《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》9.化
~約三年後~
――ズゾゾゾゾッ
地を這う、影が迫ってくる。
目にも止まらぬそのスピードに、文字通りその姿を捉えることはできない。
奴の名は、シャドウヴァイパー。推定レート、SSS。
B180の主であるシャドウヴァイパーは、蛇の様なを持ち、尾には二メートルを超える大剣のような刃が備わっている。
の太さは僕と同じくらいの大きさで、全長は計り知れない。
――目で追わずに、気配を読む!
シャドウヴァイパーに挑むこと今日で約4カ月。殺されかけること、數千回。
日常的に死線を彷徨うに、この過酷で熾烈な環境で生き抜く為に視覚、聴覚、嗅覚、味覚、覚、全ての五が異様なほど強化された。それら全てが集約され、今の僕は『死の気配』をじとる事ができる。
敵の攻撃が纏う僅かな殺気、『死の気配』をじとり、その攻撃先を察知することが可能となったのだ。
――ズガガガガガガッ!!!
シャドウヴァイパーは、こちらの視線が外れたのを察したのか、死角から尾の刃を打する。
とてつもない破壊で、そこら一帯の地面が陥沒してしまう。
しかし、刃に纏う殺気から攻撃を察知した僕は最小限のきで回避する事に功する。
そのまま流れるように尾を切斷、揺するシャドウヴァイパーの頭部へ接近した。
「――ごめんね」
ドスッッッ!!!
魔力で強化したダガーナイフで額を突き刺した。
ユグドラシルの莫大な魔力を注げるだけ注ぎ、凝された僕の魔力刃は、とんでもない強度を誇るシャドウヴァイパーの頭蓋すら容易に貫通する。
「グオオオオッガガガガァ!!!」
ぶ、シャドウヴァイパー。
縦橫無盡に暴れまわり、頭にしがみつく僕を振り落とそうとする。
「――ッ!」
しかし、ナイフを突き立てた時點で勝負は決していた。
そのまま世界樹から供給されている魔力を流し込み、許容量を超えたシャドウヴァイパーの目玉が吹き飛ぶ。
魔力回路が壊れ、流れ込む魔力に耐えられず、というから大量にが噴き出していた。
「......やっと、倒せた......やった! ノルン!!」
この階層の扉前で観戦していたノルンを呼ぶ。
「うむ......本當に見違えたな。 まさかシャドウヴァイパーを倒してしまうとは......いくらわしが教えているとはいえ、正直がちで百年はかかると思っておったが......僅か三年とは。 おまえもフツーに化じゃな」
うんうん、と頷き褒めてくれた。
「ううん、ノルンの教え方が上手なんだよ、ありがとう」
「謙虛すぎんかおまえ」
「あははは。 いや、本當に」
ゆっくりと流れ行く雲と星空を眺める。ここ、本當にダンジョン?ってじの風景だが、雲はガスで星は天に埋まっている魔石が発しているらしい。
でも多分それは噓だ。質問に答えたときノルンは二回まばたきをした。これはノルンの噓をついた時の癖。
......多分、ノルンもあれが何か知らないんだろうな。
ちなみに外と中でも時間の流れが同じく、同様に朝も夜もやってくる。
「......もう三年か」
何気なく呟いたその言葉にノルンが反応した。
「む? なんじゃ、おまえやっぱり外がしくなってきたのか? 可いところもあるもんじゃな」
「あはは、別にそんなんじゃないよ。 時が過ぎるのは早いなって。 ノルンとももう三年の付き合いだなぁってさ」
本當にあっという間だったな。毎日死に狂いだったからか、果てなく長かったような、けれど一瞬で過ぎていたかのようにも思える。
「うむ。 しかし、まさか人であるおまえが下層の魔を倒せるまでに長するとは......人が來ただけでも驚きなのに、とんでもないレベルの強さになったな。 わしも誇らしいぞ」
をはり、フフン!と、どやるノルン......可いな。
「そういえば、ノルンはここでずっと一人だったんだよね?」
「え、あー、まあのう。 ダンジョンにる者もないし、この深層までくる事も普通の人間ではまず不可能じゃからな」
「まあ、そうか......さっきの180Fの主の強さも地上の魔獣とは次元が違ったし」
僕がシャドウヴァイパーを倒せたのは、ユグドラシルの魔力が供給されてる事により可能な無限ヒールがあったから可能だった手法で、普通はそんな事はできない。
死ににくい僕のを使ったトライアル&エラーによる実戦経験の蓄積に、よるところが大きい。
どれだけ魔力があろうと、SSSレートと対峙すれば普通は初見で殺されて終わりだ。
「逆にダンジョンから出ようとは思わないの?」
「......わしはダンジョンから出られない」
「え、出られないの」
「いやまあ、出れるならとっくに出とるじゃろ。 わし強いし」
「......もしかしたら、人の居ないこのダンジョンが気にって住んでるのかなとも思ってさ」
実のところ、僕がそんな気持ちでここに住み著いた訳だし。
「あー、まあ、居心地はよいかな......でも、ここにおる理由はそれだけじゃない」
その理由はもしかすると、れてはいけないものなのかもしれない。
彼の寂しそうな瞳が、それを予測させた。
「そう、なんだ」
「.....うむ。 しかし、まあ、ダンジョンの外を見てみたいとは多思うがの」
ニコッと笑って見せた彼は、どこか寂しさをじさせた。いや、寂しく無いわけが無い。
ずっと一人でこのダンジョンの奧底にいたんだぞ。
「おまえこそ、外で何かしたいことは無いのか?」
「......僕?」
「そうそう、何かやり殘したこととかないのか?」
やり殘した......。
【とても大切なお願い】
先が気になる!更新はよ!と思った方はブックマークや広告の下にある☆☆☆☆☆で評価してくださると、とーっても執筆へのモチベがあがります。
よろしくお願いします!
