《お薬、出します!~濡れを著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】》公爵家の門番
王國東部に位置するワンダール領は國でも有數の資源の寶庫だ。
その昔、この地の資源を奪い合う時代もあったがワンダール公爵の先祖に領地として與えられてからは一変する。
あらゆる貴重な資源は公爵家が管理して、信頼できる貴族家に分配された。
魔力水やレスの葉など、國に輸出する資源の大部分を擔っている。質も保証されており、専用の溫室で管理されるなど徹底されていた。
メディとエルメダは長旅の末、ついにクレセインに辿り著く。
「まるでポーションの合いみたいな町です!」
「ハハハ、メディらしいね。確かに鮮やかな合いの建が目立つね」
噴水一つとっても蕓品のような造形であり、周囲に咲きれる花々にメディがする。
そして特に注目したのは調合素材の店だ。ただしその価格はメディが知るものではなかった。
レスの葉 ランク:B
魔力水 ランク:B
ブルーハーブ ランク:B
「私が買ったものと桁が違います……」
「あっちは更に高いね」
「ランクAですね。高級品で私には手が出ません」
しい玩を目の當たりにしたようにメディが目を輝かせている。うずうずする様はエルメダとしても、もどかしい。
メディのような薬師こそ、こういった素材を手にするべきだとエルメダは決意を新たにした。
ワンダール公爵がどのような人だろうと必ず認めさせてやると強く思いながら、遙か遠くに見える屋敷を見る。
「行くよ。いざ、打倒ワンダール公爵!」
「だ、打倒しちゃダメですよ! 聞かれたら大変なことになります!」
エルメダは急いで両手で口を塞いだ。周囲に目を配りながら、そそくさとワンダール公爵の屋敷へと向かった。
* * *
メディとエルメダは門の前にできている人だかりに驚く。公爵家の前に大膽にも群がる者達の正は様々だ。
なりを整えた高貴な雰囲気を持つ者や大きな荷を背負った商人らしき者、冒険者も何人かいる。
予想外の展開にメディとエルメダはただ立ち盡くすのみだ。
「カラルド子爵からの紹介狀だ! ワンダール公爵へ取り次いでほしい!」
「私はシュツエウド伯爵だぞ! こっちが先だ!」
「俺は二級の冒険者だ! 紅牙のベイウルフといえば聞き覚えがあるだろう!」
メディとエルメダがどうしようかとばかりに顔を見合わせていた時、門からが出てきた。
黒い布のマスクに薄手の黒と紫のラインがり混じった裝束という一風変わった風貌が一同をぎょっとさせる。はにこりと笑いかけた。
「紹介狀を預かるわ」
「は、はい!」
「こちらを!」
「オレも!」
「わ、私も……むぎゅっ!」
全員がに押し掛けるように次々と紹介狀を手渡す。出遅れたメディも差し出そうとしたが、大衆に挾まれてしまった。
エルメダがメディを引っ張りだしてから一息つく。
「メディ、大丈夫!?」
「待ったほうがいいですねぇ」
「こんなに紹介狀を持ってる人がいるなんて……。実は誰のものでもいいなんてわけじゃないよね」
が紹介狀を開封して、一枚ずつ目を通していく。そして一人の男に突きつけた。
「カラルド子爵は以前、ワンダール公爵が気にらないと言ってたわ。よってお會いさせるわけにはいかないわね」
「は!? カラルド子爵はワンダール公爵と酒を酌みわす仲だと仰ってたぞ!」
「酒の席で失禮な発言をされたと仰ってたわ。特に関係が荒れているところも気にらないみたいよ」
「はぁぁぁぁ!?」
ぶ男を無視して、は次の紹介狀に目を通す。また一枚、今度は商人の男に突きつける。
「シュツエウド伯爵とはファッションセンスが合わないと言ってたわ。よってこちらも無効ね」
「待て待て待てぇ! それなら紹介狀を出すわけないだろう!」
「それは私が知ったところじゃないわねぇ」
「どけっ!」
今度は紅牙のベイウルフと名乗った男だ。エルメダもその名は聞いたことがある。
誰ともパーティを組まず、一匹狼のごとく賞金首を狩り続ける凄腕の冒険者だ。稼いだ賞金額は下手な貴族の総資産を上回る。
「あなたも紹介狀を?」
「そんなものはない」
「じゃあ、ダメねぇ」
「賞金首バッドムーンの報をワンダール公爵が持っていると聞いた。金はいくらでも払う」
「ダメ。紹介狀を持って出直してきて」
納得がいかないベイウルフがこうとしない。との睨み合いが始まった。
一即発といったところで、メディがひょこっと二人の間にる。
「あの、私の紹介狀を見てほしいです」
「あら、かわいらしいお客様ね」
「もしこちらの紹介狀を書いた方を気にっていただけたら、皆さんを通してほしいんです」
「それは難しいわねぇ」
「お願いします。皆さん、お困りです」
は首を傾げてメディを見下ろす。メディの紹介狀をけ取ってその名に目を通したところで、の目が見開いた。
メディ達と紹介狀を視線が往復している。
「……あなた、何者?」
「カイナ村のメディです。こちらが正義と破壊の魔導士エルメダさんです」
「カイナ村……」
がまたしても考え込む。エルメダもあえて突っ込まない。エルメダの凄さを伝えれば、しでも信じてもらえるというメディの配慮なのだと信じた。
やがてが紹介狀を閉じる。そして再びメディに視線を落としてを歪めた。
「あなた薬師ね」
「よくわかりましたねぇ!」
「薬品の匂いがプンプン漂うもの。それに私もしは嗜んでいるのよ。ウフフフ……」
「え?」
の豹変ぶりに全員たじろぐ。肩を揺らして実に楽しそうに笑っている姿が不気味に映った。
「わかったわ。あなたの要を聞きれましょう。ただし……今から私なりにテストさせてもらうわ」
「テ、テストですか?」
「もちろん責任重大よ。合格しなければ、後ろの人達はワンダール公爵にお會いできない。あなたから言い出したことだものね? クスクス……」
「わかりました! やります!」
はわわ、とばかりにエルメダが固唾をのむ。このような事態になるとは思わず、さすがに心配していた。
エルメダの見立てではも手練れであり、しかもその正に察しがついたからだ。
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