《【WEB版】灼熱の魔様の楽しい溫泉領地経営 ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の溫泉帝國を築きます~【書籍化+コミカライズ】》79.魔様、サジタリウス辺境伯の城にピクニック気分で出発するも、白目をむく

「よっし、行くわよ!」

今日はサジタリウスまでの旅に出発する日なのである。

目的はもちろん、リリのお父さん、サジタリアス辺境伯に會うこと。

そして、リリの正式な滯在を許可してもらう。

同行するメンバーは道案役のクエイクと、里帰りするリリ、その護衛役のクレイモアだ。

もっていくものは塩。

半全自で塩をつくれるようになったので、かなりの分量を運ぶことができそうだ。

村人たちが頑張って袋詰めしてくれたのだ。

ぜったいにいい返事をもらってこなくちゃ。

「ご主人様、本當は私もついていきたいのですが……」

ララはそう言って心配そうな顔をする。

は機転も利くし、どんな事態でもじない。

一緒に行ってくれたらとっても安心だ。

でも、メテオを放っておいたら訓練所とやらが悪ふざけしたものになってしまうと予している。

いや、本能がそうんでいるじだ。

ララにはそのお目付け役として村に滯在してもらうことにしたのだ。

「大丈夫。ララの作ってくれたドレスもあるし」

そして、私が機嫌がいいのにはちょっとした理由がある。

メテオが品質のいい生地を仕れることができたので、ララにドレスを作ってもらったのだ。

いつもは領主らしからぬラフな服裝をしているけれど、たまにはドレスだって著てみたい。

このドレスは毒耐や破損耐、さらにはシワ・ヨレ防止機能など各種防護機能がついているとのこと。

破損防止とかおてんばなところのある私としては非常にありがたい。

にひひ、サジタリウスで『斷の大地の領主はけっこうかわいい』なんて言われたら、どうしよう!?

……おっと、いけない、いけない。

今回の目的はリリの渉なのだった。

自分のことばっかり考えちゃダメだよね。

とはいえ、かわいいドレスにを包まれると、テンションがあがるってものなのだ。

「気にってもらって誠に栄です。ご主人様、ご武運を!」

ララはそう言って私の手をぎゅっと握ってくれる。

大丈夫、なるようになるから、心配しないで。

「ふふふ、シュガーちゃんもおるし、うちらにまかしとき」

クエイクの話によると、サジタリアスまでは馬車で3日ほどかかるそうだ。

道中はシュガーショックが守ってくれるのでモンスターもおらず、快適な旅だとのこと。

クエイクとシュガーショックがうまくいくのか謎だったけど、今ではとっても仲良しだ。

シュガーショックに追われて半べそをかいていたのが噓だったみたい。

「うん、頼りにしてるよ。クエイクも、シュガーショックも」

「とはいっても、荒野をひたすら進むだけやからなぁ」

クエイクはそう言って渋い顔をする。

確かに私が辺境の村に來た時、見渡す限りの荒野を馬でひたすら進んだだけだった。

荒れた街道には宿屋もないし、面白いものは何一つない印象。

これから街道を整備するときに休憩所とか連絡所とかも作った方がいいのかもしれない。

わうわうっ!

これからの旅路に思いをはせていると、シュガーショックがやってくる。

今日は大型化していて、白い巨に鋭い瞳はまさに猛獣。

初めて見た人は腰を抜かすかもしれないけど、私たちを守ってくれる優しい存在だ。

「うひゃっ!?」

シュガーショックは私のを鼻でひょいっと持ち上げて、その背中に乗せる。

相変わらずのもふもふ合で、最高の乗り心地だ。

「この子に乗ってサジタリアスまで行けたらいいんだけどね」

そんなことを思いながら頭をなでていると、シュガーショックはわうわうっと返事をする。

さらには、他のメンバーのほうを見て、くるるっとを鳴らす。

……ひょっとして、乗って行けって言ってるの? 荷もあるんだよ?

わうわうっ!

シュガーショックは威勢のいい返事をして、こくこくとうなずく。

今までは護衛役として頼んでたけど、乗りになってくれるのもありかもしれない。

おとぎ話の聖獣といえば風のように速く走るとか言うし。

「よぉし、シュガーショックに塩を積み込んで! みんなも乗ってちょうだい」

かなり重い荷だろうにシュガーショックは塩を積んでもよろけることはない。

私たちが背中に乗っても重心が移することもなく、まるっきり平気なようだ。

「シュガーちゃんに乗れるんですか! ほんまに嬉しいわぁ」

「ひぃいい、怖いですぅうう」

「リリアナ様、大丈夫なのだ。おやつもあるのだよ」

他のメンバーの反応は三者三様だけど、いずれ慣れてくれることを願おう。

リリがあんまり怖がるから、クレイモアと一緒に縛っておくことにした。

「それじゃ、サジタリアス辺境伯のところまでしゅっぱーつ!」

そんなわけで私たちはシュガーショックに乗って出発したのだった。

荷馬車よりも揺れるけど、風は気持ちいいだろう。

頭上には雲一つない青空が広がっていて、かなり快適な旅になりそうだ。

よぉし、途中でどんな場所に宿場をつくればいいか考えながら進もう。

そして、お腹が減ったらクレイモアの味しいお菓子を食べよう。

ふふふ、気心の知れた仲間とピクニック気分っていうのもいいよね。

————なんてことを思っていた。

「ひぃぃいえええええええ!?」

おっそろしいことが起こった。

出発の合図をした瞬間、シュガーショックは猛然と走り出したのだ。

それも神速というか、速というか、とにかく呼吸ができないほどの速さで!

「と、と、と、とととおとぉまあぁああとまぁあああってぇええええ」

「ぴぇええ………………」

「にゃはははは! おもしろいのだ! ん、クエイクはトマト食べたいのか?」

シュガーショックの背中にしがみつく私たちは大きな悲鳴を上げる。

リリはおそらく失神しているようだ。

無事なのはクレイモアだけであり、私も意識を保つだけで一杯。

「にゃはははっ! どんどん行くのだ! 辺境伯のところまで、どかーんと!」

クレイモアのやけに気な馬鹿笑いだけが荒野に響いたのだった。

あと、おそらくクエイクが言いたいのは「止まれ」だと思う。

【魔様の手にれたもの】

大量の魔塩:魔様の塩工房で作られた大量の塩。ララは魔塩と呼んでいるが、ユオは決して認めていない。メテオはユオのプライベート溫泉から塩を作る計畫を発案したが、死ぬほど怒られた。しかし、今でもあきらめていない。

「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「クレイモア、強すぎ……」

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