《反逆者として王國で処刑された隠れ最強騎士〜心優しき悪役皇様のために蘇り、人生難易度ベリーハードな帝國ルートで覇道を歩む彼を幸せにする!〜【書籍化&コミカライズ決定!】》【45話】心強い助け

「ふんっ!」

「──っ、危ないな」

棒を振り回す大男。

地面の石畳を削りながら攻撃してくる相手に、俺は中々深く踏み込めずにいた。

大振りで隙が大きい。

懐に潛り込めれば、すぐに決著が付く。

そう考えていた時の俺を呪ってやりたい。

「隙が全然ないな……」

前世でもこんなに強いやつとは數えるほどしか戦っていない。

それに、過去に目の前の男とは剣をえたことがなく、きの癖や弱點などもそれなりに時間をかけなければ見つけることができない。

「ぐふっ、俺、お前、殺す。自由になるっ!」

棒の橫薙ぎが風を切りつつ迫り來る。

寸前で回避するが、頭髪の先っぽがほんのしだけ持っていかれたのが覚で分かった。

「ふ……強い、何者?」

「俺はアルディア=グレーツ。ヴァルトルーネ皇殿下の専屬騎士だ。ヴァルカン帝國の害であるお前たち逆賊を討つためここに來た」

「なる、ほど。……俺、お前殺せば、全部完璧っ!」

──そう簡単に殺されてたまるかよ。

俺はあの人の進む道を切り拓く。

専屬騎士となり、そう誓った。

と最後の最後まで歩み続ける。だから、俺の死に場所はこんな場所なんかじゃない!

「ぐぉぉぉぉぉっ!!」

到底人とは思えないほどの咆哮をあげ、大男は棒片手に走り込んでくる。

まともに剣で打ち合えば俺の得が折れる。

あんなに太く勢いのある棒とぶつかればそんなことは目に見えていた。

外部から伝わる衝撃を剣がけ流せるように、

るように棒の軌道を変えるっ!

わった箇所からは火花が散り、そこにかかる負荷の大きさが目に見えて分かった。

一撃け流し、二手三手と連続する攻撃は素早くいて回避する。

──このままが続くと良くないな。

時間を稼がれてしまっている。

この間にリゲル侯爵が遠くへ逃げてしまうという可能も高いだろう。

周辺の味方はあらかたの敵を排除したみたいだな。

でも、こちらの加勢には呼べない。

実力差からも分かるが、味方の助けを得たところで、彼らの命を悪戯に失ってしまうだけだ。

──俺が決めなきゃ。

心のれは剣筋のれに繋がる。

冷靜に対応しようと心がけでも、頭のどこかで時間を気にしている自分がいる。

上手くいかない。

確実な一手が打てない。

手をばせばすぐそこに敵のがあるというのに、

剣がそこまでに至らない。

「アルディア卿、我々も加勢します!」

「──來るなっ! この男はお前らの手に負えるような相手じゃない」

「しかしっ!」

「周辺からの橫槍をれさせないでくれ。俺がこの男に集中できるように──!」

彼らを死なせたくはない。

まだ未來のある若い者が多い上に、彼らは今後の戦いにおいて必要な者たちでもある。

しきっていないのなら、まだこの場所に立たせてはならない。

「ぐふぅ……お前、一人。仲間いる……でも一人、俺に勝てない!」

「ちっ……!」

相手の方が間合いの有利を取っている。

やつまでの距離が酷く遠いもののようにじてしまう。

策は……何かないのかっ!

汗が額を伝い、地面に溢れる。

打開策が思い浮かばず、手詰まりな狀態……その時であった。

「はあっ!」

「────!」

見覚えのある槍が大男の棒を突いた。

大男はよろけ、後方に下がる。

「アルディア卿!」

──ああ、來てくれたのか。

「リツィアレイテ將軍……」

現在と過去。

ヴァルトルーネ皇に仕えた二人の専屬騎士が揃う。

は簡単に拭えた。

──俺の瞳に、突破の糸口がはっきりと映った出來事である。

日間4位に上昇!

謝です!!

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