《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》興味深い年
ホランドさんの一言で落ち著きを取り戻した職員たちは、僕を勵ますように肩を叩いてから、それぞれの仕事へ戻っていった。
「さあ、上でギルドマスターをはじめとする幹部たちが君を待っている。ついてきてくれ」
ホランドさんに案され、エントランスの右手にある通路へ向かう。
しばらく通路を進んでいくと、裝飾の施された鉄製の柵があり、その先に魔法可式昇降機が設置されていた。
子供の頃、神殿を訪れた冒険者から、都會の様子を何度か聞いたことがある。
その話の中に出てきて、僕を驚かせた魔道のひとつがこれだ。
「すごいですね!」
まさか実の魔法可式昇降機を目にできるなんて思ってもいなかった僕は、喜びの聲をあげた。
冒険者として様々な町を訪れると、こういった新しい経験ができるのか。
「この箱、人を乗せて上下左右に移するんですよね」
「ははっ。そうしていると君も普通の年に見えてくるな。さあ、昇降機に乗ってくれ」
わくわくしながら昇降機に乗り込む。
「うわぁ、中はこんなふうになっているんですね。そのボタンで行き先を力するんですか? 面白いな……」
『あ、主……。あんまりはしゃぐと揺れる……』
「ごめん、ごめん。ちょっと興しすぎだよね。……って、ん?」
僕に続いて昇降機の中にってきたフェンだが、よくみると小刻みに震えている。
「もしかして怖いの?」
『なっ……こ、こここ怖くなどないぞ……っ』
「……。……抱っこする?」
『……うむ』
僕は眉を下げて笑うと、強がるフェンに向かって両手を広げた。
フェンは『本當に怖くなどないのだからな』と斷ってから、僕の腕の中に飛びこんできた。
「キャスパリーグは大丈夫?」
『臆病な犬っころと私は違うにゃ。でもこの箱、私にはちょっと狹いにゃ! ……そろそろダイエットが必要なのかもしれないにゃ……』
ダイエットはいいとして、たしかに大きなキャスパリーグにとって、この昇降機は小さいような気がする。
「ホランドさん、キャスパリーグを乗せても大丈夫でしょうか……?」
「ああ、重量オーバーになるとブザーが鳴るから、その場合は二度に分けて移すれば問題ない」
『重量制限に引っかかるなんて、乙の恥にゃ……!!』
キャスパリーグは慎重な足取りで昇降機の中にると、窮屈そうな勢でを丸めた。
數秒待ってもブザーは鳴らない。
骨にホッとした様子で、キャスパリーグが息を吐きだした。
なんとか全員乗り込むことができてよかった。
「それじゃあ移するぞ」
ホランドさんが壁につけられたボタンを押すと、扉は自的に閉まった。
ガタンと音がして、昇降機が発進する。
扉の上には羅針盤を半分に割ったような裝置が取り付けられていて、現在地が一目でわかるようになっていた。
今僕らがいる位置は二階の北棟を指している。
昇降機の進行に合わせて、文字がしずつ移り変わっていく。
三階北棟……四階北棟……四階西棟……。
箱ごと移するのは、すごく不思議な覚だ。
やがてティンと音が鳴り、昇降機は靜止した。
乗り込んだときと同じように一つ目の扉が開くと、その向こうに鉄柵が現れた。さらにその先には、どこかの部屋へ通じる重厚な両開きの扉が見える。
扉もそうだけれど、この階はエントランスに比べて、明らかに特別なじがした。
足元にはふかふかな朱の絨毯が敷かれているし、壁にかけられた裝飾品なども明らかに高級品だ。
「さあ、どうぞ」
ホランドさんが両開きの扉を開いてくれる。
促されて中にると、そこは広々とした會議室のような部屋だった。
部屋の中央には長機が配置されていて、ざっと見ただけでも二〇腳以上の椅子が並べられていた。
一席おきに座った人々が一斉にこちらを振り返る。
年齢も別も様々だけれど、全員ホランドさんと同じ漆黒の制服を著用している。
ちなみに下で事務作業をしていたギルド職員たちは、同じデザインで違いの制服をに纏っていた。
どうやらこの人たちがギルド本部の幹部らしい。
「噂の年のご登場か。隨分華奢なつきをしているな。風魔法一発で隣の町まで吹っ飛ばせそうだぞ」
「ふうん、この坊やが本當にメデューサを倒したの?」
「メデューサも油斷したんだろう。倒してくれた事はありがたいが」
「この年が一人で倒したとは思えないから、ホランドがほとんどやったんじゃないのか?」
幹部たちは僕を観察するように眺めながら、思ったことをそのまま口にした。
明かに値踏みされている。
フェンとキャスパリーグもそれをじ取ったのか、彼らを睨みつけて唸り聲をあげた。
「いや、呼び出しておいてその態度は失禮じゃないですか」
言われたい放題だよなあと思いながら、思わずツッコミをれると、一番奧の席に座っていたが大笑いしはじめた。
「ぷっあはは! 田舎から出てきたばかりの年だっていうから、びくついて委するかと思ったら、隨分肝が據わってるのねえ。面白い子じゃないか」
白に近い銀髪を肩の上でばっさりと揃えたそのは、おそらく年齢は二〇代後半。
きつそうな印象を與えるが、驚くほどの人である。
あとは……制服で無理やり押さえつけているような大きながどうしたって目についてしまった。
彼は機の上で両手を組むと、上目遣いに僕を見上げ、にやりと笑った。
「私が冒険者ギルド本部のギルドマスターだ。よろしくな、興味深い年」
【※作者からの大切なお願い】
皆様のおかげで現在月間ハイファンランキング5位に位置しています。
応援、本當にありがとうございます!
