《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》22.スノードロップ (ロキ 視點) ★
「おい......まだつかねえのか、ロキ......」
「......いや、もうすぐのはずだ」
「そう言ってお前、何時間たったと思ってんだよ」
「ひ、ひからびちゃうんですけど......」
「......」
「ひ、日差しも強いですしね......無理もありません」
ちっ、くっついてくるだけの奴が文句垂れてんじゃねえよ!
......そういや、確かレイがいるときはあいつに先導させてたよな。
あの頃は目的地まですんなり到著してた気もする......いや、むしろ早く著いていた気がする。
「......レイは......」
ん?なんだ、珍しくフェイルが口を開いた......?
「......いつも、天候とルートを念りに確認していた......今日みたいな日には気溫の下がった隙に出発をうながしていた」
そういえば......出発を遅らせる事が何度かあったな。あれにはそういう意味があったのか。
白魔導師のカナタがそれに反応した。
「それはきっとメンバーの力を無駄に消費させないようにとの配慮でしょうね。 敵と対峙したときにベストなパフォーマンスを発揮できるように......」
「......うん、そう」
「いやねえだろ、あいつがんな用な事できるわけねえよ、はっ......どうでも良いが、頭いてえ。 昨日は飲み過ぎたぜ」
スグレンストが笑い捨て、重い頭を手でさする。
あんだけ浴びるように飲んだらそーなるだろーが。ばーかばーか。ざまあみやがれ、はっ。
そんな事を考えていると、ヒメノも何かを思い出したようで口を開いた。
「んんん、でもでも......レイが居た頃って、スグレンスト、二日酔いしたことなくない?」
「......あー、確かになぁ。 なんでだ?」
「......それは......スグレンストのお酒、レイがこっそり薄めてた......二日酔いで魔と戦うのは、いくらスグレンストが強くても危険だからって......」
「マジでかよ。 ははっ、ロキよかよっぽどリーダーみてえな事すんのな、あいつ」
......てめえ。くそゴリラが。
「おーおー、冗談だぜぇリーダー様? そー睨むなってーの」
「あ、ロキさん、皆さん! ダンジョン、見えましたよ!」
大きな赤い門があり、その下には大量のとりどりの花が咲き誇る。
あれはダンジョンでの死者へ手向けた花の種が自生したもので、黃泉のり口とも呼ばれる。
ここはAランクダンジョン、『死の夢扉』
――王都から西へ行くと、山脈沿いに寄り添うように鉱山の窟がいくつもある。
二年前、そののひとつに眠っていたダンジョンのり口を、鉱員達が堀り當ててしまった。
未登録ダンジョンだと言うこともあり、侵したとしても罰則は無いのを良いことに鉱員が五十名ダンジョンへ。
目的は寶とダンジョンの希鉱石。
しかしその全てが死亡。
一般人は冒険者や聖騎士とは違い、ダンジョンの危険の認識が甘い場合が多い。
そして、不幸にも偶然見つけてしまったダンジョンにお寶の夢を見て扉を開けてしまった。
それがこの『死の夢扉』というダンジョンだ。
「......ギルドで貰った通行証を、この扉の脇にある魔紋へあてててっと」
ゴゴゴゴ......ッ!!!
特殊な魔力が流れ扉が開く。
「さて、るぞ......カナタのデビュー戦だな」
「よ、よろしくお願いします......!」
「うおー、ダンジョンの中暗いなぁ? カナタ、魔法で明るくしろよ」
スグレンスト、こいつ......リーダーでもねえくせに偉そうに。
「カナタ、ランプお願いできるかな?」
「はい!」
返事をすると、カナタは背負っていたリュックからランプを取り出し火をつけた。
「あなたも魔法で明るくできないの?」
に指をあてながらヒメノがカナタへと聞く。
「え、そんな魔法あるんですか?」
「あー、やっぱり? てっきり白魔法かと思ってたんだけど、レイがよく使ってたし。 あれってレイにしか使えなかったのかなぁ? あなたの前にいた白魔導師も使えなかったしさ」
「......ああ、る程。 多分そうだと思いますよ。 レイ様は魔法も々と調べ研究していたみたいですから」
レイにしか使えない魔法だと......いや、確かに原理がわからなかったな。
だからこそこうしてランプの火を頼りにダンジョンを探索している訳だが。
ランプって消えやすいんだよな。しかし、他の冒険者もこうしてダンジョンを攻略しているしな。
レイはそういう所も補っていたのか......。
いや、まあ、いい。とにかく、この『死の夢扉』を攻略しようか。
「......スノードロップ......」
フェイルが不意に言葉をもらした。
「......ん?」
「......ここに咲いている花だよ......」
「ん、ああ。 そうか......」
――そうして俺たちは扉を潛った。
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