《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》友達のためならなんでもする
侯爵の資料を見て、僕の考えは一変した。
「この依頼、お引きけさせていただきます」
僕の言葉を聞き、侯爵が表を曇らせる。
「……引きけさせてもらうだと? ははは。君はまだ口の聞き方も知らないらしい。それでは、けるかけないかを君が判斷できる立場にあるように聞こえてしまうぞ。私は寛大だから構わんが、口の聞き方には気をつけたほうがいいようだ」
僕が返事をする前に、侯爵は席を立った。
「――さて、それでは的な話は、王立研究所でしよう。出かけるしたくをしてくるので待っていてくれ」
そう言い殘すと、侯爵はさっさと部屋を出て行った。
再び僕らは待たされることになってしまった。
「……多分また一時間以上戻ってこないぞ」
「そんな気がしました……」
「だがそれよりもだ! どうしてあんな無禮な男の依頼をけるなんて言ったんだ!? まさか、ギルド本部でレイリィさんに釘を刺されたからじゃ……」
「違います。僕も直前まで斷るつもりでいたんです」
「だったらなぜ……」
「失蹤したのほうが、僕の知り合いのお姉さんかもしれないんです……」
「……!? なんだって……」
僕は侯爵がテーブルの上に殘していった書類を手に取った。
何度確認しようと変わらない。
そこに寫っている失蹤したの顔寫真は、アリシアにとてもよく似ていた。
アリシアと同じ赤に、し気が強そうな瞳。
けれど、彼のほうがアリシアより大人びている。
失蹤したの名前は『レイラ・フォックス』。
アリシアと同じ『フォックス』姓だ。
そのうえレイラさんは港灣都市ギャレット出なのだ。
僕はアリシアが以前に言っていた言葉を思い出した。
――姉さんは新薬の開発を行うメンバーに選ばれていて、一年の契約で王都に行っているわ。今ちょうど半年経ったぐらいね――
この失蹤したが、アリシアのお姉さんである可能はかなり高い。
僕が自分の疑念を打ち明けると、ホランドさんは渋い顔で顎に手を當てた。
「確かに君の説明通りだと、失蹤者はそのの姉である可能がかなり高そうだ」
「そうですよね……」
「そのアリシアというは、君とどんな関りがあるんだ?」
「あ、えっと……」
僕は、アリシアと知り合った経緯や、ギャレットでお世話になっていることまでをホランドさんに説明した。
「なっ!? ディオ君、田舎から出てきて早々に同棲をはじめたってのか!?」
「ち、違います!! どんな誤解ですか!! 居候ですって!!」
僕は慌てて両手を振った。
「……本當にただの同居か? 年頃の若い男がふたりきりで住んでるんだろう……?」
ホランドさんは疑わしき目で僕を見てくる。
「ホランドさん、目つきも口調もおっさんっぽいんです」
「なっ」
ショックをけた顔で固まってしまったホランドさんに向かい、やれやれとため息を吐く。
「ふざけてる場合じゃないので、話を戻します。レイラさんがアリシアのお姉さんだったら、放っておけるわけがないんです。あの侯爵の人柄に対しては確かに僕も思うところはあります。でも、自分の苛立ちなんてこの狀況では問題にはなりません」
「彼のために、自分の怒りは飲み込むってことか」
どういうニュアンスで『彼』という単語を使ったのか判斷しかねたが、とにかく頷き返す。
「……君はすごいな」
「え?」
「あれだけ失禮な人間が相手だ。大人だってなかなかを抑えることができないぞ。俺だって、何度、君を連れて部屋を出ていこうと思ったかわからないぐらいだ。それなのに君はしっかり冷靜な判斷を下してみせた」
「普通のことですよ。友達のが事件に巻き込まれているかもしれないんですよ? 何を差し置いても、僕にできることをしなくちゃ」
「よっぽどその子と親しいんだな。何を差し置いてもなんてなかなか言えるセリフじゃないよ」
「確かにアリシアには仲良くしてもらっています。でも、アリシアじゃなくホランドさんだって僕は同じ選択をしたと思います。ホランドさんも僕にとっては大切な友達なので」
「君ってやつは……」
ホランドさんは恥ずかしいのか顔を赤くし、目をそらしてしまった。
「あ、すみません、目上の人に友達なんていってしまって……!」
「い、いやそれは別に構わないというか、友達だと思ってくれていてなんならうれしいぐらいだが……なんというか君のそういう純粋で真っ直ぐなところは、すれた大人の俺からしたら眩しすぎるな……」
「……あの、変に照れられるとちょっと気持ち悪いです……」
「俺だって自分で自分が気持ち悪いよ!!」
大人になると、友達だと言われたぐらいで照れたりするようになるのだろうか。
大人って生きづらそうだな……。
「……とりあえず事はわかった。そういうことなら、俺もしっかり協力させてもらう」
「ありがとうございます。まずアリシアのお姉さんであるかをしっかり確かめたいと思います」
「そうだな。あの侯爵が持ってる報なんてたかが知れているだろうから、王立研究所の職員の中で、レイラ・フォックスと親しく付き合っていたものを見つけ出し、事を聴いてみよう」
「はい、わかりました」
これからするべきことが決まった。
アリシアにはまだ連絡をいれるのはやめておいたほうがいいだろう。
人違いなら、彼を無意味に傷つけるだけだから。
失蹤者がアリシアの姉でないことを願わずにはいられない。
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