なんとかもうし上を目指したいので、どうか一度だけお力を貸してください……!
下にある☆☆☆☆☆を★★★★★に変えていただけると、ポイントを追加できます。
まだまだ更新がんばりますので、ご支援よろしくお願いします!(๑´▿`๑)
- 連載中38 章
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193 - 連載中93 章
【書籍化】探索魔法は最強です~追放されたおっさん冒険者は探査と感知の魔法で成り上がる~
※BKブックス様より第1巻好評発売中! リーダーやメンバーから理不盡なパワハラを受け、冒険者パーティを追放されてしまったおっさん冒険者ロノム。 しかし、趣味に使える程度だと思っていた探査と感知の魔法は他を寄せ付けない圧倒的な便利さを誇っており、全てのダンジョン探索がイージーモードになるような能力だった。 おっさん冒険者ロノムはその能力もさることながら、人當たりの良さと器の大きさもあって新パーティのメンバーや後援者、更には冒険者ギルドや國の重鎮達にも好かれていき、周りの後押しも受けながらいつしか伝説の冒険者と呼ばれるようになっていく。 一方、知らないところでロノムの探査魔法にダンジョン攻略を依存していた前のパーティーはどんどん落ちぶれていくのであった。 追放によって運が開かれたおっさん冒険者のサクセスストーリー。
8 67 - 連載中49 章
転生魔王、冒険者になる
「あれ、ここどこ? あー、俺転生して魔王になるんだんだっけ?」 俺ことユウキは高校でのいじめにより自殺した。だが、たまたま自分の納めている異世界の魔王が壽命で死に、次期魔王となる転生者を探していた神に選ばれ、チートをもらい魔王になることになった
8 152 - 連載中16 章
始創終焉神の俺、異世界を満喫する!
神々を造り出した最古の神である俺、覇神魔王 竜鬼(はしまの りゅうき)はある日反逆した神達に殺された。そして異世界へ飛ばされてしまう。しかし自分の作った神が始めて反逆してくれたことに喜んでいた竜鬼は、異世界を満喫することに!?圧倒的な力で反逆者からの刺客を倒しながら世界を変えていく、彼の伝説が始まる… 処女作になりますゆえ、暖かい目で見ていただけると幸いでございます。投稿は速くするよう心掛けますが、不定期で投稿させていただきます。また、この作品では神の數えかたを一人、二人,,,とさしていただきます。よろしくお願いいたします。
8 187 - 連載中37 章
従妹に懐かれすぎてる件
昔から仲の良かった従妹が高校進學を機に一人暮らしの俺の家に住むことになった。 可愛い女の子と暮らせるなんて夢のようだ、と思ったのだが……。 「ゆうにぃ、おはようのキスは?」 俺の従妹は想像以上に懐いていました。 もはや同居じゃなくて同棲、ラブラブな新婚生活だよこれ……。 季節を追ってエピソードが繰り広げられていく日常アニメならぬ日常ラノベ! 甘々過ぎてちょっぴり危険な二人の生活を覗きに行きましょう! 2017/7/28-30 本日のノベルバ ランキングにて2位をいただきました!
8 136 - 連載中12 章
こんにちは!この世界の勇者を倒しに來ました!〜『世界』を旅する転生旅行記〜
ある日、トラックに轢かれたワタルは、どうみても悪魔な自稱女神に異世界の勇者を倒す使命を任されました!? コメントや、いいね。もしくはお気に入り登録していただけると、制作の勵みになり、作者が小躍りします。ぜひよろしくお願いします!
8 189