《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》これはAランクの難易度を越えています
※ウォーレンの出した依頼の回數を今年で三回目に変更しました
そのあともAランクの魔と遭遇するたび、『報収集、報収集』と思いながら、悪喰の力で魔を吸収していった。
ルカ試験はまだしも、ウォーレンさんは何度見ても悪喰に慣れないらしく、毎回腰を抜かしてしまう。
魔を倒すより、毎回彼を落ち著かせるほうに時間がかかったくらいだ。
立場が逆なら僕もそうなっていただろうな……。
悪喰の加護って見た目が悪魔的だもんね……。
時折魔に襲撃されつつ、二時間ほど谷合の道を昇っていくと、目的地である丘に辿り著いた。
小さな小屋が、丘の上にぽつんと建っている。
家の隣には大きな木があって、爽やかな風が吹くたび葉を揺らした。
畑は植え替えの時期なのか、なんの芽も出ていない。
「みなさん、連れてきてくださってありがとうございました! 父さん、元気かな……!」
ウォーレンさんがうれしそうに小屋へと駆けていく。
親子の再會を邪魔しては悪いので、僕らは遠目から見守った。
話に聞いていたとおり、ウォーレンさんとトーマスさんが扉越しにやりとりをわす。
僕らのところにも微かに會話が聞こえてきた。
「父さん、絵の進み合はどうですか? そろそろ目途が経つ頃ですか? 僕のほうは一応頑張っているのですが、まだまだ全然で……。って、僕ばかり喋ってしまってすみません……。いつも僕、こうですね。なにせ一年ぶりなので、話したいことが山ほどあって……」
『ウォーレン、おまえが心配だ』
「ふふ、父さんは相変わらずですね……。父さんがいなくてすごく寂しいですが、なんとかやってますよ……」
『一人でも頑張るんだぞ』
「ええ、わかっています……。でも、もし父さんが嫌じゃなければ、僕もこの丘に……いえ、なんでもありません……。すみません、父さんの仕事を邪魔するつもりはないんです……。ただ一年に一度、こうやって扉越しに言葉をかわすしかできないなんて……」
そこで例の絵が扉の下の隙間から差し出されたらしく、ウォーレンさんが屈みこんだ。
書き込まれたメッセージを読んだのか、ウォーレンさんの肩が揺れる。
「ううっ……。父さん……。僕、ちゃんと頑張ります。二十一にもなって、親離れできないなんて恥ずかしいですからね……」
僕は溫かい気持ちで彼らのやり取りを見守り続けた。
やっぱり、家族は仲がいいのが一番だ。
そのとき、不意に風向きが変わった。
『――主、おかしい』
「え?」
フェンがを低くして警戒の勢を取る。
「どうしたの?」
風を追うように鼻を上げ、フェンがくんくんと空気を嗅ぐ。
『……あの家の中から、人間の匂いがしてこない』
「……どういう意味?」
『この香りは間違いない。魔のものだ』
「……小屋の中から魔のにおいがするってこと?」
だけど、そんな馬鹿な……。
ウォーレンさんは現に今、父親と會話をしているじゃないか。
驚きながら、嗅覚強化魔法を発させる。
フェンと同じように匂いを嗅いだ瞬間、唖然とした。
フェンの言うとおりだ……。
「それにこの匂いは……」
僕はこの匂いを知っている。
「……っ。そういうことか……。ウォーレンさん! 今すぐその扉から離れてください!」
「ディオさん……? 突然どうしたんですか?」
ぽかんとした顔で、ウォーレンさんがこちらを見ている。
「フェン……!」
『了解だ!』
最後まで言葉にしなくても僕のしてほしいことを理解したフェンが、ウォーレンさんの服を引っ張って扉から引きはがす。
「わあああ?!」
「風魔法、発」
ウォーレンさんが離れたところで、すぐさま扉に向かって風魔法を放つ。
掛けられていた鍵を壊し、扉を勢いよく開く。
両開きの扉の先、部屋の中に立っていたのは、真っ黒い並みをした巨大な化け貓キャスパリーグだ。
普通の貓とは違い、耳と尾がギザギザとしているし、背中には黒い羽がはえている。
「SSランクの魔……! ディオさん、どいてください!」
後ろから走ってきたルカ試験が、僕とキャスパリーグの間に立ち、勢いのまま魔法攻撃を放つ。
さすがに賢者の試験を務めるだけあって、魔法の威力が桁外れに強力だ。
しかしキャスパリーグもSSランクの魔。
強烈な攻撃を平然と避けてみせた。
「俊敏な魔ですね……。これはAランクの試験の難易度を越えています。私に任せてください」
突然攻撃をけたキャスパリーグは不機嫌な唸り聲をあげ、華麗なきで小屋から飛び出してきた。
そのまま鋭い牙をむいて、反撃を試みる。
ルカ試験は、長いローブを翻して宙を舞い、キャスパリーグの攻撃をギリギリでかわした。
やっぱり一般的な賢者は前衛に向いていないらしい。
魔力はとても高いけれど、ルカ試験の能力自はあまり高くないようだ。
『なによ、この! 突然攻撃してきて、ただじゃおかにゃいわよ!』
えっ。
キャスパリーグ、しゃべった……?
