《【WEB版】灼熱の魔様の楽しい溫泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の溫泉帝國を築きます~【書籍化+コミカライズ】》62.魔様、剣聖の剣をきもせずに『消して』しまう

「そのお方はぁぁあああ、灼熱の魔様ですぅうううう!」

「灼熱の魔様やぞぉお! 舐め腐ると痛い目見るでぇ! 騎士など、く(・)っ(・)こ(・)ろ(・)させてやるわ!」

「しゃっくねっつのまじょぉおおですぅう! かかってここんかい、われぇえ!」

私がかっこよく名乗りをあげようとした矢先、後ろの方でやんややんやの大騒ぎ。

しかも、あろうことか私の名前を造して相手に伝える。

「ちょっと、あんたたち、なにしてくれてるのよ!? 私の見せ場が臺無しじゃない!」

村の見張り臺でやいのやいのやっている連中に猛抗議する。

人の気も知らないで、まったくもって、ふざけた連中だと思う。

特にメテオとクエイク、あんたらは火に油を注いでいるからね、後で絶対に許さないから。

「何を言ってるんだ、あいつらは!?」

「灼熱の魔なんかいるわけないだろ!」

「この期に及んで噓で乗り切ろうと思うなよ!」

ほーら見てよ、向こうの兵隊たちからは罵詈雑言が飛んでくるじゃない。

こんなシリアスな場面でおとぎ話の話をするなんて、どう考えてもバカにしてるとしか思えないでしょ。

「しゃ、灼熱の魔だと……? それは子供の頃に聞いた話のやつなのだ! 騙されないのだぞ!」

クレイモアは一瞬、きょとんと虛をつかれた顔をしていたが、すぐに私をにらみつける。

うぅ、怖い。

相手をしたくない。

「ええい、あんたが誰だろうが、どうでもいいのだ! リリアナ様を拐した罪、あたしの剣を壊してくれた罪、覚悟してもらうのだ!」

は腰から片手剣を抜きだすと、私にぎらりとその刃を向ける。

モンスター相手には何度となく戦ってきたけれど、人間相手に自分の能力を使うのは久しぶりかもしれない。

すべき村民と仲間たちと溫泉のために、私は負けるわけにいかない。

「リリアナ様は返してもらうのだ!」

クレイモアが渾の力を込めて、さきほど村長さんを吹っ飛ばした技を発させる。

あまりに剣速が早いので熱視線(ヒートアイ)で剣をぶった切る方法は使えない。

でも、大丈夫。

こんな時のために奧の手の『護』を用意してきたんだから!

私はララとの特訓を思い出す——

「ねぇ、ララ、護につけたいんだけど」

ある日のことだ。

私はモンスターがうようよいる辺境で生き抜くために、護に著けようと決心した。

「熱でえいっと発させたり、ぶった切ったりすればいいじゃないですか。攻撃は最大の防ですよ?」

「いや、それはそれでありだけどさぁ。なんかこう、の子っぽくないでしょ?」

「ふーむ、の子っぽい技なんて技がありますでしょうか」

「ぐっ、鋭い……」

ララからのツッコミに反論することは確かにできなかった。

モンスターたちがこちらを獲と思って襲ってくる以上、先制攻撃してやっつけるのが一番なのはわかる。

だけど、自分を守るための防技みたいなのは必要だとおもうのだ。

「それでしたら、冒険者たちのトレーニングでも見ておけば、ヒントになるかもしれませんよ」

ララはいいアイデアを出してくれる。

なるほど、剣の模擬試合とかで、防の技を駆使する場面もあるよね。

たぶんきっと、役に立つだろう。

「おじいちゃん、殺す気でいきますよぉおおお!」

「極楽におくってくれい!」

村の冒険者たちのたまり場に行ってみると、ちょうど、村長さんとハンナの模擬戦が行われていた。

あんたらなんつぅ掛け聲しながら、試合してるのよ。

「ひぃいい、あいつら化けもんだ……」

冒険者たちは明らかに引いた様子で二人の試合を見ている。

怯えるのもよく分かる。

二人の剣の応酬は凄まじく目で追いかけるのもやっとだ。

がぎぃん、がぎぃん、と金屬のれ合う音が響く。

「魔様、危ない!!」

その時だった。

なんと村長さんの一撃をけ止めたハンナの剣が折れてしまったのだ。

しかも、その折れた剣はすごい勢いでこっちに向かってくる。

人間の本能というのは恐ろしいもので、こういう極限狀態にいると事がゆっくりにみえる。

慌てて魔法を発させようとするララの表

目を丸くして驚く冒険者たちの表

全てがスローになって見えた。

折れた剣の勢いは尋常ではなく、私の元をかき切る様子がありありとわかる。

このままじゃ、死ぬ。

そう思った瞬間に、私のに熱が湧き上がってくる。

その熱は私のを包み込み……

次の瞬間。

じゅっ、と音がした。

「魔様!!!!??」

一瞬のことだった。

私の方向に飛んできた折れた剣はなくなってしまったのだ。

あとかともなく。

忽然と。

皆の驚いた表をみて、私は自分が生きているということに気づいた。

……そして、私の新しい護が生まれた。

「なぁっ!?」

クレイモアの聲が荒野に響く。

私の首をはねたと確信していたはずの彼の剣が『消えて』しまったのだ。

まるで先日の折れた剣と同じように。

何が起きたのかって?

私は自分ののまわりに熱の鎧を発生させたのだ。

れただけですべてのものが溶けだすほど巨大な熱が私を覆いつくす高熱の鎧を!

クレイモアの剣は私を覆う高熱の鎧に直撃し、次の瞬間には溶かされてしまったのだ。

この技、名付けて熱鎧(ヒートドレス)!

うん、いいじ。

可憐な乙にはぴったりというか。

「ご主人さま! さすがです!」

ララは飛び跳ねて喜ぶ。

ふふふ、折れた剣から回避するために開発したんだけど、発させといてよかった。

よぉし、これでやっと相手を無力化できたって言えるかな。

剣聖なんだし、剣が使えなきゃ戦意喪失してくれるよね?

【魔様の発揮した能力】

・熱鎧:高熱で自分自を覆う技。ユオは防だと思っているが、そのまま敵に突っ込めば破壊的なことになる。溫度調節は可能だが、金屬さえ瞬時に蒸発させる。ただし、見た目は変わらず、その溫度も外部には伝わりにくい構造になっている。

「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「魔様、いい仕事してます……」

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