《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》ギルド本部からの特別依頼

「……それだけ期待をかけられているのだろうが、この依頼はまずいぞ、ディオ君……」

不安そうな顔でそう言ったギルドマスターのことを、ホランドさんが視線だけでチラッと見る。

ホランドさんに威圧されたギルドマスターは、ぐむっと唸った。

それでも後ろに下がろうとはしない。

「ホランドさん、説明してもらえますか? どうしてギルド本部から、僕に依頼がきたのか」

「それは単純な理由だ。君しか適任者がいないからだよ。――これまで冒険者たちをさんざん食いにしてきた危険なダンジョンである奈落の底。さきほど君が聞かせてくれた話がすべて真実だとして、君を連れていれば、奈落の底を徹底攻略できるということになる。ギルド會議では、満場一致でなんとしても君への依頼を出してみたいという結論が出された」

「奈落の底を攻略することってそんなに重要なんですか?」

「危険なダンジョンの攻略は、國にとって多大な貢獻となる。もし、依頼を達した暁には、お國からも間違いなく何らかの勲章が授與されるだろう。一足飛びに出世ができる依頼だ。悪い話ではないだろ?」

そこまで話を聞いたところで、最初から覚えていた違和がより強くなった。

僕は先ほどの依頼書にもう一度目を通した。

依頼容の項目には、間違いなく『ランクA依頼』と書かれている。

ギルド本部から個人に対して出される依頼が特例であること。

それをし遂げた暁には、國から認められる可能が高いこと。

「この依頼、本當にランクAなんですか?」

僕の問いかけに対し、ギルドマスターは頭を抱えてしまい、ホランドさんのほうは意味深に目を細めた。

二人の反応が質問への答えになっている。

だよね、ランクAの冒険者向け依頼なわけがない。

「當然この依頼の本來の難易度はSSランクに決まっている。でも君はAランクの冒険者なんだろう? 君にこの依頼をけさせるためには、この依頼を無理やりにでもAランクにする必要があったんだ」

ギルド本部が自らのルールを無視するなんて。

そんなことをしだしたら、組織としてまっとうに機能していかなくなるのではないだろうか。

「今の話、大丈夫なんですか?」

僕はギルドマスターに向かって尋ねた。

「……もちろんルール違反だ」

ギルドマスターが苦い表を浮かべる。

「ルールをすり抜ける方法ならいくらでもある。問題はディオ君の意思だ。自分の話が本當だと証明するため、この依頼をけてみないか?」

「無茶がすぎる……。斷ってもいいぞ、ディオ君!」

僕はギルドマスターの言葉に驚いて顔を上げた。

ギルドマスターにとって、ホランドさんは上司だ。

しかも彼は人事擔當者。

ここまで骨に楯突いたりすれば立場が危うくなるはずなのに、ギルドマスターはなりふり構わず僕のの安全を案じてくれているのだ。

「たしかに君は能力だけを見ればAランクのレベルを遙かに上回っている。しかし、君には経験がほとんどない。ランクに見合わない依頼をけたりすれば、それだけ命の危険に曬されることになるのだ」

「ギルドマスター、もうし立場をわきまえられてはいかがか?」

案の定、ホランドさんはギルドマスターの行に気分を害したらしく、冷たい目で彼を睨みつけた。

「あまり話の腰を折られるようなら、表に出ていってもらいますよ」

「ぐっ……し、失禮しました……」

ギルドマスターが青ざめた顔で謝罪をする。

僕は靜かな怒りを覚えながら、姿勢を正した。

「わかりました。その依頼けます。一人で散々歩き回った場所なので、恐れることもありませんし」

「それが強がりでないといいけどね」

ホランドさんが口元を歪めて笑う。

僕はホランドさんから目を逸らさずに言った。

「ただし、依頼をけるうえでひとつ條件があります」

「面白い。條件とは?」

「僕が依頼をし遂げ、僕の話が事実だとわかったら――、あなたが権力を笠に著て、うちのギルドマスターに失禮な態度を取ったことを謝罪してください」

ホランドさんより先に反応したのはギルドマスターだ。

「こら、ディオ君……! 私の事なんて気にしなくていいから、自分のの安全を……!!」

取りしてぶギルドマスターの聲に、ホランドさんの笑い聲が重なる。

「はははっ! さすが十五歳。青臭いな、君は」

その瞬間、主を馬鹿にされたと思ったのか、おとなしく伏せをしていたフェンとキャスパリーグが、を起こして唸り聲をあげた。

「おっと!」

ホランドさんは面白がりながら、両手を上げて降參のポーズを取った。

「フェン、キャスパリーグ、大丈夫だから。いい子にしていて」

『グルルルル……噛み殺してやればいいものを……』

『そうにゃ、この人間、不敬にゃ……シャアアアアッ』

二人をこらこらとなだめて、後ろに下がらせる。

その間もホランドさんは、興味深そうな目で僕のきを追っていた。

「へえ、完全に手懐けているんだな。心」

「あなたに心されてもちっともうれしくありません」

「まあ、そう言うなよ。先ほどの提案だが、いいだろう。約束する」

正直、國からの勲章なんてどうでもいいし、ダンジョン攻略にも興味はないけれど、僕を庇ってくれたギルドマスターの名譽を守るためだ。

必ず依頼を達してみせる。

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