……って、そうだ……!
僕は奈落の谷で、別のキャスパリーグを吸収したことがあるんだった。
だから、さっき、匂いの正にも気づけたし、小屋の中で行われていたを理解できたのだ。
「次の攻撃で必ず仕留めます」
「あ、ルカ試験。ちょっと待ってください!」
制止するのがわずかに遅く、ルカ試験は攻撃を放ってしまった。
仕方ない。
僕は橫から追いかけるように攻撃魔法を放ち、ルカ試験の攻撃魔法にぶち當てた。
僕の魔法に弾き飛ばされ、ルカ試験の魔法は空の上で発を起こした。
「……ディオさん、なぜ邪魔をするのです? ……しかも私の魔法を弾いた……?」
ルカ試験が怪訝そうに僕を振り返る。
「ちょっとそのキャスパリーグと話をさせてください」
「なんです……? はなす……?」
言っていることの意味が分からないというように、ルカ試験の眉間に皺が寄る。
説明は後回しにして、僕はキャスパリーグに呼びかけた。
「ねえきみ、どうしてトーマスさんの聲を真似たりしたんだ?」
『にゃ……!? ……おまえ、なぜ貓語をしゃべれるのにゃ!?』
【※作者からの大切なお願い】
皆様のおかげで現在週間ハイファンランキング5位に位置しています。
応援、本當にありがとうございます!
なんとかもうし上を目指したいので、どうか一度だけお力を貸してください……!
下にある☆☆☆☆☆を★★★★★に変えていただけると、ポイントを追加できます。
第一部完結に向けて、まだまだ更新がんばりますので、ご支援よろしくお願いします!(๑´▿`๑)
【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…
※書籍化が決まりました! 電撃の新文蕓様から、2022年1月発売! 主人公のノアは、転生者。 前々世では剣聖、前世では賢者として活躍していたのだ。 だがずっと働きづめにされており、もう英雄なんてうんざり! ある日ノアが死んで目覚めると、今度は王子として生まれ変わっていた。 高い魔法の才能と、剣聖の剣術の実力を秘めていたが、また忙しい日々を送りたくなかったので、ノアは全身全霊をかけて無能のフリをした。 そして、15歳の誕生日。 スキル鑑定によって無能であることが判明(実は隠蔽スキルで隠していただけ)。 晴れて追放されたノア。 父より溫情として與えられたのは辺境の領地。 そこで第二の人生を楽して過ごしてやる!と意気込むノアだったが、彼は知らない。 実はその領地は、人が住めないとされる魔の森のなかにあったことを。 そしてこのこが前世、前々世と比べて未來の世界で、人間達のレベルが下がっていたことを。 ノアが森でモンスターに襲われていた女の子を助けたことをきっかけに、彼の有能さがバレてしまう。 「ドラゴンを一撃で倒すなんて、さすがノア様!」 「どうしてこうなったぁああああああ!」 一方で、王家もまたノアの有能さに気付いて、彼を取り戻そうとやってくる。 「來るのが遅えんだよぉおおおおおお!」 そのときにはすでに、ノアは魔の森の領主として、領民からあがめ立てられていたのだから。
8 180【書籍化・コミカライズ】誰にも愛されなかった醜穢令嬢が幸せになるまで〜嫁ぎ先は暴虐公爵と聞いていたのですが、実は優しく誠実なお方で気がつくと溺愛されていました〜【二章完】
