《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》計畫と疑

侯爵が負け犬の遠吠えのような態度を取って出ていくと、研究室の空気は一変した。

「侯爵の取りし方、すごかったな……」

「でも、に突っかえていたものが取れたみたいな気分だ」

「ええ、本當に」

ホランドさんがホッとした様子で話す研究員たちを見て、不思議そうに首を傾げた。

「侯爵と最初にこの部屋を訪れたときは、みんな委して一言も意見を言わなかったのに、すごい変化だな……。この短時間で何があったんだ?」

そんな問いかけに対して、研究員たちは恥ずかしそうに苦笑いを返した。

「先ほどは本當にお見苦しい姿をお見せしてしまって……。僕らが覚悟を決められたのも、すべて彼のおかげなんです」

そう言った研究員が、僕に向かって微笑みかけてくる。

他の人たちも、彼に同意するようにうんうんと首を振っている。

「まさかあの侯爵に言い返す事ができるなんて……。ドキドキしたよ……」

「でもそれ以上にすっきりしたな」

「本當に。もし侯爵がクビを言い渡してきても構わないもの」

「あのまま見て見ぬふりをし続けていたら一生後悔する結果になっていたな。そうならずに済んで本當によかった」

研究員たちは腹を括った顔で頷き合った。

「ありがとうございます。みなさんの気持ちは決して無駄にはしません」

僕は研究員たちにお禮を伝えてから、ホランドさんが不在の間、研究員たちから聞いた報を彼に共有した。

「――というわけで、すぐ山へ捜索に向かいたいと考えています」

「……一刻一秒を爭う事態だな。わかった。急いで行を起こそう。この街のギルドに協力を要請するか? ただ、人を集めるためにある程度時間を要するだろうが」

「しかも、もうすぐ日暮れですからね……」

「捜索は夜明けを待って――と言われそうだな」

「嗅覚強化のスキルがあるので、ひとまず僕とフェン、それにキャスパリーグで捜索してみます」

「なるほど! その手があったか」

『私も嗅覚には自信があるから、ちゃんとお手伝いしてあげるにゃよ』

『嗅覚なら貓よりフェンリルの能力のほうが優れている。主、化け貓より我を頼るがいい』

『にゃんだと~!?』

『ふん』

めかかったふたりをべりっと引き離してから、ホランドさんに向き直る。

「夜になったら、レイラさんとジェイラスさんを発見できてもできなくても、一旦合流するので、ギルドに協力を要請するかはそのときに相談しましょう」

「了解」

「その間、ホランドさんにしてもらいたいことがあります。アリシアとジェイラスさんの弟に連絡し、家族が失蹤していることを伝えてもらいたいんです。もしかしたら家族のところに帰ってるだけかもしれないですしね」

本當は港灣都市ギャレットに戻ってアリシアに直接伝えたほうがいいのではと迷った。

でもレイラさんたちの人命を優先させるなら、僕は今すぐに山へ捜索に向かうべきだろう。

アリシアもきっとそれをむはずだ。

「二人のことは任せろ」

「すみません。つらい役回りを押し付けてしまって」

「何、水臭いことを言ってるんだ。俺では捜索の役に立てそうにないから、そちらはよろしく頼むぞ」

「はい。もしアリシアが王都に來たがったら、捜索が終わった後すぐ僕が迎えに行くと伝えてください」

なりふり構わず最速で移すれば、ギャレットにだって六時間ほどで辿り著けるはずだ。

「……今日はすでに一度、飛翔魔法で長距離移しているだろう? それに山にだって飛翔魔法で向かうつもりじゃないのか? そのうえ、ギャレットに飛ぶなんてさすがの君でも力が持たないだろ……!?」

力には自信があります。それに、アリシアの気持ちを考えたら、そんなこと気にしてられません。……アリシアのことが心配なんです」

「……まったく。君の底なしの優しさには驚かされるな」

「それから研究員の方々から、より詳しい話を聞いておいてほしいです。どんな研究を行っていたのか、山にって事故に巻き込まれたのではないなら、彼らが失蹤した別の機を考えなければならないので」

それまで黙ってやり取りを見守っていた研究員たちが、驚いたように口を開く。

「研究が関係しているかもしれないってことですか?」

「いえ、今はなんともいえません。ただ、すべての可能を疑う必要があると思います」

「たとえば研究に関することで、知るべきではないことを知ってしまったとか……。僕に勝手な振舞をされたと知ったときの侯爵の怒り方も引っかかっているんです」

一同が目を見開く。

「侯爵を疑っているのか……?」

「まだわかりません」

あの人が単なる考えなしの自慢屋ならそれに越したことはない。

でも、萬が一、すべての行が計算されたものだったら……。

僕が最悪の事態を考えていると、ホランドさんが話しかけてきた。

「侯爵は貴族にありがちな短絡的な人間だと思うが……。わかった。ディオ君の直を信じる。侯爵のことも調べておくから安心してくれ」

「ありがとうございます、よろしくお願いします」

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