《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》ディオが見つけ出した些細な痕跡

レイラさんは、城下町にある古いアパートの一室を間借りしていた。

部屋の鍵を借りる際、一階に住んでいる大家の老婦人から話を聞いたが、これといって新しい報は得られなかった。

軋む階段を上がって、レイラさんの部屋がある三階へと向かう。

「ディオ、開けてくれる?」

「わかった」

僕はアリシアに頼まれ部屋の鍵をけ取った。

「研究員たちの話によると、レイラさんが無斷欠勤した當日の夕方に、代表者が一度このアパートを訪ねてきたらしい。普段と違うところはとくに見つけられなかったと言っていたよ」

ホランドさんは安心させるように、僕とアリシアに向かって頷いてみせた。

彼の表から、今の言葉の裏には、『だから部屋の中でレイラさんのを発見する可能はほぼないだろう』という意味が潛んでいたのだと察した。

「……よし、開けるよ」

警戒はしながら、部屋のドアノブを回す。

ギイイッと低い音がして、扉は側に開いた。

部屋の中の様子が目にった直後、僕は息を呑まずにはいられなかった。

「これは……」

「なんだ、この慘狀は……」

部屋の景を見たホランドさんが目を見開いたまま呟く。

は散々たる有様だ。

ベッドの上には放り投げられた何冊もの本が散らばっており、開けっぱなしの裝タンスは中を引っ掻き回されていた。

投げ出された服や、散するメモ用紙で床板は全く見えない。

「ひどいな! 家探しをされたのか……!?」

ホランドさんが辺りを見回しながら唸る。

「ま、待って……! 多分違うわ……!」

ホランドさんと僕は二人同時に「えっ?」と聲を上げ、アリシアを振り返った。

「そのぉ……実は……姉は片づけが壊滅的に苦手で、いつも部屋はこの狀態なの……。だから、多分、誰かが侵したわけじゃないと思うわ……」

僕とホランドさんは思わず顔を見合わせた。

「な、なるほど……。一応、爭いがあった形跡がないかだけ確認しておくよ」

嗅覚強化魔法を発させ、不穏な匂いなどがしないかを確かめる。

幸い、部屋からの匂いなどはじられなかった。

「これじゃあ泥棒にられたと思われても仕方ないわよね……」

アリシアがため息じりの聲で言う。

「ま、まあ、それはともかく、部屋の捜索はしたほうがいいだろう。何か今回の失蹤に繋がる証拠が見つかるかもしれない」

ホランドさんの言葉に僕とアリシアは頷き返した。

ひとまずタンスの中はアリシアに任せ、僕とホランドさんは機周りを調べることにする。

ここが室で一番混を極めていた。

研究者だけあって、機の上には雑多なメモや開かれたままの書籍が詰みあがっている。

「専門用語ばかりで何が書いてあるのかわからないな……」

メモを手に取りながらホランドさんが首を橫に振る。

「そういえば研究についてまだ聞いていませんでした」

山へ向かう前に、研究容についても調べておいてくれるようホランドさんに頼んであったのだ。

アリシアを迎えに行くことを優先したため、まだ詳細については聞けていない。

「ああ、その事なら研究員たちから々聞いておいたよ。レイラさんを含めた研究員たちは、どうやら魔を懐かせる魔道の開発を行っていたようだ。しかもすでに、草食系の魔をさらに穏やかにさせ、人に懐きやすくさせることには功したらしい。ただ、食系の魔や攻撃力の高い魔、危険度の高い魔相手ではまだ満足のいく効果を得られていないんだそうだ。レイラさんは魔道の欠點をなんとか改良するため、ヘンウェンの素材を利用したいと思っていた可能が高いみたいだな」

「なるほど……それでヘンウェンの素材を取りに出かけたという事ですね」

話を聞きながら書置きメモを整理していたホランドさんの手が止まる。

メモの中には見慣れない文字で書かれた紙が紛れ込んでいた。

「何語だ、これ……? 研究員が使う特殊文字とかだろうか?」

ホランドさんは首を傾げながらも、それを他の紙とひとまとめにしようとした。

「あっ、ちょっと待ってください」

紙の下のほうが何箇所か撚れていることに気づき、ホランドさんの手を止める。

まるで水滴を垂らしたかのように見える。

「これ……もしかして涙の痕じゃないですか……?」

「……! 言われてみれば、そんなふうに見えるな……! でかしたぞ、ディオ君!! もしこれが単に明なを零したあとではなく、レイラさんの涙の形跡だったら、何か特別なメモの可能がある!!」

「この文字が判読できればいいんですが……。アリシア、ちょっとこっちに來てくれる?」

僕の聲を聞き、タンスを漁っていたアリシアが駆け寄ってくる。

「お姉さんがこういう文字を使ってるのを見たことがないかな?」

紙を覗き込んだアリシアは、あっと聲をあげた。

「これ……私が子供の頃、姉が玩代わりに用意してくれた暗號だわ……!!」

「なんだって!?」

「アリシア、今もこれを解読できるの?」

「ええ、もちろん」

僕から手渡されたメモ帳を両手で握って、アリシアが音読をはじめる。

そこには、レイラさんからアリシアに向けられた驚愕のメッセージが殘されていたのだった――。

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