『醜穢令嬢』『傍若無人の人でなし』『ハグル家の疫病神』『骨』──それらは、伯爵家の娘であるアメリアへの蔑稱だ。 その名の通り、アメリアの容姿は目を覆うものがあった。 骨まで見えそうなほど痩せ細った體軀に、不健康な肌色、ドレスは薄汚れている。 義母と腹違いの妹に虐げられ、食事もロクに與えられず、離れに隔離され続けたためだ。 陞爵を目指すハグル家にとって、侍女との不貞によって生まれたアメリアはお荷物でしかなかった。 誰からも愛されず必要とされず、あとは朽ち果てるだけの日々。 今日も一日一回の貧相な食事の足しになればと、庭園の雑草を採取していたある日、アメリアに婚約の話が舞い込む。 お相手は、社交會で『暴虐公爵』と悪名高いローガン公爵。 「この結婚に愛はない」と、當初はドライに接してくるローガンだったが……。 「なんだそのボロボロのドレスは。この金で新しいドレスを買え」「なぜ一食しか食べようとしない。しっかりと三食摂れ」 蓋を開けてみれば、ローガンはちょっぴり口は悪いものの根は優しく誠実な貴公子だった。 幸薄くも健気で前向きなアメリアを、ローガンは無自覚に溺愛していく。 そんな中ローガンは、絶望的な人生の中で培ったアメリアの”ある能力”にも気づき……。 「ハグル家はこんな逸材を押し込めていたのか……國家レベルの損失だ……」「あの……旦那様?」 一方アメリアがいなくなった実家では、ひたひたと崩壊の足音が近づいていて──。 これは、愛されなかった令嬢がちょっぴり言葉はきついけれど優しい公爵に不器用ながらも溺愛され、無自覚に持っていた能力を認められ、幸せになっていく話。 ※書籍化・コミカライズ決定致しました。皆様本當にありがとうございます。 ※ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。 ※カクヨム、アルファポリス、ノベルアップにも掲載中。 6/3 第一章完結しました。 6/3-6/4日間総合1位 6/3- 6/12 週間総合1位 6/20-7/8 月間総合1位
8 88僕と狼姉様の十五夜幻想物語 ー溫泉旅館から始まる少し破廉恥な非日常ー
僕の故郷には、狼の言い伝えがある。 東京から、帰郷したその日は十五夜。 まんまるなお月様が登る夜。銀色の狼様に會った。妖艶な、狼の姉様に。 「ここに人の子が來ることは、久しく無かったのう……かかっ」 彼女は艶やかな銀の髪の先から湯を滴らせ、どこか愉快げに笑っていた。 僕は、幻想物語が大好きだ。でもまさか、そんな僕がその幻想物語の登場人物になるなんて……夢にも思っていなかったんだ。 《他サイト、カクヨムにて重複掲載しています》
8 195私は綺麗じゃありません。
身に覚えのない罪で國外追放された元伯爵令嬢アザレアは敵國との境の森で行き倒れになったところを敵國の魔法騎士、別名『魔王様(天使)』に拾われる。 獻身的に看病してくれる彼は婚約者や家族に醜いと評されたアザレアを「綺麗」と言ってくれる。 そんな彼に心を引かれつつ獨り立ちして恩返しをするために彼女は魔法騎士を目指す。 そんな中で各國はアザレアを手に入れるため動き出す。 リメイク作成中。なろうに上げ次第差し替えていきます
8 73男女比が偏った歪な社會で生き抜く 〜僕は女の子に振り回される
就職して戀愛・結婚をし子供が生まれる、これで普通の人生を歩めると思ってた……でも現実は、時間が過ぎるとともに幸せな家庭は崩れ去り、僕を苦しめるだけだった。 戀愛・結婚に臆病になった男が男女比の偏った世界に生まれ変わり、女性に振り回されながらも奮闘する。 ※申し訳ありませんが、感想の返信は停止しております。
8 156梨
妹を殺された復讐から一人の米軍兵を殺してしまう『海』、家にいながら世界を旅できるという不思議な『世界地図』、表題作『梨』を含む短編・ショートショート。
8 175