僕は歩きながら、タラゼド隊長とアトラと三人での會話を思い出す。

『レイ、ひとつ教えておく。 俺を引きれようとした魔族は死四天魔だった』

『死四天魔......魔界の四騎士と呼ばれている、魔王の懐刀』

『そう、そいつだ。 ......実のところ、俺は奴の魔法にあてられていた節がある。 奴にれられてから、俺は怒りをコントロール出來なくなったような気がする』

『怒りを......』

『作、心をるのかもしれない。 小さな憎しみに火がつき、瞬く間に燃え上がるかのように、俺のは増大し......村人へと矛先が向かった』

タラゼド隊長が言う。

『いや、まてまて......それが本當なら、なぜこんなところにそのような大がいるんだ？ 死四天魔と言えばSSSレートの魔族だぞ？ そんな奴がなぜ人間界にいる？ ありえないだろう』

それにはアトラが答えた。

『タラゼド隊長、ありえなくないです。 ダンジョン、知ってますよね？ SSランク冒険者が見つけたあのダンジョンを』

『！ ......魔界に通ずる、『闇』か』

『はい。 奴等もおそらくはそこから』

『る程......』

『そして、レイ。 お前はその死四天魔に狙われている。 奴はお前をしがっているぞ。 今回、お前らを見逃せと指示したのも、村を落とすのに邪魔だという理由の他にそれがある』

『......そっか』

『いや、そっかって......驚かないのか？ SSSレートだぞ』

『いや、この間から誰かに見られている気がしたから。 腑に落ちたよ......そうか、だから。 それで、そいつの名前と顔は』

タラゼド隊長とアトラが驚いていた。きっとSSSレートに狙われているのに揺していないからだろう......誤魔化すのも切りがないので、もう気にしないけど。

戸いながらアトラが言葉を紡ぐ。

『......俺が會ったのは使い魔だったからな、本人の顔はわからない......名は』

「『死四天魔のアルフィルク』か......」

◆◇◆◇◆◇

一人の聖騎士が、村の神門をなおしながら言った。

「――しかし、凄いですね彼は......ワーウルフを三にダイヤを一人倒して無傷とか......タラゼド隊長は彼の事を知っているみたいですが、名のある剣士なんですか？」

タラゼドは頷き答えた。

「ああ、彼はグンキノドンワという冒険者パーティーに所屬していた冒険者だよ。 今はフリーのようだが......ちなみに彼は白魔導師だぞ？」

ぎょっとした表をする部下の聖騎士。

「し、白魔導師！？ えええ！？ だって、あれ......ワーウルフの傷口は一流の剣士が斬りさいたような切り口でしたよ！？」

その時、また別の聖騎士が橫から口を挾んだ。

「いやいや、また隊長の冗談だよ。 白魔導師がこれほどの戦闘力を持っていたら脅威所の話ではないでしょう。 ......隊長、冗談ですよね？」

「......だったらびっくりだよな？ はっはっは」

「あ、冗談すか、びびったぁー」

まあ、冗談ではないんだけどな。

數年前、まだ彼がグンキノドンワに所屬していた頃......冒険者との合同作戦をしたことがあった。そこに彼の姿があったのを今になって思い出した。

彼は白魔導師だというのにき回り敵の注意を引いていたのが印象的だった。

本來、白魔導師はパーティーの要であり、やられてしまえば致命傷。それ故にまともなパーティーであれば絶対にやめさせる行為ではあるが、彼には脅威的な回避能力があった。

敵の挙を把握しているからか、予測がたつのか、敵のきの未來が見えているかのような予知のごとき対応力。

合同作戦が行われた時の記録では、參加した中で彼の所屬するパーティーは唯一死者どころか怪我人はゼロだった。

タラゼドが思いに更けていると、部下の聖騎士が口を開く。

「でも、あれですよねー、白魔導師が敵の注意を引ければ確かに敵もそっちに釣られちゃいますよね......ヒーラー殺せば勝ち確みたいなもんだし」

また別の聖騎士がそれに答えた。

「いやいや、そんなける白魔導師なんて存在しないから。 それにヒールってめちゃくちゃ神経つかうんだよ？ 集中力を最大値に詠唱しなければ無駄にオーラを消費して不発に終わることだってあるんだし......きながらヒールとか絶対無理でしょ。 ね、隊長？」

「......まあな」

だが、彼はそれをやってのけていた。合同作戦で、敵の攻撃を回避しながら、ヒールで他のパーティーの窮地を救っている。

そして、ワーウルフ三人とアトラを倒す戦闘力。

......もしかすると彼は、彼の力はこの國で最強の戦闘力を誇る『王直屬騎士』の三騎士にすら匹敵するかもしれない......。

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