるであろう冴子にも聞こえるようにハッキリと申し上げましょう。これが、兄様のが為すべきことよ。
「我々、黒條會は兄様のご意思に従いますわ。それが例えお上(かみ)との喧嘩になろうとも構いはしません。48人の子供ごとき、我々が匿い守り通してみせましょう」
百合華がそう言い切った後を、何やら楽し気な様子の老人の聲が追いかける。
「ほう、黒條の娘も剛毅よのう……どうした、冴子。早く答えんか、當初の計畫の功率はいかほどじゃ?」
「……おそらく10%にも満たないかと」
「ふむ、そうよな。……宮本よ!」
「おう!」
部屋の隅に待機していた宮本が聲を張り上げた。
「この男を倒せるか?」
「絶対に不可能であります!」
カッカッカッ、と愉快な老人の聲がこだまする。
「では仕方あるまいのぅ。狀況に応じてに方針を変えることが大人の対応というものじゃてな。本作戦は中止じゃ。GOAは48人の拐被害者の柄を保護せよ! 今後の詳細は追って連絡するが傷一つ付けてはならぬ。ロクの父親に殺されてしまうからのぅ」
「了解!」
宮本は大袈裟に敬禮して見せた。
「ニィよ、」と老人の聲が改まった。
「……なんだ、俺か?」
ニィは老人に名を呼ばれてを固くした。
「すまなんだな。お主とサンの殺害に許可を出したのは儂じゃ」
「……そんな事、知っている」
「恨むなら儂にせよ」
「別にもういい。それよりも、だ」
ニィは立ち上がると、兄様のほうに歩み寄る。
「布津野さん、もしかしたらだが、俺ならその中國の艦隊を追い払うことが出來るかもしない」
「……えっ」
布津野がびっくりして振り向いたのを見て、ニィはにやりと悪戯っぽく笑ってみせる。
「俺達を見捨てようとした政府に協力する気はさらさらない。しかし、もし、布津野さんがどうしてもと頼むのであれば、」
ニィは拳を差しばして、トンッと布津野のを叩いた。
「協力してやらなくもないぜ」
【書籍化】捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜國の王太子からの溺愛が待っていました
★ベリーズファンタジーから発売中です!★ 伯爵令嬢ロザリア・スレイドは天才魔道具開発者として、王太子であるウィルバートの婚約者に抜擢された。 しかし初対面から「地味で華がない」と冷たくあしらわれ、男爵令嬢のボニータを戀人として扱うようになってしまう。 それでも婚約は解消されることはなく結婚したが、式の當日にボニータを愛妾として召し上げて初夜なのに放置された名ばかりの王太子妃となった。 結婚して六年目の嬉しくもない記念日。 愛妾が懐妊したから離縁だと言われ、王城からも追い出されてしまう。 ショックは受けたが新天地で一人生きていくことにしたロザリア。 そんなロザリアについてきたのは、ずっとそばで支え続けてくれた専屬執事のアレスだ。 アレスから熱烈な愛の告白を受けるもついていけないロザリアは、結婚してもいいと思ったらキスで返事すると約束させられてしまう。しかも、このアレスが実は竜人國の王子だった。 そこから始まるアレスの溺愛に、ロザリアは翻弄されまくるのだった。 一方、ロザリアを手放したウィルバートたちは魔道具研究所の運営がうまくいかなくなる。また政務が追いつかないのに邪魔をするボニータから気持ちが離れつつあった。 深く深く愛される事を知って、艶やかに咲き誇る——誠実で真面目すぎる女性の物語。 ※離縁されるのは5話、溺愛甘々は9話あたりから始まります。 ※妊娠を扱ったり、たまにピンクな空気が漂うのでR15にしています。 ※カクヨム、アルファポリスにも投稿しています。 ※書籍化に伴いタイトル変更しました 【舊タイトル】愛されない妃〜愛妾が懐妊したと離縁されましたが、ずっと寄り添ってくれた専屬執事に熱烈に求婚されて気がついたら幸せでした〜 ★皆さまの応援のおかげで↓のような結果が殘せました。本當にありがとうございます(*´ー`*人) 5/5 日間ジャンル別ランキング9位 5/5 日間総合ランキング13位
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