《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》34.人狼げーむ
「――さて、と」
ワーウルフが三人、村を小高い丘から眺める。
「あいつから聞いていた邪魔者が居なくなったな?」
「ああ、これで村人全員をゆっくりと、いたぶりながら喰える。 面倒だったが、男をちまちま食ってった意味はあったな?」
「まあな、ただ食うだけじゃつまらねえからなぁ。 やっぱりじっくり悲鳴を聞きながらじゃねえと、食事は味くねえよな」
がっはっは、と豪快に笑う二人のワーウルフ。そして、村から離れていく旅人の二人に目をやり、ぽつりと呟いた。
「しっかし、あんなひょろいやつにバイガンがやられたとか......見まちがえじゃねーの? どうみてもただの旅人だろう」
「まあな。 だが、死四天魔であるアルフィルク様の命令だ。 奴らは見逃せ」
「えー、あいつも喰っちまおうぜ? 男はともかく、は上だぜぇ? 魔力もたっぷりだし、ぜってえうめえよ、あれ」
「ダメだ。 まだ猶予があるとは思うが、あまり時間をかけていると聖騎士の救援がきてしまうかもしれんぞ。 ......報によれば王國騎士団の一部が、勝手に村や町を見回り始めているらしいからな。 おそらくこの村にくるのも時間の問題だ......その前に殘りの村人を全て食わないとだろ」
「そうかぁ。 でも、ま! いや~、やっと思い切り食べられるんだなぁ! こそこそ闇夜に紛れて拐うなんざめんどくさかったんだよね」
「そうだな、たくさん食べたかったよな!」
「そのためにここまで邪魔でも不味い男ばかりを食ってきたんだ、殘ったのは力のない老いぼれと、味い、子ども......今夜はたらふく、全てを食らいつくすぞ!!」
「おおお!! 行こーぜえ!!」
「今夜はパーティーだ!!! ひゃははっ!!!」
◇◆◇◆◇◆
――神門の方をみて、は凍りつく。
「――え」
それはあまりにも突然で、唐突だった。ただ事ではないような神木主様の悲鳴が聞こえ、外へと飛び出してみると
村の門の前にはに濡れ倒れた神木主、その橫に三匹の大きなワーウルフがたっていた。
「ひあ、あ......きゃあああーーーっ!!!」
誰かの悲鳴を皮切りに、それは村全へと伝播していく。
皆が狂ったようにび逃げう。
この村に逃げ場はない、けれど、逃げなければ殺される。
「さーてと、俺はまず宿屋のをくうかな~」
「ん......ああ、ずっと目をつけていたもんな、お前」
「子どももらかそうだったしな」
「子どもはいいよな、はすくねえが味い」
「......やらねえぞ? 宿のガキは」
「はいはい、わーってるっての」
そんな會話をしながら宿屋へとっていく一匹と別の方へ歩いていくワーウルフを橫目に私は出口を目指した。
外の魔獣に遭遇するより、村にいる方が危険だ。
しかし、出口である門にはワーウルフがいた。
両手には私と同じく外へ逃げようとしたがを鷲摑みにされていた。
「痛いッ離して!! ぐあああああ」
「お願いします、助け......あ、が」
それは背骨なのか腕の骨なのか......わからない、ミシミシと背筋の凍りそうな音が握られている彼らのから聞こえてくる。
握りしめられたの苦痛に満ちたき聲が背筋を這い、吐き気をもよおす。
――そして、そのワーウルフは言った。
「いいいいいッッ!! なんつー聲で鳴くんだァ......最高だ、ひぃひゃあははははは」
よだれをたらしながら歪にあがる口角。その時気がついた。喰われるのが最悪ではない。
おそらく私たちは楽には死ねない。ああして遊ばれて、散々遊ばれ命が盡きてやっと解放されるのだ。
私は腰が抜けその場でへたりこんだ。逃げなければいけない、でも......どこに?
頭の奧で逃げられないことを理解していた。
私はただ呆然とそれを眺めていた。
二人が終われば、次は私の番だ......だというのに、心が――がかない。
逃げられない。逃げられない。喰われる、死ぬ。
私はここで死ぬ。
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ
◇◆◇◆◇◆
――扉を開けた先、が短剣を俺へと差し向けていた。そんなもんでワーウルフの俺が殺れるかよ、と思ったが人のは非力と聞く。
重い剣はおそらく振れないのだろう。――ああ、人とは難儀なもんだな。などと思いながら、俺は反応を楽しみながらゆっくりと近づき始めた。
「ち、ちかよらないでっ」
涙を流し威嚇するの表にぞくぞくとする。
「はははっ、近寄ったらどうなる? そいつで刺し殺すか? やってみろ、きっと面白い事がおこるぞ?」
刺しに來たらそうだな、一瞬で両腕を食いちぎるか?一瞬にして肘から先が消えたら驚くよな......いいなそれ。このが泣きぶ所を想像すると興してきちまうぜ。
さて......煽れば向かってくるか?愚直に向かってくるか?馬鹿のようにを差し出すか?......クククッ。
「お前の、子ども達......らかそうだったなぁ。 ありゃ骨も脆そうだから骨ごと喰えるなぁ......? お前より先にあの二匹を食らって鳴き聲を聴かせてやろうか......ガキの泣きぶ聲はきっと興するぜえ? 聴かせてやろうか?」
青ざめる。しかし、その直後するどく俺を睨み付け、目論みどおりこちらへ突進してきた。
「シュウ!! リズ!! 逃げてーーーーっ!!!!」
あ?ああ、子供の名前か?ははっ、逃がさねえよ!おまえを食ったら次は子供だ!
ナイフを突き刺そうと、ばしきった腕がちょうどよく目の前に......噛みちぎれる位置へときた。
の突きのスピードなど、ワーウルフの俺には止まって見える。
いただきまーすっと......あーーーーん
――グシャッ!!!
食らいつこうと口を開けた瞬間、下顎から上顎にかけて鋭い痛みが走った。
「!?? ぐぎゃああああああがががががーーーー!!!?」
いぎゃあががががが!?い、い、いでえええええええ!!?な、なんだ!!?
俺の顎に......ナイフ!?なんで、ダガーナイフが刺さってんだァ!?......くっっっそいてえええええええ!!!!
「......君の泣きぶ聲は......興どころか、不快になるね」
ナイフを突き刺されたまま、下へ視線をおろすとそこには
――村を出ていったハズの、白髪の旅人がいた。
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