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193クリフエッジシリーズ第二部:「重巡航艦サフォーク5:孤獨の戦闘指揮所(CIC)」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一二年十月。銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國では戦爭の足音が聞こえ始めていた。 トリビューン星系の小惑星帯でゾンファ共和國の通商破壊艦を破壊したスループ艦ブルーベル34號は本拠地キャメロット星系に帰還した。 士官候補生クリフォード・C・コリングウッドは作戦の提案、その後の敵拠點への潛入破壊作戦で功績を上げ、彼のあだ名、“崖っぷち(クリフエッジ)”はマスコミを賑わすことになる。 時の人となったクリフォードは少尉に任官後、僅か九ヶ月で中尉に昇進し、重巡航艦サフォーク5の戦術士官となった。 彼の乗り込む重巡航艦は哨戒艦隊の旗艦として、ゾンファ共和國との緩衝地帯ターマガント宙域に飛び立つ。 しかし、サフォーク5には敵の謀略の手が伸びていた…… そして、クリフォードは戦闘指揮所に孤立し、再び崖っぷちに立たされることになる。 ――― 登場人物: アルビオン王國 ・クリフォード・C・コリングウッド:重巡サフォーク5戦術士官、中尉、20歳 ・サロメ・モーガン:同艦長、大佐、38歳 ・グリフィス・アリンガム:同副長、少佐、32歳 ・スーザン・キンケイド:同情報士、少佐、29歳 ・ケリー・クロスビー:同掌砲手、一等兵曹、31歳 ・デボラ・キャンベル:同操舵員、二等兵曹、26歳 ・デーヴィッド・サドラー:同機関科兵曹、三等兵曹、29歳 ・ジャクリーン・ウォルターズ:同通信科兵曹、三等兵曹、26歳 ・マチルダ・ティレット:同航法科兵曹、三等兵曹、25歳 ・ジャック・レイヴァース:同索敵員、上等兵、21歳 ・イレーネ・ニコルソン:アルビオン軍軽巡ファルマス艦長、中佐、34歳 ・サミュエル・ラングフォード:同情報士官、少尉、22歳 ・エマニュエル・コパーウィート:キャメロット第一艦隊司令官、大將、53歳 ・ヴィヴィアン・ノースブルック:伯爵家令嬢、17歳 ・ウーサー・ノースブルック:連邦下院議員、伯爵家の當主、47歳 ゾンファ共和國 ・フェイ・ツーロン:偵察戦隊司令・重巡ビアン艦長、大佐、42歳 ・リー・シアンヤン:軽巡ティアンオ艦長、中佐、38歳 ・ホアン・ウェンデン:軽巡ヤンズ艦長、中佐、37歳 ・マオ・インチウ:軽巡バイホ艦長、中佐、35歳 ・フー・シャオガン:ジュンツェン方面軍司令長官、上將、55歳 ・チェン・トンシュン:軍事委員、50歳
8 155山羊男
『Уаğİ 〇ТбКф』(通稱:山羊男(やぎおとこ))という正體不明の存在がきっかけに始まる、一連の失蹤事件と多発事故 殺人鬼、元受刑者、殺し屋、偽裝、情報操作、陰謀、妄想、迷信、病気、幽霊、悪魔、神、信仰、未確認生命體、クローン、ミーム、概念、都市伝説、虛言… 最早何が現実で、何が噓か分からない。しかしこれだけは言える。この先に何が起きても、誰も真実には屆かない。
8 115俺が斬ったの、隣國の王女様らしい……
貴族が多く通う王立魔法學院に通う平民――リューズは、一週間前から毎晩のように黒い靄に襲われ、追われていた。さすがに痺れを切らしたリューズはソレと剣を交え、見事斬ったのだが……黒い靄が晴れたかと思えば中から黒髪が美しい美少女が全裸で現れた。 その事件から翌日……いつものように貴族からイビられながらも堂々と過ごすリューズのクラスに、フィーラと名乗るあの黒髪の美少女が編入してきた。なんでも、フィーラは隣國の王女であるらしく、ここにはお婿を探しに來たらしい。そしてどうやら、リューズはフィーラにお婿として目をつけられているようで……。 ※こちらの作品は、「小説家になろう」にて掲載されています。「小説家になろう」の方では、幾らかの加筆修正がされているので、そちらをお読み頂く事を、お勧め致します。
8 116鸞翔鬼伝〜らんしょうきでん〜
古くから敵対してきた不知火一族と狹霧一族。 銀鼠色の髪に藍色の瞳の主人公・翔隆は、様々な世代の他人の生と業と運命を背負い、この戦亂の世に生まれた。 戦國時代の武將達と関わりながら必死に生きていく主人公の物語。 続きはpixivfanbookやエブリスタ、Noteにて販売します。
8 130見た目は青年、心はアラサー、異世界に降り立つ! ~チートスキル「ストレージ」で異世界を満喫中~
交通事故で命を落とした中年「近衛海斗」は、女神様から大した説明もされないまま異世界に放り出された。 頼れるのは女神様から貰った三つの特典スキルだが、戦闘スキルが一つもない⁉ どうすればいいのかと途方に暮れるが、ある事に気付く。 「あれ? このストレージって、ただの収納魔法じゃなくね?」 異世界に放り出された海斗の運命やいかに! 初投稿となります。面白いと思っていただけたら、感想、フォロー、いいね等して頂けると大変勵みになります。 よろしくお願いいたします。 21.11.21 一章の誤字・脫字等の修正をしました。
8 108