《【書籍化】悪喰の最強賢者 ~兄のせいで『加護なしの無能は出て行け!』と実家を追放されたけど、最強の力が覚醒したので無雙します。危険度SSランクの魔なら、僕が食べ盡くしましたよ?~》扉の向こう
僕はアリシアを抱きかかえた狀態で、飛翔魔法を使い、ジェイラスさんの故郷ウエズスタンを目指した。
ちなみに、フェンはアリシアの腕の中で大人しくしている。
スライムは飛ばされないよう、僕のポケットの中にしまってある。
ウエズスタンは王都から北に向かい、山を二つ越えた丘陵地帯に広がる街だった。
街自がなだらかな丘にそって形されており、あちこちに果樹園がある。
『わああ、おいしいそうな果がたくさんあるねー』
ポケットから顔を出したスライムが、よだれをたらしながら言う。
フェンやキャスパリーグと同じように、スライムもやっぱり食いしん坊のようだ。
スライムの言葉を伝えると、アリシアはふふっと可い笑い聲を零した。
「今回のことが落ち著いたら、みんなにはフルーツパイをご馳走するわ」
スライムのマイペースな発言によって、僕もアリシアもしだけ和むことができた。
狀況が狀況なだけに、気を抜くと空気が重くなってしまう。
本當はもっと堂々と構えて、アリシアを支えられればいいのにと思うのだけれど、なかなかうまくできない。
そんなことを考えているうちに、僕らは丘の上にある診療所に到著した。
付で部屋番號を聞き、ジェイラスさんの弟トニーの病室へ向かう。
開け放たれた扉の前に立ち、まずは中の様子を伺う。
窓際のベッドの上には七歳ぐらいの男の子がいて、背もたれによりかかりながらぼんやりとしていた。
子供らしさがじられないほどこけた頬と、瘦せ細った。
トニーが重病人だということが一目でじ取れた。
アリシアも痛ましくじているのだろう。
複雑そうな顔で、を噛みしめている。
「こんにちは」
挨拶をして、室にっていく。
トニーは、ゆっくりとこちらに視線を向けた。
「こんにちは? えっと、おにいさんたちは……?」
不思議そうに首を傾げるトニーに向い、僕はジェイラスさんの知り合いだと言って名乗った。
「ジェイラスさんと連絡がとりたいんだけど、今どこにいるか知っているかな?」
トニーは殘念そうに眉を下げた。
その表を見ただけで、彼が素直ないい子だということが察せられた。
彼の兄が犯罪を犯したかもしれないと疑っていることが、とても心苦しい。
「行き違いになりましたね。兄さんは當分國を離れると言っていました。王都での研究が終わったので、すぐ次の仕事に向かうらしくて。今度の仕事はかなり長くなるみたいで、落ち著くまで連絡をれるのも難しいそうなんです。昨日會いに來てくれた時に言ってました」
「昨日……」
アリシアが、がっかりした聲で呟く。
「兄に會いたいんですね。もしかしたら……。近くに両親が殘してくれた倉庫代わりの小屋があるんです。兄は仕事に出る時、いつも何日か籠って素材の下準備をしていくので、もしかしたら小屋に行けば會えるかもしれません」
「ありがとう。行ってみるよ」
年に小屋の場所を教えてもらい、お禮を言って部屋を後にする。
部屋の外に出たところで年配の太った看護師とばったり鉢合わせた。
「あら、トニーくんのお見舞い?」
いきなり笑顔で問いかけてきた看護師は、僕らが返事をするより先にベラベラと喋りはじめた。
相當話好きのようだ。
「ジェイラスさん以外でお見舞いに來てくれる人なんて初めてじゃないかしら。トニー君、とってもいい子なのに、いつもさみしそうだから可哀そうで可哀そうで……。でも、手が功して本當に良かったわね! ジェイラスさんも、あんな大金を弟さんのために用意なさるなんて、相當苦労されたでしょうし。あっ、こんな噂話よくないわね! おほほ!」
そう言い、看護師は逃げるように病室へっていった。
手が功した話はもちろん喜ばしい。
だが、どうしたって引っかかる。
あの雨りだらけの部屋。請求書、催促狀の束。
ジェイラスさんは、いったいどうやって大金を用意したのか。
◇◇◇
診療所を出た僕らは、その足で街の外れにある小屋へとやってきた。
扉の前に立った瞬間から、嫌な騒ぎが止まらない。
「嗅覚強化」
鼻の中につーんと衝撃がはしり、ひどいにおいに思わず口を覆う。
『主、この臭いはおそらく……』
フェンも鼻が効くので匂いの正に気づいたようだ。
「ディオ、何気づいたことがあるの……?」
アリシアが不安そうな顔で聞いてくる。
「中で誰か亡くなっているみたいだ……」
「まさか、姉さんが……」
真っ青な顔になったアリシアが、ふらっとよろめく。
「アリシア!」
僕は倒れそうになるアリシアを慌てて抱きとめた。
「ごめんなさい、私……」
「大丈夫だから、しゃべらなくていい。僕が中を確認してくるから、アリシアは離れた場所にいて」
「……大丈夫だから、私も一緒につれていって……。自分の目で確かめたいから……」
青ざめた顔のまま、それでもアリシアはきっぱりと言った。
「……わかった。開けるよ」
アリシアがこくりと頷くのを確認してから、僕はドアノブを回した。
キイイイと音が鳴り、扉が開く。
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