巨大な東門へと到著し、魔力壁が解除された。村にあったものは一人で開閉できる簡易のものだったが、この東門は聖騎士三人の神力を注いで起させる強力なものだ。

「隊長、お疲れ様～」

「お帰りなさい、隊長」

「お、隊長が客つれてるな」

「うん、みんなお疲れ様。 この二人の名前と魔力跡を名簿に殘してしいんだけど、いいかな？ いいよね？ 頼む」

「はああっ！？ あーたはまた勝手な......怒られますよ、そんなん勝手に殘したらさぁ」

付嬢のような出で立ちの聖騎士が頭を抱える。

......この人、鎧が赤い。

「あ、ミリアナ副隊長、それ僕がいったっす」

そう言い、ため息をつく騎士。

「すまん、今私はなにも聞こえないし、見えない」

向かいには耳を塞ぎ、目をつむる騎士......しかし、それを意に介さずタラゼド隊長は話を進めていく。

「いやぁ、この二人は大丈夫だ！」

「えぇ......まあ、隊長が言うなら仕方ねえ。 こうなったらとまんねえし。 んじゃあ、お二方、こちらへ來てもらっていいですかね？」

「あ、は、はい......」

「はい。 なんだかすみません」

「いやいや、お二人は謝る必要ないですよい。 それじゃ、ちゃちゃっと記録しましょっか」

この人、白髪だけど僕と違って綺麗だな。しかしこんな綺麗な人が紅の騎士か......相當強いんだろうな。

「――と、オッケーです。 これで東門からはいつでも出りできますよ」

「あ、ありがとうございます」

「すみません、ありがとうございます」

僕とリアナは、ミリアナ副隊長とタラゼド隊長に禮を言った。

「うん、よし......では俺は王城へ村の件を本部へ報告しにいかねばならんのでな、ここでお別れだ」

「タラゼド隊長、本當に々とありがとうございました」

僕が頭を下げると、リアナもペコリと頭をさげた。

「いやいや、楽しかったよ。 また何かあれば頼ってくれて構わない。 では元気でな！」

彼は手をふり馬車へまた乗り込み、去っていった。

僕らも聖騎士の皆さんと手を振りあい、別れる。短い旅路だったけど、一抹の寂しさをじる。

......さて、気持ちを切り替えて。まずは銀行へ行かないとな。タラゼド隊長から貰った手形を引き換えよう。

っと、ん？リアナが居ない......あ、いた。

大きな案板を眺めているリアナに聲をかける。

「リアナ、どこか行きたい所あるの？」

「あ、いえ......えっと、私、ずっと連れて歩かれるばかりだったので、々と珍しくて......々なお店や建があるのですね」

彼の瞳を見ると、好奇心に彩られているのがわかる。

そっか、る程。奴隷に自由はないからな。僕の場合はパーティーの雑用や買い出しを全て任されていたから、多自由に町を見て回ることが出來たが......でも、わかるよその気持ちは。

「々見てみようか」

「あ、で、でも......」

「？」

「そんな、迷は......かけられません。 レイ様には目的がありますし、私の事でお時間をつかわせてしまうのは！」

確かに、『リアナの為に時間を使う』という行為は、多分リアナの神に負擔をかけてしまう気がする。

だったら......『僕の用事に付き合ってもらう』という裁でいこう。

これなら彼も素直に楽しめるだろう。

「そっか、わかった。 それじゃあ僕の買いに付き合って貰おうかな......いい？」

「え、あ、はい......それは、勿論です」

確か、ここから南に行けば甘いものが食べられるお店があったはず。

リアナに食べさせてあげよう......あとは洋服かな。僕もだけど、リアナにはもっと確りしたを著せてあげたい。せっかく綺麗な容姿をしているのに勿ないし。

そういえば......冒険者時代。たまに買い出しの手伝いをしてくれて、一緒に甘いもの食べた。

彼は......フェイルは、無事だったのかな。

「れ、レイ様？ 如何されましたか......？」

「ん？ ああ、ごめん。 さて行こうか......まず、君には頑張って貰わなければならない事がある」

「は、はい！ 頑張ります！ 何をすれば......？」

「甘いものを思いっきり食べる」

「......え？」

それから二人で王都の城下町を巡り、食事と買いを堪能した。

彼の次第に見せ始めた楽しそうな笑顔は、僕の心を溫かくし、何よりも幸せをじることが出來た。

ありがとう、リアナ。

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