《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》実家に戻ってきた
そんなわけで、父と話をする為にフェンを連れて実家に帰ってきた。
玄関の前に現れた僕を、使用人が驚きの表で出迎える。
「ディオ様……!?」
「昨日ぶりだね。父さんに話があって戻ってきたんだ」
「い、今、當主様を呼んで參ります……!」
「いや、いいよ。直接話しに行くから」
構わなくて大丈夫だと手振りで合図をし、戸っている使用人の脇をすり抜けて進む。
応接室に続く廊下を歩いていくと、薄く開いた扉の向こうから父と兄の笑い聲が聞こえてきた。
あの二人が談笑しているなんて珍しいな。
「あの無能を奈落の谷に捨ててきたとは。おまえにしてはよくやったな、チャーリー」
「そう言ってもらえると思ってましたよ、父さん」
「ディオを追放したはいいが、あいつが行く先々で家名を傷つけたりしないか案じていたのだ。死んでくれたのなら、そんな心配もせずにすむ」
「ええ、そのとおりです。役立たずが消えて一安心ですよ」
「我がブライス家の繁栄に貢獻できぬような者は生きている価値がないからな。おまえも、今後は心をれ替えて勵めよ」
「もちろん、そのつもりです。――それで、さっそくなのですが、いつ私に家督を継がせてくれるのでしょうか?」
「それはおまえの努力次第だな。だが、ディオがいなくなった今、跡取りはお前しかいないからな。これまでとは違って、前向きに考えておいてやる」
「ありがとうございます。無能が消えたおかげで、私たち親子は上手くやっていけそうですね」
「ふははは! 役立たずが唯一役に立った部分だな」
「あはは! 父さんのおっしゃるとおりです」
扉の前で立ち聞きしている僕には気づかず、二人がゲラゲラと笑い聲をあげる。
兄さんだけでなく、父さんも僕の死をんでいたのか……。
僕が死んだと思い込んで大喜びをしている姿を見ていたら、靜かな怒りが湧き上がってきた。
これまで、どんなことを言われようと、どんな理不盡な目に合おうとも、家族だから仕方ないとけれてきた。
でもあの二人は、僕が死んだと思って喜ぶようなやつらだったのだ。
……こいつらを家族と思うのはもうやめよう。
そう決意し、勢いよく扉を開く。
その音を聞いて、ふたりはビクッと肩を揺らした。
「ディオ!? な、おまえ……なんで生きてる……!?」
驚愕のあまり目を見開いた兄がびながら立ち上がる。
父のほうは話が違うというような顔つきで、兄のことを睨みつけている。
「おい、チャーリー! 奈落の谷に突き落としてきたんじゃなかったのか……!?」
「落としましたよ!! ちゃんと落下していくところまで見屆けたんですから!! ハッ……! まさか幽霊……!?」
「馬鹿もん! しっかり足が生えているではないか!」
「……た、たしかに。でも、だったらなぜ……」
腰に片手を當てた僕は、はあっと小さくため息を吐いた。
「僕はこのとおりお二人の思に反して生きています。殘念でしたね」
父と兄は顔を見合わせ、困したまま僕を見つめてきた。
數秒後、父のほうが我に返ったように息を呑んだ。
「そ、そもそもおまえは勘當された! 加護なし役立たずのくせに、どの面を下げてこの家に戻ってきた!! だいたいその小汚い野良犬はなんだ! そんなものを家の中にれおって!!」
「小汚い野良犬?」
フェンの事を馬鹿にされた僕は、生まれて初めて父を睨みつけた。
「なんだその目は! それが父に向ける顔か!?」
「あなたのことを父親だと思うのはやめました」
「んなんだとぉう!?」
「でも、その話は一旦置いておきます。先に兄さんとの問題に決著をつけさせてください」
僕が矛先を向けると、兄は骨に揺して視線を彷徨わせた。
顔の両脇からは、冷や汗がダラダラと垂れている。
僕を嵌めて追放されるよう仕向けたこと。
自分より有能だった僕を殺そうとしたこと。
父も含めて騙していたこと。
僕が戻ってきたことで、自分の謀が失敗に終わったことを悟ったのだろう。
兄は相當焦っていて、その揺がこれでもかというぐらい伝わってきた。
僕を谷に突き落とし、亡き者にしようとした兄。
まずはこの兄の罪を追及させてもらおう。
明日は3話投稿します
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