《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》邪魔者を追い出す

「全然戻ってこないうえ、ホランド君がやけに私を引き留めたがるから妙だと思ったんだ! ここで何をしていた!」

侯爵が怒鳴りながら詰め寄ってくる。

いきなり聲をあげ不自然な怒り方である。

「今回の失蹤事件に関して話を聞いていただけです」

冷靜に答える僕と、真っ赤な顔で激怒している侯爵は対照的だ。

「話は先ほど十分聞いただろう!? 質問があれば、そのときにしてくれればよかったんだ。ここは本來部外者の立ちりがじられている研究所なんだよ。勝手なことをされては困るね!」

「失禮ですが、あなたが同席している狀態で得られた新たな報は皆無でした」

「なんて生意気な子供なんだ!!」

侯爵は顔を真っ赤にして興している。

割ってろうとするホランドさんに向かい、僕は大丈夫だというように目配せをした。

研究員たちははらはらとした表でやり取りを見守っている。

「事をしっかり理解しなければ、捜索しようがないので、正確な報が必要なんです」

「そんなものやれる範囲で捜せばいいだろう!」

「やれる範囲? それだとほぼできることはないですよ」

「それならそれまでだ!」

「まるで失蹤した研究員を真面目に捜す気がないように聞こえますね」

侯爵の口元が不自然にヒクッと引き攣った。

「……な、なんだと? そんなこと思っているわけがないだろうが……!! 駆け落ち事件なんだから、探すだけ無駄だということだ」

「駆け落ち事件だと決めつけるだけの証拠はないようです。遭難事件だった場合、あなたは捜索願いすら出さなかったことになります。その際にどうやって責任を取られるんですか? それとも、あなたが貴族だから誰も責めないのでしょうか?」

「ヌオオオオオオオオッッッ」

ついに侯爵がぶち切れた。

分も下で、取るに足らない相手だと思っている子供なんかに意見されたのが、最後の引き金を引くことになったようだ。

「もう我慢ならんッッッ!!! この依頼は破棄するッ!!! こんな不愉快な想いをさせられたのは初めてだ! 馬鹿馬鹿しい。下賤の人間の捜索など知ったことか。さっさと私の研究所から出ていけ!!!!」

扉を指さして怒鳴り聲をあげる。

「ホランドさん、依頼ってギルドの付にいかなくても、口頭で破棄できるんですか?」

「ああ、一応俺が役職付きだから問題ない」

「じゃあ、今の一言で今回の依頼は完全に破棄されたってことでいいですね?」

ホランドさんは僕に何か考えがあるらしいことを察したらしく、はっきりと頷いた。

「何をごちゃごちゃ言っている! 出て行けといったのがわからんのか!?」

「依頼を破棄するうえ、捜索など知ったことかとおっしゃいましたね。ということは、今回の件はもうあなたには一切関係ないと宣言されたわけですね」

「だからなんだ! 文句でもあるのか!?」

僕は侯爵から研究員たちに視線を移した。

「失蹤事件は侯爵が依頼を破棄したことによって宙ぶらりんの狀態になりました。改めて、あなたがたから仲間の捜索願いという形でギルドに今依頼を出していただけませんか?」

僕は勝手に調べるより、依頼という形で請け負ったほうが報収集しやすいと考えた。依頼としてければ、研究所に出りすることもできるからだ。

侯爵はあんぐり口を開けた後、白目を剝いて怒鳴った。

「小僧、研究所には出りさせんぞッッッ!!!!!!!」

「それは無理ですね」

空気を読んで今まで黙っていたホランドさんが、援護撃をしてくれる。

「ギルドから依頼をけて訪ねてきた冒険者を門前払いにすれば、あらぬ疑いをかけられますよ? 人が失蹤している事件なので、ギルドから憲兵隊に話を持っていくことだってできるんです」

「……貴様ら侯爵である私を脅す気か」

ホランドさんはあくどい笑みを浮かべて、軽く肩を竦めてみせた。

「まさか。侯爵様のことを案じているからこそ、忠告させていただいたんですよ」

ホランドさんとやりあっても敵わないと思ったのか、侯爵がばっと研究員を振り返る。

「おまえら! 依頼など出さんだろうな!? 勝手は許さんぞ!!」

研究員たちは互いに顔を見合わせた。

彼らは怯えてはいるが、それでもその瞳には確かな意思が宿っていた。

「……侯爵様のいいなりになって、仲間を見捨てることはできません」

「なっ……!?」

絶句した侯爵の肩越しに、研究員たちが僕を見つめてくる。

「僕たち研究員一同がギルドへ依頼を出します! どうか仲間を捜してください……!」

「お願いします……!!!!」

研究員たちが一斉に頭を下げてくる。

その脇で、孤立無援となった侯爵が怒りで震えている。

「き、貴様らああああああ……!! 覚えていろよ……!!!!! 必ずこの恥辱への償いをさせてやるからなッッッ!!!!」

侯爵は僕を指さしてそうぶと、扉を叩きつけるように閉めて部屋を出ていった。

ふう……。

これで邪魔者を追い出せたぞ。

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