《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》31.湯気

――カポーン。

「......ふぅ、良いお湯だなぁ......」

ヴォーダン村は、溫泉で有名な村だ。旅人や冒険者、様々な人々が訪れる溫泉村で、ワーウルフの問題がなければ村は普段もっと賑わっているらしい。

「......そのせいか、誰もいなくて貸し切り狀態......」

広々とした浴場に、白い湯気。そしてお湯の香りと溫もり......。

久しぶりの溫かな湯に、心もも緩んでくる。ここまでずっと殺すか殺されるかの命のやりとりをしてきた。

五年......五年もの間、ダンジョンで死闘を繰り広げ、それを越えてきた。

僕のは疲れを知らないが、神的な疲労はやはりある。

だから、こうして溫泉でゆっくりできるのは有り難い。

「......し、失禮します」

「ん?」

振り向くと、一糸纏わぬリアナがいた。

「ええええ、なんで!? るなら先にって良いっていったよね!?」

勢いよくツッコミをいれると、リアナのはびくっと跳ねた。

お、驚かせてしまった......って、いや、違う、だってこれは......。

な、なんで?

「あ、あの、はい......わ、私が今ここにいるのは、おからだを流して差し上げたく......」

「き、気にしなくていいんだよ、さっきも言ったけど、僕らは主従関係にはないんだから、そんな事しなくても良いんだ」

「......で、でも、すみません、私、不安で......! これまでずっとレイ様に助けられてばかりで......私、なにもできてなくて、だから......せめて出來ることを」

はその必要を必死にうったえてくる。

いや、その気持ちは痛い位にわかる......僕もかつてそうだった、パーティーで不必要とされればどうなるかは心の奧底でわかっていた。

だから必死にやれることをさがして、なんでもこなしてきた。必要とされるために......なら彼のその不安を消してやらなければならない。

......。

ここは想いをくんであげるべきか。

「......わかった、背中をお願いするよ」

「......ほ、本當ですか......! 大丈夫、全をくまなく綺麗にして差し上げます......! 私、頑張ります!」

「ぜ、全!? そ、それは、いいかな......」

「遠慮なさらないでください......! 私、綺麗にするの得意なんです......!」

「え? あ、あー、うーん」

いを隠せず、狼狽しているとリアナに素早く背後に回られた。

「......」

「......」

......無言の圧力をじる。

ま、まあ、とりあえず背を流してもらう為に、大人しく座ろう。

座るとリアナは、「ありがとうございます」と嬉しそうに言い、布を泡立て始めた。

やがて、それが整い背をり始める。

......。

背中を一生懸命にごしごし洗ってくれている。力がないけど、こんなことをされるのは初めてで、恥ずかしくてくすぐったいけど......心地いい。

なんだろう、リアナの優しい手つきが......懐かしいな。

そんな事をぼんやり考えていたら、リアナが口を開いた。

「......髪......ほのかに紅いのは......」

「ああ、それは、浴びたの影響で......元々僕の髪は白髪だよ」

あ、と思ったがもう遅かった。怪訝な顔でこちらをみている。

「あ、えーっと、ずっと魔獣を狩る生活をしていたからさ。 そのを浴びていたらが落ちなくなってしまったんだよ」

......魔獣のは魔力濃度が高いと言われてます。 そのせいもあるのでしょうか......」

「うん、そうなんだ。 だから生え変わるまではこの変なの頭を我慢するしかない」

「そう......なのですね。 あ、背中は終わりました......前洗うので、こちらへ向き直ってください」

「それは斷る」

即答した。

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